2009-07-07
いただいたご本『被爆のマリア』
伏見は共同だったか時事だったかで単行本版の書評を書いたのだが、それが著者の目にとまったらしく、文庫版の解説を書かせてもらうことになった。よい機会だったので田口ランディ氏の他の作品も読み返してみたら、どれも彼女しかアクセスできないような異界を抱えていて、その異空間にからだごと呑み込まれそうになった。恐ろしい魔力を持った作品を指先から滴らせる人だと思った。
そういう物語の評を書くことくらいやっかいなことはない。こちらの言葉が届かない感じが拭えないからだ。こんな小説に接するときほど評論の言葉の限界を痛感するときはない。そんなわけで四苦八苦してどうにか入稿した解説なのだけれど、最初に新聞に寄稿したものよりは手応えを感じる内容になったと思っている。田口氏の作品の箸休めとして読んでいただければ幸いだ。
● 田口ランディ『被爆のマリア』(文春文庫)533円+税

エフメゾのお末の司が(生意気にも)休みをとって彼氏とタイ旅行へ出掛けてしまったので、今度の水曜日、7/8はピンチヒッターで新人店子の「水揚げ」をすることにしました。
「STUDIO VOICE」といえばバブルの時代にはオシャレの代名詞のような雑誌だった。伏見はこれまで書評を上げてもらったくらいの関係しかなかったのだけれど、そこからコラムの依頼をいただいてとても光栄に思った。そして「今後ともよろしく」と原稿を送ったら、なんと、次号で休刊が決まったという! 部数と広告の減少が止まらず会社を解散するとのこと。なんとも寂しいが、そういう時代なんだなあと溜め息が出た。
寒風吹きすさぶ季節に身を削るように書いていた小説が、夏の訪れとともに活字になりました。200枚近くになりましたから処女小説「魔女の息子」くらいの中編です。微妙な文章量になったことで「すばる」編集部に面倒をかけてしまい、発表が延びてしまいましたが、自分ではそうとう思い入れのある作品です。「団地の女学生」とは別の物語ですけど、同じ団地モノです。
エフメゾ内にできたエヴァ部(エヴァンゲリオン倶楽部?)の最初の「使徒迎撃作戦」が本日、実践配備されました。朝9時という二丁目族にはアリエナイわ(リツコ)の集合時間にもかかわらず、10人の部員が東武練馬に大集結! そんな東京のはずれに横浜や千葉方面からも集まってきたのだから、エヴァ部の盛り上がりがわかってもらえると思います(笑)。
エフメゾの1周年パーティもいよいよ間近に迫ってまいりました。あきっぽい伏見ママが1年も続けられたんだから、お祝いに来てね〜〜!!
「エフメゾ1周年パーティ」
09.5.6「南 定四郎 × 伏見憲明 トークイベント」南定四郎氏
ラテン音楽がマイブーム。といっても、とくにアーティストの誰それが好きになったから、というのではなく、「Ms&Mr.スミス」という映画を観ていたら、なんとなくハマってしまった。ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーが主演のこの映画、なんだか気に入っていてロードショー以来、何度も観ているのだが、音楽がやたらいいのだ。ラテンな感じの挿入歌に合わせてブラピとアンジェリーナが踊るシーンが、エロくて情熱的で見入ってしまう。
最近、よくエフメゾにおみえになる枡野浩一さんから新刊をいただいた。お店では「サイコ」「ストーカー」あつかいされている枡野先生であるが(笑)、これはとてもさわやかな青春小説。主人公は運動も勉強もできない男子高校生で(でもチンコはでかい)、彼の友情や恋をちょっと笑えてちょっと切なく描いている。
写真は、伏見の曾祖母が長野県の富士見町というところで経営していた旅館の写真です(昭和初期のもの)。そう、伏見の先祖は旅館のおかみだったのです! 写真の建物は駅前にあったのですが(現在は薬屋さんがある)、さらに遡る先祖もまだ鉄道が開通する前から、甲州街道の旧道で峠の宿をやっていたそうな。きっと農家の兼業だったのだろうけど。
エフメゾの弱点といえば食べ物! ちょっと前からカレーをはじめてご好評を得ているものの、あとはかわきものしか出せないのが実状であった。お腹をすかせている人、お酒のつまみに柿ピー以外のものがほしい人には、物足りないバー営業であったことを反省している。とくに、ふだんのメゾフォルテの営業でみっちゃんの美味しい料理に慣れている人にしたら、割高感は否めなかったと思う。そこで、エフメゾ1周年に向け、今月は「食べ物強化月間」とすることにした!
南定四郎氏は伝説的なゲイ・アクティヴィストである。70年代から「ADON」「MLMW」というゲイ雑誌を手がけ、80年代にはすでにHIVの啓発活動を展開した。90年代に入るとパレードや映画祭を成功させ、現在の性的少数者の運動の礎を作った。そんな大事業をひとりのリーダーシップでやってのけたのだから偉大という他はない(ちなみに、その資金もほとんど私財から提供している) 他人の批判ばかりして自分ではたいしたこともしない連中に、その爪の垢でも煎じて飲ませたいくらいだ。←オマエも見習え伏見!(笑)
● ネオホモの時代2(伏見徒然草 vol.66 「バディ」09.6)