2014-05-09

お部屋2531/『ぐろぐろ』3刷出来

すっげえ久しぶりの更新です。『ぐろぐろ』についてはFacebookで散発的に書いてきましたが、ここでひと通りまとめておこうかと思いまして。
 
 
単行本が好調だったため、2003年に『ぐろぐろ』は文庫化されました。

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初動はよかったのですが、伸びが悪く、初刷を売り切るまでに時間がかかったため、増刷はされず。続編の『糞尿タン』は文庫化されずに終わってしまいました。続編は正編よりも売れないのが世の常ですから、しゃあないですわ。本は短期間に売れないと後が続かないのです。

以来、「品切れ・増刊予定なし」という状態が続きます。契約を破棄する理由がないので、そのままになっているだけのことで、ほとんどの場合、こうなると二度と増刷はされず、実質、絶版と変わりません。

ところが、盛岡にあるさわや書店がこの本をこのまま品切れにしてはならないというので、筑摩書房とかけあって、700冊を買い切ることを条件に増刷をさせます。完全買い切りで、返本はできない条件です。他に吉祥寺BOOKSルーエなど全国でわずか数店のみが扱い、Amazonでは扱わず。

出版界のことをご存知の方は異例中の異例であることがおわかりになりましょう。さやわ書店としても、初の試みでした。

なにを考えてこんな無謀なことをしたのかについてはさわや書店の担当者が語っております。

これが店頭に出たのは昨年暮れのこと。今年の3月には盛岡にてトークイベントも行いました。

各書店、これをほぼ売り切って、この4月に3刷出来。今回は通常の本の扱いですので、Amazonでも扱ってますし、全国の書店から取り寄せもできます。

さわや書店は盛岡に何店舗かあるのですが、扱っていたのはフェザン店と本店のみで、ほとんどはフェザン店で売っています。ベストセラーならいざ知らず、それまで増刷にならなかった文庫をほぼ1店舗で700部売ったのです。書店が本気になると本をこうも売ることができると知ったのは収穫でした。

これをきっかけに、新刊をこの方式で出すことはできないものかと考えて、書店さんと企画を進めていて、構想はできていたのですが、新刊を出すとなると20店舗くらい束ねないとならず、私らでは力不足だと判断して、広く声をかける前に挫折しました。書店さんが売る気になる画期的なアイデアも考えあったんですけど、それだけの書店を説得するのに手間がかかりすぎます。たった1冊の本を出す利益とコストのバランスが悪く、これなら普通に本を出した方が楽です。

直接これとは関係ないのですが、5月25日(日)に話題のロフトプラスワンWESTで、トークをやります。

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日本で一番面白いラジオ番組とも一部で言われる「凡どどラジオ」の企画です。とくに内容は決まっておらず、こっちは勝手に『ぐろぐろ』3刷発売記念と位置づけております。

前半は「凡どどラジオ」で中継されますけど、後半は中継なしにしようかと思ってます。私が反レイシズムとか、在特会とかの話をしても説得力がないでしょうから、全編下世話な話だけになるかも。そっち方面で原稿を頼まれたことは一回もなく、一方で『ぐろぐろ』はこんなことになって、私の需要はエロやグロにしかないのだと改めて知った次第。

ソールドアウトは予想されていないですが、お早めにご予約することをオススメします。