2009-12-22

お部屋1999/インターネットのゴミ処分

インターネットの存在をどこにどう位置づけるかを出版関係者は考えざるを得ず、にもかかわらず真摯に考えようとする人たちは必ずしも多くなく、頭ごなしに「ネットはダメだ」なんてことを言いたがる人も多い中、橋本玉泉さんが繰り返し反応してくれています。

橋本さんが書いているように、たしかに、インターネットはゴミだらけです。しかし、ゴミを可視化することに意味がある。ゴミにしか見えないものも、視点を変えればそこから意味を見出すことが可能。それを論じたのが新刊『クズが世界を豊かにする』だったりします。

例えば東村山の朝木明代転落死について週刊誌報道を読み、長い間、「殺されたのだろう」と思っていた人たちも多いわけですが、インターネットがあれば、なおかつ最低限の読解力と判断力と常識があれば、週刊誌こそがゴミ報道をやっていたことがわかります。

もはやそれを信じるのは、インターネットの情報に触れることができない環境にある人たちを除けば、創価学会と敵対する狂信的宗教団体の信者と、数百人の創価学会の工作員に日々ストーカーとされていると信じる病気の人たち、およびそれに類する人たちしかいないでしょう。

なお「草の根」に投票する東村山の困った市民たち、無関心を装うことで「草の根」を容認してきた無能な市議や行政をどうしたもんか、という課題は残るにせよ、インターネットは頼もしい道具です。

インターネットのゴミと言えば、なんと言ってもゼリー瀬戸率いる「ゼリーグループ」ですわね。彼らが一定の力をもつようになったのは、どこの町内にも一人や二人はいるイカれた人々を集めたからです。「草の根」の言うことを信じるのと同様の人々と言っていいでしょう。
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2009-12-21

お部屋1998/『クズが世界を豊かにする』の読みどころと訂正

昨日、今日は順調に動いている『クズが世界を豊かにする』ですが、これは私の力ではなく、田亀源五郎の力でした。田亀さんのサイトはものすごいアクセス数なのであります。

『クズが世界を豊かにする』の中で、「コメディを足場にして闘うことの意義」「エロを足場にして闘うことの意義」みたいな話を書いていますが、考えてみれば、田亀さんは、まさにそういう闘いをし続けている存在です。

以前、「マツワル」で「中国での田亀源五郎の人気」を確認したのですが、田亀源五郎の名前を中国の百度や中国版googleで検索すると、どれだけ人気があるのかよくわかります。台湾だけじゃなく、正式には発行されていないはずの大陸でも絶大な人気です。これが闘いの成果です。

田亀さんは【作家さんや編集者さんだったら「判断の主体」の章は必読!】と書いてくれています。ここはたしかに読みどころのひとつかと思います。

本書で取りあげている動画を観やすいように、ポットでリンク集を作っていて、その47番目から49番目あたりのコマーシャルが「どうして欧米では可能なのか」を論じたのが「判断の主体」の章です。
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2009-12-20

お部屋1997/出版のあがき

ちょっと前から風邪気味だったのですが、仕事が一通り終わったところで緊張が解けたのか、一気に悪化してしまいました。よくあることです。

その上、『クズが世界を豊かにする』表紙がサイテーだと言われるわ、発売初日にアマゾンでは1冊も売れないわ、タコシェにないわで、すっかりやる気をなくしていたのですが、今日になってやっと4桁に突入して、最悪の事態は避けられ、また、すでに読んだ人の評判はいいので、少しやる気を取り戻してます。

またやる気をなくす前に、話を続けておきましょう。

出版界は「世のため人のため」「文化のため」かのように見せかけて商売をやってきました。こういった側面があるのも事実ですが、なにより出版の原理は「ゼニのため」です。今までカッコつけられていたのは食えるという現実があったからです。私自身、なお出版に執着があるのは、ゼニがもらえるからです。

食えなくなってきた今、なんとか出版の優位性を強調しようと、無闇にインターネット批判をしたり、インターネットを軽視する出版人たちがいます。今まで通りにゼニ儲けができなくなった人たちの悪あがきにしか私には見えません。

「読書をしなくなったから、若い世代は漢字を知らない」なんてことを言う人もいます。ウソだろ、これ。こういう人たちは、ウソまで言ってゼニ儲けを維持したい出版人だと断じてかまうまい。

毎日、メールをあれだけ書いていればイヤでも漢字を覚えます。歴史上、これだけ人々が文章を書く時代はなかったでしょう。それとも、麻生太郎は小さい頃から、携帯電話やパソコンを使っていたから、ああなったとでも言うのでしょうか。
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2009-12-19

お部屋1996/出版とインターネットの関係

連日更新する予定でしたが、締切をクリアしても、年末はやることが多くて、さっそく一日空いてしまいました。

昨日から『クズが世界を豊かにする』が全国の主要書店の店頭に並んでいるはずで、「サイン本でも作るか」とタコシェに行ったのですが、まだ入荷しておらず。おかしいな、通常、ポット出版は、直販店には発売日前に送っているはずなんだけどな。

まっ、この本はトラブル続きなので、この程度のことではいまさら驚かないです。

タコシェの伊東店長がこう聞いてきました。

「予約の調子はどうですか」

聞かれたくないです。書店の注文や直販の予約は順調だったのですが、アマゾンは絶望的です。

「表紙のせいでしょう。あれじゃあ、お笑いの本ですよ」

痛いところを突かれました。

「本当はああいう表紙になるはずじゃなかったんだよ」と私はそこにあった言語学の本を取りあげました。
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2009-12-17

お部屋1994/ロイター配信のホッキョクグマの話

昨日、議員会館にいたら、目の前を蓮舫議員が颯爽と通り過ぎていきました。その表情のみならず、歩く様までが自信満々で、いい悪いの価値判断は置くとして、突出したキャラであることは間違いないでしょう。感心しないではない。

なんでワシが議員会館にいたのかと言えば、主だった仕事が終わったので、ちょっくら暇つぶしをしてきたのであります。この話は気が向いたらまた書くとしましょう。

まだ仕事はいくらか残っていますが、手間のかからないものばかりなので、これ以降は、忘年会やイベントの日以外、連日更新していく予定です。

以下は、先週、「マツワル」で配信した話です。

ちょっと前にネットで話題になっていたのがロイター配信の以下の記事
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2009-12-16

お部屋1993/「実話ナックルズ」久田将義編集長の弱点

前に紹介した「実話ナックルズ」のブログですが、大変面白い内容になってますので、ぜひご覧になってください。

今のところ、久田編集長しか書いていないのですが、彼の難点は、ヤクザやチンピラの脅しには強いのに、インターネットにはからきし弱いことです。この弱点を克服させるべく、時折講義してあげているのですが、まだよくわかっていないみたい。12月24日、「ナックルズ」のイベントでも説教してやろうと思ってます。

彼は「ネット情報は当てにならない」と繰り返し書いていますが、ネットユーザーであれば、そんなことは百も承知、その上で「どう情報を選択していくか」「どう必要な情報を探り当てるか」が今現在のテーマであって、ネット情報を全否定していたら、「おまえにネットリテラシーがないだけだろ」「おまえもネットに書いているじゃないか」と言われてしまいましょう。

とりわけ中年世代の出版関係者には、「印刷メディアは信用できる。しかし、ネットは信用できない」なんて二者択一が成立すると考えているのが今も少なくないのですが、そんなバカげたことを言っているから読者に見離されて、部数が下落していくのです。そんなことで出版界が危機に陥っているわけではないですけど。
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2009-12-14

お部屋1991/槇やすともと瀬戸弘幸のお笑い著作権

荒井さんの予告通り、瀬戸・槇らの「お笑い著作権解釈」に黙ってられず、戻ってきてしまいました。こいつら、アホを晒すにもほどがあります。「サダオの著作権と肖像権の講義」を100回くらい読むといい。

ただし、肖像権は原則として顔に発生するので、サダオのケツがメインである写真に肖像権が発生しているとするのは無理があって、あの写真を無断転載して問題になるのはカノジョさんの著作権のみです。

ケツに絵でもを描いておけばそこにも著作権が発生したんですけど、いかに表情が豊かでも、ケツ自体に肖像権が認められた例はないかと。そのため、エロ写真を転載する場合、乳やケツを晒していても、目線さえ入れておけば、肖像権に配慮したということになります(著作権の問題は別に存在するとして)。

なた5963さんが「見えない敵と闘うこと」にまとめていますが、「ゼリーグループ」は次々と「あっち側」に行ってしまいました。グループの中に、たまたま一人そういうのが紛れ込んでいることはあるでしょうが、どいつもこいつもですから、もともとそういう集団だったということです。
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2009-12-04

お部屋1990/『クズが世界を豊かにする』予約受付中

年末の仕事が全然終わっておらず、原稿どころか取材さえ終わっていません。

すでに『クズが世界を豊かにする』の予約が始まっているので、宣伝作業に入らなければならないのですが、それどころではないです。

「マツワル」では、『クズは世界を豊かにする』の続編的な内容を配信しているところなので、暇ができたら、そのダイジェストでも出すとして、今回はその告知だけしておきます。

内容は、この表紙の通り。

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元氣安の過剰な演技と、なべやかんの淡々とした表情が笑えるので、発売になったら、ぜひ見てやってください。

これはYouTubeでリアクションものを開拓した「2Girls 1Cup Reaction」に敬意を払った表紙であります。

たったこれだけで1100万再生回数。アイデアひとつで1100万再生回数が可能になる。これがYouYubeの面白さです。

意味がわからない人もいましょうが、詳しくはこの動画の「詳細」をお読みください。それでもわからない人は『クズが世界を豊かにする』をお読みください。この動画の背後にある文化的な事情や、「なぜこれがYouTubeでは人気を得るのか」まで解説しています。