ポット出版社長・沢辺均の日記-31[2009.08.28-08.31]

2009-08-31 沢辺 均

●2009.08.28金
午前中はポット会議。その後、H社プレゼンで和田と佐藤と打ち合わせ。さらに「チームビラセレーナ」=イタレリとも。
夕方、国会図書館でちょっと打ち合わせ。
そのまま、中野のNPOげんきな図書館研修「8月28日柳与志夫さん「指定管理者制度を選んだ理由」研修」へ。
帰りは、柳さんふくめ、5人で和民で飲み会。
この日は、「35ブックス」の暑気払いもあったのだけど、僕だけ欠席。残念でした。
先日手続きを終えた、政府の緊急保証融資、口座に入金がすんでいた。おとといだ。
口座残高は、ポット史上最高の金額だ(笑)

●2009.08.29土
WOWOW録画の井上陽水ドキュメント(4話あり。合計4時間)や映画、読書でのんびり。
夕方、鉄とすすをつれて代々木公園のドックランに。
そろそろ本を読みながら寝ようかかと思っていたら、「朝まで生テレビ」環境問題で、
久しぶりに全部みちゃった。ポット出版から、
「低炭素革命と地球の未来 環境、資源、そして格差の問題に立ち向かう哲学と行動 」
竹田 青嗣, 橋爪 大三郎・著

を出すもんでね。

●2009.08.30日
午後から、一緒にバンド遊びをしてるヒノッチ(ベース)の、別なバンドのライブで飯田橋へ。
ヒノッチバンド(UMA)でジャニスの祈りを聞いたりして、帰ろうとしたら雨。
久しぶりに自転車でいったので、ぬれた。
戻ってきて投票へ。今回は民主党にいれたのだ(わが選挙区は、年金のながつま候補)。
民主党の年金案より、おいらの案のほうがいいと思ってるんだけどね。
夕方、雑用をかたづけに事務所にでて、7時半からテレビのまえで開票速報。
チョットした知り合いの辻/本多候補は当選。ポットから本をだした保坂候補は落選でした。
辻候補はポスターのデザインとかやったことがあるんだけど、その人柄がいやで降りた。
第三書館/北川さんに連れて行ってもらった麻布の飲み屋で紹介された辻元清美は当選。

●2009.08.31月
今日、10分遅刻してしまう。
日本出版学会6月にやった講演の、報告記事を書き、
H社プレゼンにむけた最後の打ち合わせ。
夜、古い友人の新妻/加藤くんが事務所によってくれる、。

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溜息に似た言葉「見本出し」

2009-08-31 尹 良浩

今日は新刊『溜息に似た言葉』の見本出しに行ってきました。

見本出しというのは、取次さんにこんな本が出るんだよ、と見本を渡しにいくことです。目的としては、
1.商品登録のため
2.商品説明のため
に取次に直接、新刊見本を持っていくわけなのです。

本が書店さんの店頭に並ぶまでにはどういう経路を辿るかと言いますと、一般的には出版社→取次→書店という順番にリレーしていきます。取次というのは耳慣れない方もいるでしょうが、簡単に言えば本の問屋さんです。1日200点の新刊が生まれ、それを全国20,000店と言われる書店のどこででも購入・注文が出来るのは取次の機能によっています。

取次は自社と取引口座のある出版社の本ならば、自社と取引口座のある書店のどこからでも注文に対応できます。(割愛しますが、厳密に言うと口座のない出版社の本でも可能な場合があります。)それが可能なのは、口座のある出版社の本を在庫、もしくは把握しているからです。在庫があれば注文をもらったところですぐに出荷できますし、なくても把握していれば出版社に注文できます。逆に言えば、本が出たら教えてもらわないことには「この本は何だ?」となってしまいます。

なので、出版社は新しく本を出す時に取次に見本を出します。この本はウチの本である、という登録をお願いするのが「見本出し」の目的の一つです。

とはいえ、本の登録だけならばわざわざ人を出すことはありません。わざわざ人が持っていくのはもう一つの目的、新刊配本の希望を出すためです。

出版社は営業部員を何百人も持ってはいませんので、全国津々浦々の書店に新刊案内に行くには限界があります。そのためにFAXやメール、webを活用しますが、それでも書店さんに案内が届いているのかどうか、というとポットの場合は全国のうちの10%程度です。

ですが、ポットの本が売れる可能性のある書店は、案内をして事前に注文してくれた書店の他にもあるかもしれません。全ての書店を把握しているわけではありませんし、全国の全ての書店員さんがどういう考えで本を展開するのかということを個別的に把握するのは不可能です。

そこで、「新刊配本」というシステムがあります。取次は書店さんの本の入り口ですから、自社が取引している書店の売上はある程度把握しています。そのデータに従ってジャンル別に配本パターンを作っており、各書店に重みを付けて適正数を決め、新刊が出たらパターンに従って送品します。

書店さんは忙しいですし、山のように毎日新刊がでますから全ての新刊を把握するのは難しい。なので、データに従って仕入を代行してくれているわけです。出版社からすれば自社で把握できない売れる可能性のある書店に本を送ってくれるわけですから大助かり、書店さんもお店で売れる本が勝手に入って来るということで大助かり、というわけです。

できるだけ取次に適正な配本を希望する数で送品してもらうために、見本出しの際に商品説明や周辺情報の提供、事前にもらった注文を伝える必要があるわけです。(事前にもらった注文はその分だけこの書店には出して下さいなとリスト化して渡し、その分を送品してもらいます。)

それを元に取次がこのくらいは行けるという数を決め(「部決」といいます)、配本パターンを決めます。出版社は約束した期日に決まった数を納品します。そうすると、取次から事前注文をくれた書店、配本パターンに入った書店に新刊が入荷するわけです。めでたしめでたし。

以上、小学生の工場見学的な建前の並んだ「出版流通のお話〜見本出しとその理由」のお話でした。これでみんな満足パーフェクト、なれば素晴らしい話ですが、実際にはこのプロセスの中に細かいものから大きなものまでいろいろと問題があったりします。

ひとつ具体例を出せば、配本パターンといっても、あくまで取次が判断したものであり、書店は本を勝手に決められたパターンの元で勝手に送られてくるわけで、「こんな本売れねーよ」ということは頻繁におきます。というより毎日おきている書店が大半でしょう。きりがないのでその他の問題点は他の機会に譲りますが、問題は様々ありありな訳です。

まあとはいえよく出来たシステムという見方が出来るのも事実。現状はこのシステムにポットも含め大半の出版社が立場は違えど頼っているわけです。長々してしまうと、きりがないのでとりあえずこの項終わり!

さてさて、話は戻って新刊『溜息に似た言葉』
今日見本出しに行ったわけですが、このあとは
9/2(水)部決確認(取次がいくつ仕入れてくれるか確認する)
9/4(金)新刊搬入(確認した部数を取次へ入れる)
というスケジュールを辿ります。上述のような流通ストーリーを辿って、都内の大きな書店であれば当日に本が並びます。翌日であれば地域にもよりますがほとんどの書店に並びます。(だいたい本州内→本州外→北海道、沖縄というように遠くなるほど1日ずつくらい差が出てきます。)

編集も様々な過程でつくりあげた本が、営業や流通の過程を経て書店へ並びます。何の気なしに書店さんで本を手に取った時に、膨大な数の人の間でリレーされ、多くの過程を踏んできたことを感じていただけたら嬉しいです。それでその本が『溜息に似た言葉』だったらもっと嬉しいです。

名作にある言葉のイメージから脚本家が語り、名作にある言葉のイメージから写真家が写す。名作のイメージをより膨らませてくれるいい本です。9/4(金)以降に全国書店、オンライン書店でぜひお買い求めください。

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未来型音楽レーベルって何だろう

2009-08-31 大田 洋輔

突然ですが、9月2日(水)から始まる「未来型音楽レーベルを立ち上げよう!」という講義に参加します。

世田谷ものづくり学校を教室にした、誰でも参加出来る「自由大学」の授業のひとつです。

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未来型音楽レーベルを立ち上げよう!

[ 講義内容]
2010年音楽の旅

「インターネットでデビューも楽々!」・・・ところが現実は甘くない。アーティストを抱えてその音楽をどう動かし、認知させていくのか? 今までに ない、新しい音楽レーベルの作り方、運営ノウハウをお教えします。契約書の読み解き法、収支見込の立て方など目からウロコのヒジョーに実践的な講義です。

教授:牧村憲一、津田大介
キュレーター:森和夫

[ 講義計画 ]
第1回 “小さいレコード会社作り”はもうやめよう
メジャーレーベルが軒並み収益で苦戦している中、見よう見まねで小型レコード会社を作っても意味がない。ここでは経営面での収益支出を考えながら「形にとらわれない」レーベル作りを考えて行きます。
第2回 上手なネットとの付き合い方1~管理
パソコン、インターネットはなにもアーティストや音楽のプロモーションや販売ツールだけではない。事務的な管理、そしてファン管理にもいろいろと役立てることが出来るのだ。ここは日本有数のTwitterの使い手でもあり、「仕事で差がつくすごいグーグル術」の著者でもある津田氏が目からウロコのネット 活用術を直伝します。
第3回 権利、契約の落とし穴
肝心な物事を進める時には必ず目の前に表れる権利問題、そして契約書。
権利は果たして守り抜くだけでいいのか?契約はすぐに判を押してしまっていいのか? 実際に使われる契約書文例やケースワークを用いながら実践的な対応手段や観点を伝授します。
第4回 上手なネットとの付き合い方2~プロモーション、販売
音楽配信やSNSでアーティストのプロモーションやセールスもバッチリ!・・・だったら誰も苦労はしない。この時間では普段注目されがちなツールや手段ではなく、その有効的な活用法やリアル展開との共存についてレクチャーします。
第5回 未来型音楽レーベルは荒野をめざす
遂に講座も最終回。4回の講義を受講して学んだノウハウで果たしてこの音楽業界の荒波を渡りきれるのか!? 特別ゲストにビクターエンタテインメント (株)FLYINGSTAR RECORDS エグゼクティブ・プロデューサー 高垣 健氏を迎えながら実際の運営の問題点やビジョンを講師と共に考えていきます。

注)内容は予告なく変更される場合があります

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出版社の新入社員がなんで音楽レーベルについて勉強しに行くのかというと、
社長の「行け!」というメールに「行きます!」と返事をしたからなのですが、
社長の「行け!」と僕の「行きます!」にはズレがあって、
社長が何を考えているかは、よくわかりません。

社長は
何か面白そうだから、とか
担当していた本2冊を入稿して時間余らせようとしてないかアイツ、ふざけんな、とか
スパイ、とか
企画を作り悩んでいるペーペーにチャンスをやろう、とか
ほかにももっと一杯、色々なことを考えているのだと思います、多分。

僕は、早い時間に堂々と退社して会社の外にいる色んな人に会える機会に飛びついた、というのが一番。
あとは、未だ出版の「出」の字も、社会人の「社」の字もわからないボンクラながら、「“小さいレコード会社作り”はもうやめよう」「上手なネットとの付き合い方1~管理」「権利、契約の落とし穴」「上手なネットとの付き合い方2~プロモーション、販売」「未来型音楽レーベルは荒野をめざす」という全5回の講義のテーマが、すべて出版社のこととして考えられそうだと感じたから。

5秒で「行きます」と書きました。

ちなみに、「行きます」と返事をした後「行くにあたってお金がないので、貸していただけますか?」とお願いしたところ、ポットの研修システム(2005-07-05 ポットの研修システムってこうよ)が適用されることになりました。

ポットの研修システムとは、社内的にレポートを提出することで、学費の半分が支給される、というものです。バンザイ。

で、あっという間に、もう明後日から開講です。

やや心配ですが、張り切って参加していこうと思っています。

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吹越満の舞台

2009-08-31 佐藤 智砂

友人のぶんちゃんがポットにきて、吹越満の舞台のチラシをくれた。

ぶんちゃんは私の約30年来の友人で、舞台の制作をしている。

吹越満の舞台も彼女の仕事だ。

私は肉体を酷使する系の芝居も好きなので、吹越さんの芝居は結構好きだ。

吹越さんって何となく色っぽいし。

あの色気は、酷使している肉体から醸し出されていると思う。

だらけた体から沁みでる色気もあるけど、吹越さんのは土方系色気。

広田レオナと結婚してたんだよね。知ったときはびっくりした。意外な組み合わせで。

この前、大田に吉田豪の本(タイトル忘れた)を借りたら、広田レオナがインタビューされていた。

こんなにへんな人だとは知らなかった。

今回の舞台は、どのくらい色気を感じさせてくれるか?

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季刊/大学出版/(出版社は)いかにしてITを利用するか

2009-08-31 沢辺 均

そういえば、季刊の「大学出版 78号」(発行・大学出版部協会)に原稿を書かせてもらった。たぶん2009年の6月発行だったと思う。

ネットにも公開されている。

http://www.ajup-net.com/web_ajup/078/78web.shtml

以下もくじです
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《 特 集 》
ネットノムコウの学術出版
学術情報の流通を紙の書籍がほぼ独占していた時代は過ぎ去ろうとしているのか。いま学術出版は、ITの活用を求められ、新たな流通経路への対応を追られ、電子化するユーザを目のあたりにする、「ネットノムコウ」には明日が待っているのだろうか。

《 INDEX 》
〈初版本、ナンセンスなフェティシズム〉
*里見●著『八疊記』:酒井道夫 (●=弓+享)
〈 特 集 1〉
*インターネットの現在と未来、そして学術書の現在と未来:岡本 真
〈 特 集 2〉
*いかにしてITを利用するか:沢辺 均
〈 特 集 3〉
*学術電子出版の新しいモデル—OCLC NetLibrary:新元公寛
〈 特 集 4〉
*大学図書館で電子ブックを導入した意外な理由:矢崎省三
*社会の記憶を紡ぐ——「納本」の意義:田屋裕之
*大学出版部ニュース
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いかにしてITを利用するか

沢辺 均

 パーソナルコンピュータとインターネットが社会を大きく変化させたこと(「IT化」と呼んでおく)は多くの人と合意できると思います。これを[出版]というポイントから眺めるなら、2つの視点で切り分けるべきだと思います。
 第1の視点は、現状の本の作り方や流通に「いかにしてITを利用するか」、第2の視点は、「ITそのものが出版を変える」ということです。「ITそのものが出版を変える」というのは、本そのものの電子化やデータでの販売、販売ではない収益モデルを作り出すことなどが課題として立ち現れていると思います。版元ドットコムの活動は、主に第1の「いかにしてITを利用するか」がその中心です。そしてその目的は、
(1)書誌情報を版元自身がつくって、読者に、出版業界に広く公開する。
(2)書誌情報をできるだけ詳細なものにする。
(3)出版事業にかんする情報の交換、ノウハウの共同した獲得。
です。要するに、自分たちの作った本を1冊でも多く売るための、共同してやるべき取り組みをやっていこう、というのが最大の目的です。

 なぜ書誌(+在庫)情報なのか?

 第1に、インターネット上に本の紹介ページがないことが、その本そのものもないことになってしまうと思うからです。ネットワークを使う人が確実に、そしてものすごい勢いで増えていて、あたりまえの道具になっているからです。
 第2に、豊富な書誌情報は、その本を購入に向かわせるために有効なものであるということです。逆に言えば、書誌情報が薄ければ薄いほど、購入動機が減ってしまうと思います。
 アマゾンの渡部一文氏(書籍事業本部統括事業本部長)は「きめ細かく内容を充実させたあるアメリカの商材で、詳細ページに来た顧客の購入率が15%から 26%に上がった事例があります。」(『文化通信BB』2009年3月2日)と言っています。これが全てに当てはまるかどうかは別にして、購入意欲を高めることは間違いないと思います。
 第3は、在庫情報のことです。在庫の有無が明確なことが、書店やネット書店が販売する/しないを決める大前提になるということです。
 かって書店は、在庫の有無を調べる手だてをもたなかったので、やむを得ず注文短冊を「取次→出版社」へと回していて、出版社も「返品がくるまで保留しておくか」といったことが、私の周りにはありふれていました。しかしネットワークの発達により、新出版ネットワーク(出版VAN)や大阪屋へのメールでの在庫情報提供をとおしてアマゾンの在庫情報がかなり信用できるものになってきました。書店も手軽に出版社在庫の有無を調べることができるようになって、出版社の在庫情報提供が本の購入に直結するようになりました。さらに、提供の有無だけでなく、その正確性も購入に直結します。在庫があるのに在庫がないことになっていれば、その時点で購入意欲が大きく低下するのではないでしょうか?

 どうして書誌(+在庫)情報なのか?

 しかし、こうした書誌情報・在庫情報の整備は、それなりに手間のかかるものでもあります。特に中小零細規模の出版社にとっては、書誌情報を作ること、その情報をTRCのストックブック、JPO商品基本情報センター、取次の週報、ネット書店への情報転送など多岐にわたる情報転送先、さらには、品切れや重版・返品による在庫状況の変化に対応した情報発信を間違いなく行うためには、業界知識からこまかな作業までのノウハウが求められます。
 版元ドットコムを始めた動機には、これらの煩雑な一連の作業を簡単にすることがありました。
 第1に、さまざまな相手に求められる煩雑で多様なフォーマットに煩わされずに、その対応をコンピュータに対処してもらうこと。
 第2に、送り先とそのタイミングを間違いなく網羅して、送付の記録までをコンピュータに管理させること。
 第3に、送り先などのメンテナンスに事務局が集中して取り組む事で(あるいは各社からの情報提供を受けて)簡単にすること、として実現しようとしてきたのです。
 いわば、出版活動のインフラ構築をめざしたのです。

 出版活動のノウハウの共有

 ポット出版では、新刊発行時の営業としてファックスダイレクトメールを書店に送っていて、それを重視しています。ポット出版そのものと発行したタイトルを認知してもらうことが大きな目的ですが、それだけではないと思っています。
 ポット出版のような少部数出版では、並べてもらう書店にそのタイトルがフィットしていることが重要だと考えています。いわゆる「町の書店」にやみくもに並べてもらっても、ただ返品されるだけだと思っています。でも、ポット出版サイドでは、そのタイトルを並べるべき書店を認識することが非常に難しいので、書店の側に選んでもらいたいと思っています。逆に言えば、選んでくれた書店をキチッと認知して、情報提供などのフォローをしていく事が必要だと思っています。
 そのキッカケがファックスによる告知です。
 現在2000店ほどに(多いとは思っています)送っています。ポット出版の本を並べる意味のある書店は、せいぜい数百店だと思いますが、それをセグメントできないので対象を拡大して送っています。さて、この2000店ほどの書店ファックスリストの管理も、実はほとんどできないでいました。開店・廃業の情報を業界新聞から切り抜き、その書店に電話をかけてファックス番号を教えてもらい……ということを年単位でさぼっていました。3年前から、版元ドットコムで共同して、このリスト管理を開始、ファックス送信代行を始めました。共同化することで、それぞれの手間が省けると同時に、各社よりすぐりの営業担当者たちの「おすすめ書店パック」への絞り込みや、営業まわりから得た情報をフィードバックしています。
 この他にも「オンライン書店とのつきあい方(講師=文化通信社浴野氏)」「書店データ活用法ジュンク堂の「うれ太」を中心に(講師=ジュンク堂書店営業本部木戸秀俊)」といった勉強会(版元ドットコム入門と言っています)やメーリングリストでQ&Aなどを行って、多くのノウハウ共有をしています。

 出版社のWebサイトが持つべき機能

 さて、「いかにしてITを利用するか」という視点から、出版社、特に小零細出版社のWebサイトは、どのような機能を持つのがよいか、ということについてです。
 小零細出版社では、サイト運営に多くの人力を裂くべきではないと思います。あくまで本道は、良いと思う本を精一杯つくることだと思うからです。しかし一方では、Webサイトを持たないと信用すらされない、というくらいの状況になっていると思います。さらにそのサイトは、生きて発信を続けていなければまた大きく信用を低下させる、というくらいの状況になっていると思います。
 具体的に必要なことは、(1)新刊を発行したら即、サイトにその本の情報が掲載されていること。(2)メールマガジンのような形式で、新刊発行・書評掲載などの情報を発信すること。(3)出版社スタッフの実像を想像できるようなコンテンツがあること。この3つだと思います。
 第1に、出版社サイトを見たときに、半年も1年も前に発行された本が一番最近に出た本の位置にあると、なんだかいい加減な出版社だとか、あやしい感じがしませんか? また、その本の著者は不信を抱かないでしょうか? でも、日常の雑事に追われてついつい先延ばしにしてしまうことが、正直私にはあります。しかし、これは決定的にまずい。
 第2に、メールマガジン(新刊案内メールといってもいいと思います)を出すべきです。サイトは見に来てもらう待ちの媒体です。これに対して、メールでの発信はこちらから能動的に働き掛けられる道具です。
 私が今、Webサイトを見るのは、ある必要から検索をしてサイトを見るのと、ある種のメールマガジンがトリガーになって、クリックしてサイトを見るのとがほぼ半々、もしくは2対1です。
 第3に、スタッフの書いたものです。これからのメディアはGoogleやYahoo!のように巨大な集客をするものと、学術出版のように特定少数の人を引きつけるものに大きく分岐していくと思っています(理由は省きます)。小零細出版社は、後者のメディア発信が中心となるので、特定少数の人との濃い関係性を作り出す事が必要です。その役割は著者に求められると当時に出版社もまた担い、特定少数の「ファン」を1人ずつ獲得しなければならないと思います。具体的にはメールマガジンの読者として獲得することに結びつけていくのですが、その入口にはスタッフの発信が必要だと思うのです。
 詳細は省きますが、この3点は、版元ドットコムデータベースの利用と、メールマガジン配信システムを準備することと、HTMLを書けなくても(サイトを作れなくても)ただちょっとした文章を書ければだれもが更新できるブログ的なシステムを入れればよいのです。できれば、この3点を日常業務に組み込むようなワークフローにすることがとても重要です。
 さて最後に、「ITそのものが出版を変える」ということです。これもまた詳細を省きますが、いきなり電子出版だ、ダウンロード販売だ、という取り組みもまた意義があるかも知れません。しかし、これまでに書いたように「いかにしてITを利用するか」にキチッと取り組むことが、電子出版などの意味やシステムの理解に近づくことであって、「いかにしてITを利用するか」についての真剣な取り組みなしに、ただ電子出版に取り組めばなにか新しい地平が見えてくるものではないと思うのは、暴論でしょうか?
(ポット出版)

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「国立国会図書館の資料デジタル化に関する説明会の開催について」の文書

2009-08-30 沢辺 均

国立国会図書館の資料デジタル化に関する説明会の出版社への連絡文書があったので、
下記に張っておきますね。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
国立国会図書館の資料デジタル化に関する説明会の開催について

日ごろ、納本をはじめ、当館の事業に御協力いただきどうもありがとうございます。
平成21年6月に、当館が原資料の保存を目的として行う資料のデジタル化に関する
著作権法改正がありました。当館では、この改正を視野に入れて、保存のための
資料のデジタル化及びその利用に関し、平成20年度から出版者団体、著作者団体
等と関係者協議会を行い、平成21年3月に第一次合意(添付)を取りまとめました。
また、平成21年5月には、当館の資料を大規模にデジタル化する補正予算が成立
しております。
当館では、こうした状況を踏まえて、資料デジタル化を関係各位の御理解のもとに
進めてまいりたいと考えております。そこで、出版社各位の御理解、御協力を賜る
ため、下記の要領で説明会を開催いたします。御多用中とは存じますが、御参加の
ほどよろしくお願いいたします。

1 日時・場所
平成21年9月17日(木) 15時〜16時30分
国立国会図書館新館講堂(東京都千代田区永田町1−10−1)
2 内容
・ 関係者協議会第一次合意について
・ 補正予算によるデジタル化について
・ デジタル化候補雑誌リストの公表及び照会について
※ 資料デジタル化の御説明及び関連資料は、以下のURLでも公表しております。

http://www.ndl.go.jp/jp/aboutus/digitization.html

3 参加申込方法
資料準備の都合上、9月14日(月)までに、「説明会参加」という件名で
御所属及びお名前を記載した電子メールを ●●●@ndl.go.jp 宛に

お送りください。なお、会場の関係上、参加希望の方が300人を超えた
場合は調整させて頂くことがあります。

(担当)国立国会図書館
総務部企画課 ●●、●●
●●●@ndl.go.jp
電話03-3581-2331(内線●●●)

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甲子園

2009-08-28 山田 信也

すっかり終わりましたが、高校野球のお話です。

今年の夏の甲子園は、中京大中京が43年ぶりに優勝したそうです。中京大中京といえば、2007年にポットでデザインさせていただいた、『白球に乾杯』。中京商(中京大中京の前身)で選手・部長として甲子園で優勝した瀧正男さんの読売新聞での連載をまとめた本ですが、その中の番外編では、昭和6-8年の中京商以来の夏三連覇のかかる駒大苫小牧(マー君のいたチーム)と早実(ハンカチ王子のいたチーム)の2006年の夏の決勝戦を球場で観戦したエピソードがあります。中京商の元気な「最古」のOBとして取材をうけるなどフィーバーにまきこまれたそうですが、今年も、「最古」のOBとして中京大中京の優勝を観戦されたのでしょうか。

僕個人的には、今年の夏の甲子園はテレビ中継で、準決勝、花巻東対中京大中京の2-3回、プロ注目の菊池雄星君の投げていない場面のみ観戦しただけでした。

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ポット出版社長・沢辺均の日記-30[2009.08.26-08.27]

2009-08-27 沢辺 均

ためないで、シャチョーの日記をつづけるぞ。

●2009.08.26水
午前中はS社のデザイン打ち合わせ。30分で終了。
午後イチに、さわやか信用金庫の担当者が来て、政府の緊急保証融資の手続き。
夜は版元ドットコムの組合員会議。
青弓社・矢野さんに「沢辺はキレるな!」とおこられる。
その場で「キレてないですよ、ホントにキレたらこんなんじゃないですよ」と開き直る。
あとで考えなおしたら、確かに「もういいよ」といった根拠の半分は、
「キレていた」ことがあるな、。
あとの半分は、ホントに合意の得られないことを無理に版元ドットコムでやらなくてもいい
(単独でやればいいんだから)という考えでいるってのが、半分。
そのあとは、毎度の飲み会。電話で近所の中華屋を予約したんだけど、なんか変。
携帯電話に「まだこないんですか?」と電話があって、予約したのは渋谷店だったことが判明。

●2009.08.27木
午前中から出版会議(毎週木曜日)。本を売るためのネット活用法とその具体的な段取りに時間を使う。
午後中央公論新社へ、新シリーズのデザインの打ち合わせ。ツラガマエだぜ、人は。
夕方、チーム・ビラセレーナの一員=イタレリへ、H社プレゼンにむけたサイトの相談。
夜は雑用。だけど腹減った。
出版チームと編集チームは月一回の食事ミーティングに行った。
デザインチーム3人とSDさん。で寂しい社内。

▶フリッカーで「ライブポット」=ポットの日常を写真でアップ。
東洋経済アマゾン特集やら、なんやら、。

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9月8日(火)でるべんの会で沢辺が話させてもらいます「いま、中小出版社に何ができるのか」

2009-08-27 沢辺 均

沢辺が話をさせてもらいます。お知らせまで。

ちなみに、「でるべんの会」とは出版の出、勉強の勉、のはず。

出版社/取次/書店(の30代中心かな?)が多いですが、
読者、図書館のかたなどもどうですか? 対象限定ではありません。

────────────────────
9月勉強会 「いま、中小出版社に何ができるのか」ポット出版沢辺均氏をお招きします。

各位

ご無沙汰しております、
でるべんの会幹事を務めております、梶原です。
次回の「でるべんの会」勉強会は、先日MLにもご投稿いただきました、
ポット出版代表取締役の沢辺均さんにお話を伺います。

ポット出版から7月に発売された
2冊の出版業界関連本が話題を集めております。
その一つは、ライター永江朗氏による『本の現場』。
出版業界の諸問題をつぶさに取り上げ問題提起を行う本書は、
「非再販本」として発売されることで、話題を集めました。
また、出版コンテンツの今後を考える会として発足した
「出版コンテンツ研究会」の研究報告と、
デジタルコンテンツ業界で活躍するキーマンにインタビューを行った
デジタルコンテンツをめぐる現状報告』は、
加速する出版のデジタル化をとらえる上で
必読の一冊となっております。

その一方で、沢辺さんは
出版社の枠を超えた活動、発言を多数行っております。
中小出版社ネットワーク団体「版元ドットコム」の立ち上げ・運営から、
責任販売システム「35ブックス」への参画、
Googleブックサーチ問題では率先して賛成の意を唱えるなど、
出版業界の各所でご活躍を続けております。

今回は、その多岐にわたる活動についてお話を伺うとともに、
変革を迫られる出版業界において一人一人が何をなすべきなのか、
より率直なお話を伺いたいと思っております。

急なご案内で申し訳ございませんが、
皆様ふるってご参加いただきますよう、お願い申し上げます。

(以下参照)
━━━━━━━━━━━━━━━━━

■テーマ
いま、中小出版社に何ができるのか
——版元ドットコムから非再販本出版、35ブックスまで——

■日時:9月8日(火)19:15〜20:45(*受付は18:45から)

■会場:水道橋・貸会議室「内海」東京学院ビル3F教室
http://www.kaigishitsu.co.jp/access/index.html
※終了後、近辺で懇親会を予定しております

■講師
沢辺均(ポット出版代表取締役)
http://www.pot.co.jp/

■当日のタイムスケジュール(仮)
18:45〜   受付開始
19:15〜   開始 → 講師紹介、導入
→ トークセッション、質疑応答
〜20:45   終了 → 片付け
21:00頃から 懇親会開始

■勉強会参加料 1,000円(予定)
■懇親会参加料 4,000円(予定)

■予約お申し込み
下記の受付フォームにて承ります。

http://my.formman.com/form/pc/IuZ3mlXvML915uvE/

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「本の現場」の値引き販売実現は…?

2009-08-27 那須 ゆかり

「本の現場」は、発売1ヵ月弱で増刷。ああ、初版の印刷部数の読みを間違えた。
うれしい読み間違いだけれども。

ところで、先日、社長沢辺と永江朗さんの再販制度をめぐる対話を実施した。
「本の現場」収録インタビューの第二弾のようなもの。
その話はそのうちポットサイトで連載開始します。
その対談をヨコでききながら、
「本の現場」が1800円じゃない価格で書店で売られる可能性はどうやったら出てくるのだろう、と
つらつら考えた。
希望小売価格1800円の「本の現場」、いまのところ、1800円以外の価格で
売りました、買いました、という声は聞こえてこない。
書店が値段をつけるとしたら、1800円より高くして買う、というのはちょっと考えられないから、
値下げ販売になるだろうけれど、でもこの本は書店のマージンが通常と同じで変わらないから、実入りが減る覚悟で
値下げする、という判断にはならないだろうな、と思う。

もし書店のマージンを増やすことができれば、もしかしたら値下げ販売してくれる書店はあったのかな?
私が書店員だったら、マージンがどれだけになったら、値引きを考えようと思っただろうか?
1%マージンが増えたら、1800円の1%値引きにする?
でもそれだとわずか18円値引きだ! うーん。それで読者は買うだろうか?
それに「本の現場」1冊だけ、値づけを考えて売る、っていうのも書店にとってはかなりメンドウかもしれないなあと思う。
…と、ここまで書いて時間切れ

今から、月一回の出版部飲みミーティングに出かけます!

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着物の仕事

2009-08-26 佐藤 智砂

今、着物に関する仕事をしている。

着物に熱中していた頃、いっぱい本を買ったのだけど、今年のはじめにほとんど処分してしまった。

もう読むこともないだろうと思って。

ああ、もう少し残しておけばよかったなー。後悔先に立たず。

着物周辺の仕事なんて、ぜーーーったいにこないと思っていたけど

どこからどんな話が巡ってくるかわからないもんだ、と感心している。

いや、感心している暇はなく、とっとと仕事を進めないといけない。

でも、きょうはエネルギー切れ。

これにて帰ります。犬たちはお腹ぺこぺこです。

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ポット出版社長・沢辺均の日記-29[2009.08.17-08.25]

2009-08-26 沢辺 均

最近この日記は、ためないで書いているつもりだったんだけど、もう1週間以上ためてる。

●2009.08.17月
午後、岡本くんのアカデミアリソースガイド主催の「この先にある本のかたち 我々が描く本の未来のビジョンとスキーム」に行く。出口まで小学館の岩本さん(「デジタルコンテンツの現状報告」の著者)とおしゃべり。

●2009.08.18火
午後、均整を受ける。
夕方S社にちょっとした打ち合わせ。編プロ仕事。

●2009.08.19水
午前中、Yさんと筑摩書房に菊池さん訪ねる。
午後、共同通信の取材。「本の現場」など、最近の出版の動きなど。
書店と書店員の自由を増やすことが大切だって、話す。
夕方から、H社プレゼンのブレスト。4時間かな?

●2009.08.20木
出版会議。
午後は東中野小学校のイベント「盲導犬に会おう」。
途中で抜けて国立国会図書館へ。打ち合わせ。

●2009.08.21金
午前中ポット会議、その後掃除大会。
午後は永江さんインタビュー。ポット出版サイトでの新企画であり、
本の現場」のプロモーション。

●2009.08.22土
鉄とすずをつれて代々木公園ドックランに行く。
夜は下北沢のZajiで、友人であり「たったひとりのクレオール」著者の上農正剛さんと飲み、おしゃべり。
大学でのカンニングや、事故をめぐる対処の話で盛り上がる。
映画になるような話だ。

●2009.08.23日
午後事務所で、永江さんのテレビ取材。BS日テレ。
放映は9月10日22時だと。財部さんの番組。
詳細はまた、おしらせしますね。
夕方には、鉄とすずをつれて代々木公園のドックランに。

●2009.08.24月
NPOげんきな図書館の代々木図書館スタッフではじめた
twitter
の説明をしに、中央図書館へ。うまく説明できたんじゃないかな? 了解も得られたし。
ゲリラ雷雨に引っかかって帰って、H社プレゼンの打ち合わせ。

●2009.08.25火
午前中マンションの管理組合。ビラセレーナ祭りのことなど。
夕方はさわやか信用金庫の担当者と融資手続き。
なんとおいらの印鑑登録証明書が必要だということが判明。手続きが翌日に持ち越し。
夜、げんきな図書館の理事会。代々木図書館スタッフによる新事業のこと。

グーグルに依存し、アマゾンを真似るバカ企業」 (幻冬舎新書)夏野 剛 (著)
他乱読。と次々に読みたい本がたまっていく。

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山中学さんの思い出

2009-08-26 大田 洋輔

山中学さんの写真集『羯諦』、来週の金曜日に刷り上がりが届く予定です。

ポット出版がお送りしている「新刊案内メール」のための「担当編集者より」という文を書いたので、
こちらにも載せておきます。

——————————

山中さんの作品に関しては、何よりもまず実物を見ていただくのが良いのですが、
山中さんの写真に関する自分の体験をひとつ…。

具体的にいつのことだったかは忘れてしまいましたが、
数年前、インターネット上で山中学さんの写真に遭遇しました。
6つのシリーズの中で、一番上に表示されていたのは最新作の「無空 茫々然」。
24体の堕胎児でした。
説明的な文章は一切なく、詩的な短文だけが添えられた写真群が持つ、
得体の知れない強さに打ちのめされたことを覚えています。

同じようにほとんど説明もなく羅列された6つのシリーズのどれを見ても、
画面の中の世界が自分の生活している空間と地続きだとは、とても思えず、畏怖の念を抱きもしました。
人が撮ったとは思えない写真のインパクトに、ブックマークなぞする余裕はなく、
全てを見終わった後も、ただフラフラとページを閉じるのみ。
その後2,3度、思い出したように山中さんのサイトを探したのですが、
「山中学」という名前を覚えていなかったため、見つけることができず、
忘れかけていた2008年の11月。
中野ブロードウェイにある書店「タコシェ」の中山亜弓さんから、
「今、とても好きな写真があって、山中学さんという写真家の作品なのですが、
その方の写真集を出すことを考えています」
というメールがポット出版に送られてきました。
自費出版という方法もありだけれども、流通や質のことを考え、
沢辺(ポットの社長です)に相談してみたい、という内容でした。
そのメールの中の、山中学という写真家のサイトです、
と書かれたリンクをクリックしたときの衝撃といったらありません。

それから実際に山中さんとお会いして、
その人柄に良い意味で大きく裏切られるなど紆余曲折ありましたが、
この9月、ようやく『羯諦』として完成します。
準備期間を含めて、1つのシリーズ制作に3,4年。
6シリーズで約25年間の集大成です。

山中さんは完成とほぼ同時にニューヨークに発ち、現地にある所属ギャラリーでの展覧会へ。
本当に、弾丸ミサイルのような人で、本人の魅力もどこかでお伝えしたいのですが…。
山中さんは、作品以外の部分を明らかにするのを避ける人なのです。
残念。
その分、その作品を多くの人に見てもらいたいです。

山中学の写真
※リンク先で公開されている6シリーズの被写体は「ホームレス(阿羅漢)」「動物の死骸(不浄観)」「老婆(羯諦)」「アジアの子ども(童子)」「奇形者(浄土)」「堕胎児(無空 茫々然)」です。

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twitterdeアンケート「Googleブック検索って使ってる人いますか?」

2009-08-26 沢辺 均

twitterを使ってアンケートをしてみました。

みなさんに質問! Googleブック検索って使ってる人いますか?
このつぶやきを呼んだ人、もしよければアンケートにお答えを。
よく使う/たまに使う/試しただけ/使ったことない、
で選択してもらえませんか。タグつけて。#q_gbs

回答数=29人
回答が集まった時間=約1日(逆に言えば1日たったら回答が止まった)
よく使う=1人
たまに使う=4人
試しただけ=14人
使ったことない=5人
他に、初めて知った、原書の確認につかう、といった回答もありました。

ご協力感謝。

うむ、ジャパニーズブックダムの夢をみてるんですけど、
このアンケートだと、実は必要がない、と解釈するのか?
いえいえ、やっぱり、それなりに日本語の本を網羅してないと、
よく使われるようにならない、ってことなんでしょうね。

http://twitter.com/#search?q=%23q_gbs でそれぞれの回答が読めます。

沢辺のtwittereへは、http://twitter.com/sawabekin

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あれから約1ヶ月…

2009-08-26 小久保 由美

昨晩、仕事の帰りに三軒茶屋のTSUTAYAに寄った。
某社の単行本のデザインをどうしようか、
いろんな本を見てあれこれ妄想したかったので。

三軒茶屋TSUTAYAといえば、『エロスの原風景』
おすすめポップ付きで面出しをしてくれていた
朝から深夜まで営業している年中無休の本屋さん(2009-07-29日誌参照)。
この1ヶ月の間もちょこちょこTSUTAYAには行っていたのですが
用事を済ませたらすぐ店を出てしまっていたので、しばらくのあいだ未確認。
あれからもうずいぶん時間も経ってるし、さすがに面出しはないかなーとか思いつつ
例の棚の様子も見てみましたところ

まだおすすめ面出ししてあった!!!!!
2冊減ってる!!!!!

しかも一番表面に出ているものは、中身が立ち読みできるよう素で置いてあり
その後ろに置かれている2冊は汚れないようにビニールに包んでくれていました。
う、うれしい。感謝感謝です。

三軒茶屋近辺にお住まいの方、ぜひお立ち寄りください。
で、買ってくれたらもっとうれしい(笑)。

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でるべん9月勉強会 「いま、中小出版社に何ができるのか」

2009-08-25 沢辺 均

沢辺が話をさせてもらいます。
よろしければご参加ください。

ジャパニーズブックダムの構想などを話させてもらおうか? と思ってます。
主催者の許しがでればですけど。(↓とはちょっと違うんで)

ココから────────────────────

各位

ご無沙汰しております、
でるべんの会幹事を務めております、梶原です。
次回の「でるべんの会」勉強会は、先日MLにもご投稿いただきました、
ポット出版代表取締役の沢辺均さんにお話を伺います。

ポット出版から7月に発売された
2冊の出版業界関連本が話題を集めております。
その一つは、ライター永江朗氏による『本の現場』。
出版業界の諸問題をつぶさに取り上げ問題提起を行う本書は、
「非再販本」として発売されることで、話題を集めました。
また、出版コンテンツの今後を考える会として発足した
「出版コンテンツ研究会」の研究報告と、
デジタルコンテンツ業界で活躍するキーマンにインタビューを行った
『デジタルコンテンツをめぐる現状報告』は、
加速する出版のデジタル化をとらえる上で
必読の一冊となっております。

その一方で、沢辺さんは
出版社の枠を超えた活動、発言を多数行っております。
中小出版社ネットワーク団体「版元ドットコム」の立ち上げ・運営から、
責任販売システム「35ブックス」への参画、
Googleブックサーチ問題では率先して賛成の意を唱えるなど、
出版業界の各所でご活躍を続けております。

今回は、その多岐にわたる活動についてお話を伺うとともに、
変革を迫られる出版業界において一人一人が何をなすべきなのか、
より率直なお話を伺いたいと思っております。

急なご案内で申し訳ございませんが、
皆様ふるってご参加いただきますよう、お願い申し上げます。

(以下参照)
━━━━━━━━━━━━━━━━━

■テーマ
いま、中小出版社に何ができるのか
——版元ドットコムから非再販本出版、35ブックスまで——

■日時:9月8日(火)19:15〜20:45(*受付は18:45から)

■会場:水道橋・貸会議室「内海」東京学院ビル3F教室
http://www.kaigishitsu.co.jp/access/index.html
※終了後、近辺で懇親会を予定しております

■講師
沢辺均(ポット出版代表取締役)
http://www.pot.co.jp/

■当日のタイムスケジュール(仮)
18:45〜   受付開始
19:15〜   開始 → 講師紹介、導入
→ トークセッション、質疑応答
〜20:45   終了 → 片付け
21:00頃から 懇親会開始

■勉強会参加料 1,000円(予定)
■懇親会参加料 4,000円(予定)

■予約お申し込み
下記の受付フォームにて承ります。
http://my.formman.com/form/pc/IuZ3mlXvML915uvE/

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8月28日柳与志夫さん「指定管理者制度を選んだ理由」研修のお知らせ

2009-08-24 沢辺 均

NPOげんきな図書館の研修で、元千代田区立図書館長=柳与志夫さんの講演があります。
スタッフ以外も歓迎(500円ですけど)の研修なんで、興味のある方はどうぞご参加を。
http://www.genkina.or.jp/archives/291
────────────────────
げんきな図書館8月研修●参加者募集

「指定管理者制度を選んだ理由」

全国で公共図書館の指定管理者制度の導入が拡がっています。中野区でも先日「図書館のあたらしいあり方」(案)が発表され、指定管理者制度移行の検討が盛り込まれています。指定管理になるとどう変わるのか、どのようなことが可能になるのかなど、指定管理者制度は図書館で働くものの大きな関心事です。

2007年に指定管理者制度を導入し、新しいサービス展開で話題になった元千代田区立図書館長の柳与志夫さんを講師に迎え、柳さんが指定管理者制度で実現しようとしたことをお話いただきます。

日時  8月28日(金) 18:30~20:30
場所  中野区男女協同参画センター 研修室
講師  柳与志夫さん(元千代田区立図書館長)
参加費 500円
申込み 8月26日(水)までに電話かメールでお申し込みください
03-6662-5896 (担当 磯村)
info●genkina.or.jp
主催   NPO法人げんきな図書館
      http://www.genkina.or.jp

ーげんきな図書館 今後の研修予定ー
9月25日(金) YAサービス        講師:澤田亜矢子さん(荒川区立図書館上級非常勤職員)
11月27日(金) お話会のテクニック   講師:おはなしびっくり箱
1月29日(金) 実践!レファレンスIII 講師:斎藤誠一先生(千葉経済大学短期大学準教授)

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長崎のお花屋さん

2009-08-21 五賀 雅子

先週、一足早くハロウィーンの記事のための撮影をした。
食用ではない観賞用のカボチャが必要で、
近所の花屋さんやネットをいろいろ探したけれど、
なかなか見つからず……。
ハロウィーンか近づけばいっぱい出回るのだろうけど、
8月じゃまだまだ扱っているところはほとんどない。
唯一、昨年8月の初めに入荷したという花屋さんの記事を見つけ、
今年はどうだか問い合わせてみた。
長崎県のタナカヤ花店というお店なんだけど、
遠い横浜からの問い合わせに、熱心に応えてくれ、
その時は未入荷だったのに、市場や農家にまで問い合わせてくれて、
なんと、撮影に間に合うように手配して送ってくれたのです。
店主の心意気にとてもうれしくなりました。

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ジャパニーズブックダムの夢

2009-08-20 沢辺 均

・インターネットで、本の全文から検索できるウエブサイトをつくりたい
・ヒットした本の該当ページは画像で表示できてほしい
・対象の本は、日本語で書かれたすべての本がいい
・もちろんGoogleのように、本の数ページだけ表示されるとか、その前後の数行だけ表示されるとかの制限はあっていい
 これは、著作権者と出版社が判断すればいい
・本が表示されるページには、もちろん、その出版社へのリンク/ネットもリアルも書店へのリンク(コレ実現するためには書店業界の努力が必要だけどね)/図書館へのリンク(これも図書館業界の努力が必要だけどね)をおくんだ
・もちろんAPIで利用可能にして、趣味/商売に関わらず、これをイッパイネット上で活用できるしかけにする
・Googleの他に、もう一つはこうしたサービスをつくりたい

これを、「ジャパニーズブックダム」というのだ(名付け親は僕の友人だけどね)
(ジャパン=日本国、じゃなくてジャパニーズ=日本語、の本が対象なんだよね、夢では)

なぜ、こんなサービスを作りたいと思っているのかというと、すでに、
「ポット出版●Googleの書籍デジタル化への集団訴訟和解案について」2009-05-11で書いている通り
 ────────────────────
 ●ポット出版は、ポット出版が発行した書籍の全文を対象にした検索が実現することを歓迎します。

 ・すべての人が、書籍の書誌情報(タイトル・著者名など)だけでなく、
 その全文にたいして一定の言葉の存在を検索できることは、
 その人にとって有用な書籍を「発見」する手だてを格段に増やし、
 そのことで、社会全体でさまざまな知の共有が前進すると思うからです。
 ・「発見」する手だてが増えることは、ポット出版の発行物の発見も増やすことにつながり、
 販売の増加が見込めると判断するからです。
 ・発見→販売増大は、現時点で可能性があるという範囲だと思いますが、
 少なくともそうした実験はされるべきだと思います。
 ・もし実験がおおきな失敗をしたとしたら、その実験から離脱しようと考えています。
 ・これらは、すべての発行物で一律に判断する意思はありません。
 例えば辞書のように、発見→販売増大に結びつかない可能性があるものも考えられます。
 したがって、基本は提供ですが、それぞれの書籍によって例外的に、提供しないという判断もあり得ます。
────────────────────
だからです。

じゃあ、Googleブック検索にまかせるのではなく、なぜ「ジュパニーズブックダム」を作りたいのか。
Googleの取組みは歓迎ですが、心配が二つあります。

一つは、Google一つしかないことです。ちょっと独占度が高すぎる。
(正確にはアマゾンにも「なか見検索」がありますけど、ちょっとこと部分ははしょります)
それに、フランス国立図書館とも契約するかもってニュースも流れたし、
アメリカ議会図書館も来年アタマにはタッグを組むだろう、って見る人もいる。
集中し過ぎだと思うのです。

二つ目に、Googleとの交渉、日本の出版社としてはとても難しいと思う。
Googleが今、対応しようとしてるのは英語圏の出版社+著作権者。
それらとうまく話をまとめられれば、日本その他はくっついて来るでしょ、的なムードを感じるんです。
日本語全文検索を作って、そこで独自にこのサービスを始めることで、
そこで合意して作る基準をもって、Googleに迫れるのではないだろうか?
と思うのです。

それならこの夢をどうやって実現していこうと考えているのか?
ちょっと長文になったので、その「思いつき」は今度書きます。いえ、そのつもりです。

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アメリカの音楽販売のネット経由が35%だって

2009-08-20 沢辺 均

昨日、2009.08.19水の日経新聞夕刊3面に「米の音楽販売ネット経由35% 上半期」って記事があった。

2009年=35%(上半期)
2008年=30%
2007年=20%
だそうだ。

35%の残り(65%)はCD。

意外な気がした。
これほどiPodや、そんなのが席巻してるのに、相変わらずCDが多いのが。
オレ自身、買うのはほとんどCDだけどね。

中身と物体、の問題はまだまだよくわからないんだなと思った。
うん、またしてもうまく言語化できてない。

電子データ化に抵抗したい気ははまったくないんですよ、紙がいいとか強調する気もない。
でも、単純に電子データになるんだ説に100%同意もできない、中途半端な気分なんだ。

本に関して言えば、長期的には電子データに移行するんだろうけどね。
イメージは2〜3年くらい先からデータで入手することが拡大して、10年くらいで2/3ぐらいにデータ入手がなるんじゃないか?って気がしてるけど。

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