2009-08-19

伏見徒然草 vol.69

0909.jpgネオゲイの時代 1(初出/バディ 09.9 伏見徒然草)

ゲイだからって差別されるのはまっぴらごめんだけど……一方で、ゲイって社会的にどんな意味があるのだろうかと疑問に思うことはある。男女の関係だったら、それが結婚に結びつき、子供を育てることにつながっていくという社会的な面があり、それはとりあえず持続可能な社会を作っていくためには必要なことだ。人口が増えることが良いとはかぎらないが、子供が極端に少なくなっていったら、社会は成り立たない。

もちちんぼくらは、子供を産んで育てることは国民の義務なのだからゲイやシングルはけしからん、と言われれば、ライフスタイルの選択は幸福権の追求の一つだ! とでも反論をせざるをえない(それがゲイリブだよね)。けれど、両方の言い分はどちらが絶対に正義でどちらが絶対に間違っているというわけでもないだろう。 続きを読む…

2009-08-18

8/19(水)はちょっとクールダウン

mfmap.gifお盆休みも終わり、朝晩はもう秋の気配が漂ってきましたね。夏のホットな気分もちょっとクールダウン。

なので、今週のエフメゾはお祭り気分からもう一段テンションを下げたあたりで営業してようと、BGMはなつかしいファンク、R&Bっぽいラインナップで。スティービー・ワンダーとかダイアナ・ロスとかチャカ・カーンとかアース・ウインド・アンド・ファイアーとか……70、80年代のヒット曲を中心に。この手の音楽がおばさんとしてはいちばん落ち着きますね(ビヨンセになるともうついていけないのです…トホホ)。

カフェタイムは当分継続。営業時間は17:00−19:00(カフェタイム)、バータイムはそれ以降04:00まで。夏休み企画としてバータイムには学生向けに釜飯無料サービスもやっています。

*告知! ● うたぐわさん、インタビュー

来月、いまブログで大人気の漫画「♂♂ゲイです、ほぼ夫婦です」の著者、うたぐわさんを迎えて公開でインタビューの収録を行います。9/23(祭日の水曜日)のカフェタイムに、店のボックス席あたりを使って、うたぐわさんを囲んでのトーク。収録されたものは、伏見ブログに文字か音声でアップする予定です。

いまもっとも影響力のあるゲイ表現の著者に、なにか伺いたいことがある人は、どうぞご参加ください! 特別に料金を課すことはありませんので、カフェタイムの枠内でお楽しみいただけますー(笑)。

「♂♂ゲイです、ほぼ夫婦です」 http://ameblo.jp/qm080952/

2009-08-17

いただいたご本『はじめての言語ゲーム』

● 橋爪大三郎『はじめての言語ゲーム』(講談社現代新書 760円+税)

「そのときこそ賭けてもいい、人間は波打ち際の砂の表情のように消滅するであろう」
というのはフーコーの有名な言葉で、こういうちょっと知的で、謎めいた文言に打たれてしまうインテリ予備軍は多い。そして、かのヴィトゲンシュタインも妖しい魅力を放つ文言を残している。
「語りえぬことについては、沈黙しなければならぬ」
……やっぱ、なんか、かっこいいっすねー!←恥ずかしながらそれ以上の理解ではない。

ロングセラー『はじめての構造主義』で日本人の構造主義に対する理解を広げた橋爪大三郎先生が(先生という敬称は、伏見が現在橋爪先生の下で学問を学んでいるため)、二十年経って再び講談社現代新書で『はじめての言語ゲーム』というヴィトゲンシュタイン入門の新書を上梓された。これ、きわめて理論的な本なのかと思ったら、ヴィトゲンシュタインの生い立ちから掘り起こして、もちろん、彼の「言語ゲーム」理論についても説明し、なおかつ、橋爪先生オリジナルの、本居宣長を「言語ゲーム」で読み直すという論考までもが含まれている。文章もわかりやすいし、とてもコンパクトにまとまっていて手に取りやすい。

20世紀最高の哲学者の一人と言われるヴィトゲンシュタインを学ぶにはもってこいの一冊だろう。伏見もいま書いている小説の原稿を上げたら、もう一度頭を論理方面に切り替えてじっくりと勉強してみたい。

2009-08-15

書評『挑発するセクシュアリティ』

● 初出/現代性教育研究月報

志田哲之・関修編『挑発するセクシュアリティ』
石丸径一郎著『同性愛者における他者からの拒絶と受容』

これまで同性愛をめぐる学術研究というのは、同性愛/異性愛の二項対立を脱構築しようとするアイデンティティ懐疑の議論が多かった。しかしそうした思潮と、当事者の生活実感はかなり乖離していただろう。思弁的にアイデンティティを懐疑することが、ふつうの当事者には自分たちの生に何か意味のあるものを示しているようには感じられなかったのである。

が、時代はまた進み、そんな言説状況に新しい視点を加える論文も現れてきた。『挑発するセクシュアリティ―法・社会・思想へのアプローチ』に収録されている小倉康嗣「ゲイのエイジングというフィールドの問いかけ」と、金田智之「セクシュアリティ研究の困難」がそれだ。 続きを読む…

2009-08-11

「和モノ祭り」のスタッフの装い

090810_2359_01.jpgIMG_1076.jpg8/12(水)のエフメゾは「和モノ祭り」と題した営業ですが、スタッフの装いはこんな感じになります。

普段着でのご来店もOKですが、よかったら浴衣、甚平、六尺などで飲んでください。ただしミックスでも女子は下着飲みはできません(笑)。

お盆休みの一晩、楽しく、ちょっと色っぽく楽しみませんか?

営業時間は17:00−19:00はカフェタイム、バータイムは19:00−04:00。バータイムにご来店の学生には釜飯をサービスします!

深夜はお客様がいなくなり次第、看板を消してしまいます。

2009-08-10

いただいたご本『前略、離婚を決めました』

● 綾屋紗月『前略、離婚を決めました』 1400円+税

名著『発達障害当事者研究』の著者である綾屋紗月さんの、よりみちパン!セからの新刊である。今回は幼少のころから記憶を掘り起こし、思春期の孤独、恋愛から結婚・離婚に至るまでの自己史を、自分の子どもたちへの手紙の形式で書き綴っている。

平易で繊細な文章も読ませるが、内容はけっこうエグい。元夫との離婚までの過程をセックスの問題にもちゃんと突っ込んで語っている。そういう意味では他にあまりない類の本だろう。その率直さは感動的でもあり、夫婦というものの本質的な問題を描き出している。

本書については別に書評を書くことになったので詳細はそちらにゆずるが、ただこの本を読んで伏見は、「でも、自分もこの人と結婚して暮らしたら、DVのアルコール依存の夫になるかもしれない…」とふと思った。夫の暴力の原因を彼女に押し付けるつもりはないのだけれど、どうしてそのような読後感を抱いたのか、いつか自己分析してみたい。

2009-08-09

いただいたご本『どんとこい、貧困!』

● 湯浅誠『どんとこい、貧困!』(理論社/よりみちパン!セ) 1300円+税

ずいぶん前に版元から送っていただいた本なのだが、ずっと手に取る気がしなかった。帯に「「自己責任」よ、これでさらばだ!」というコピーが謳われていて、こういう二者選択、勧善懲悪的な議論がすごく嫌いだからだ。

反差別の運動でも、政治的な運動でも、どこからどこまでを社会の問題にすべきなのか、個人の問題として引き受けるべきなのかは、実際すごくセンシティブな線引きで、その感度を大切にすることでしか社会的な了解は成立しないと思う。格差社会批判というのは、自由か平等かという古典的な論議の変奏で、経済状況が良くなれば自由に重きが置かれ、悪くなれば平等への希求が増す、という一方の思潮の出方にすぎない。なので、「自己責任」だけを諸悪の根源であるかのような物言いって、すごく幼稚で、時流に乗っているみたいで……。

とはいえ、読んでみれば本書の言っていることはけっして間違っていない。平等の側の観点から見れば、こういう格差社会批判は当然ありうるもので、80年代、90年代のバブリーな時代に自由のほうに線引きが寄っていたことを考えれば、視点を平等の側に戻す必要もあるだろう。著者は現在の社会の一面を説得力ある形で記述することに成功している。そういう意味では非常に良い本。だけど、シリーズのバランスで考えれば、自由のほうの視点で世界像を示す本があってもいいかもしれない。両方そろって初めて、若い人は社会への複眼的な見方を獲得できる。

2009-08-08

8/12(水)は和モノ祭り

wawa.jpgもう夏休みに入っている人もいるかもしれませんが、来週のエフメゾはお盆休みの前日にあたる人が多いことと思います。なので、「和モノ祭り」を開催します。

って大袈裟なものではないのですが、8/12(水)は甚平、浴衣などの和装、六尺、勝負下着などで下着飲みをしてくださる方、お待ちしております! せっかくのお盆ですので、「和」な気分で楽しみましょう。もちろんドレスコードでもないので、普段着でのご来店でも大丈夫ですよ。

着替える方はビニール袋で着てこられたものをお預かりします。女性の和装での参加も大歓迎ですが、下着飲みは男子にかぎります(笑)。

料金は通常通りで、営業時間も17:00−19:00がカフェタイム、19::00−04:00がバータイムです。深夜はお客様がいなくなり次第、看板を消しております。

2009-08-04

いろんな人が来るから面白い

ゲイバーにもいろいろな用途があるので、どういうバーが良いバーだとは単純にはいえない。発展目的なら発展目的の、お洒落に楽しみたければそれ用の営業のあり方がある。エフメゾの場合、一応「昭和のくっつけバー」の復興を目標にはしているが(笑)、実際はコミュニケーション欲を満たしに来てくれるお客様が多い。

なので、いろんな人に集まってもらえることが大事になってくる。イケメンばかりでも、ゲイばかりでも、エリートばかりでも、有名人ばかりでも面白くない。そこらのガキんちょからご年配の紳士まで、オカマやビアンからノンケまで、頭のいい人から天然の人まで、お金持ちから借金まみれの人(誰?)までいろいろいるからコミュニケーションも充実する。最近は「多様性」という言葉が陳腐な表現になってしまったので、あまり使いたくないが、やはり多様であることの力はバカにできない。

もはやすっかりエフメゾ名物になった感のあるママ特製「男ができるカレー!」も、とにかくいろんな材料が入っているから、素人(ママ)の腕前以上の引きになっているのではないか。でもそれらの素材をまとめるルーがなければカレーにはならない。きっとカレーのルーと同じものが、エフメゾの場合、「ゲイ」というフレームだ。それはもはや男性同性愛者という特定のアイデンティティには収まらない「何か」だが、男性同性愛者が培ってきたものであることは間違いない。「なんでもアリ、誰でもOK」の場はかえって面白くなくなってしまうのだけれど(ポリティカル・コレクトって、なんかエロスがないよねえ)、「基本ゲイなんだけど、いろんな人に開かれている」くらいの御簾の上げ具合がいちばん面白くなる。それを「差別」「排他性」ととらえたい感性の人にはエフメゾは開かれていない(笑)。

8/5(水)もカフェタイム(17:00−19:00)からやっています。バータイムには学生さんには釜飯の無料サービスがあります! 閉店は04:00ですが、深夜お客様がいなくなり次第、看板を消してしまいます。

2009-07-27

夏休み学生向けキャンペーン!

mfmap.gifどうしたわけか最近学生客がやたら多いエフメゾですが、せっかくの夏休みなので学生向けキャンペーンを実施します。いままでもカフェタイムのチャージなしサービスなどありましたが、7/29、8/5、12、19、26日の(水)は学生のお客様にはバータイムに釜飯を無料で提供します! ご飯六合分しか炊かないので、なくなり次第終了ですが。また、キャンペーン期間内、大学生の店子をやとったので、初めての学生さんでも遊びに来やすいと思います。

エフメゾの基本コンセプトは「くっつけバー」。昭和のゲイバーによくあった、古式ゆかしいくっつけの伝統の復興を目指しています。そして、コミュニケーション。初めての人とでも隣り合わせになれば気さくに話せるお客様が多いので、コミュニケーションを求める人には向いていると思います。おしゃれに寡黙にバーを楽しみたいときには別のバーを勧めますが(笑)、言葉で交流したい向きにはうってつけのバーです。ただ、エフメゾはミックスバーなのでゲイ以外のお客様もいらっしゃいます。

夏もカフェタイム(17:00−19:00)から営業しています。バータイムは19:00−04:00ですが、深夜はお客様がいなくなり次第、看板を消してしまいます。

2009-07-26

若ゲイの皆様と一泊旅行

ryokou.jpg20代のゲイの子らと、車三台に分乗して一泊旅行へ行ってまいりました(まるでオカマの暴走族?)。

まあ、食って、飲んで、騒いで、眠っただけの宴会ツアーなのですが、伏見のようなおばさんは若ゲイたちのパワーにただただ圧倒されました。田舎の野菜市に陳列されている人参や大根やゆうがお(!)を指差しながら、「あんたはアレは入るでしょ?」「あそこまでは無理」「いや、絶対入る」などと大声でしゃべっている彼らは実に屈託がない(笑)。真夜中までエロ話しで盛り上がり、マッチョのハグを争ってUNOをやっている若ゲイたちの獰猛さについていけず、おばさんゲイは早々に就寝。←なんか引率の先生気分

しかし彼らには教わることも多い。いまどきのカルチャーのこと、恋愛のこと、そして新しいメディアのこと、知らないことをいっぱいダウンロードさせていただきました。なんでも、登録しておくと近くにいる他のゲイユーザーの写真が表示される携帯ツールがあって、地方のど田舎に行ったにも関わらず、それを使って見知らぬゲイとハッテンのやり取りをしている子がいてビックリ。すごい時代ですね。可能性を広げるツールがいっぱい! うーむ、もうリブなんてやってる場合じゃない!?

2009-07-25

蔵出しエッセイ「オネエたちのリブ?」

saizo.jpg*初出「サイゾー」2008.1

「おネエ★MANS」のゴールデンタイムに進出は、おネエやゲイなど性的少数者の社会的地位がアップしている状況をそのまま反映している。以前ならおネエがテレビの主役になることは考えられず、ちょっとスパイスの効いた添え物の役割りしか与えられなかった。

80年代の半ば、時代がバブルに向う爛熟した時代ではあったが、こんなことがあった。セクシー系の深夜番組が(当時としては)いささかはじけているのにいらだったある保守政治家が、おすぎ&ピーコのことまで「オカマなんぞがテレビに出て」と批判した。おかげで彼らは一時番組を降ろされ、ピーコも傷心だった。消費社会、ポストモダンとはしゃいでいた80年代でさえ、そんな差別があからさまにあったのだ。 続きを読む…

2009-07-24

蔵出しエッセイ「ケンブリッジ大学のみなさんへ」

*以下はケンブリッジ大学で日本文化研究をしているブリギッテ・シテーガ教授に頼まれて、彼女の講義で使うエッセイ用に書き下ろしたものです。こうした内容のものを書くと必ず、「あれが足りない、これが足りない」批判というのを受けますが、これはそのとき伏見が抱いている問題意識にそって書かれた素描なので、そのようなものとして読んでくださいね(笑)。

ーーーーーーーー

ケンブリッジ大学のみなさん、今日は日本のLGBTをめぐる状況についてお話しします。

よくアメリカやヨーロッパの人が日本を訪れると、日本には同性婚の制度もないし、マイノリティの権利を守る法律もないので、LGBTが生きるのは困難だという印象を持ちます。欧米のジャーナリストや研究者には、性に関して「後進国」だと思われているでしょう。 続きを読む…

2009-07-23

いただいたご本『中学生からの哲学「超」入門』

● 竹田青嗣『中学生からの哲学「超」入門』(筑摩書房) 800円+税

ちくまプリマー新書から竹田青嗣氏が10代以上の読者に向けた哲学入門書を出した。竹田氏はこれまでもたくさんの「入門書」を書いているが、そのなかでもいちばん言葉をくだいて著わした一冊ではないだろうか。しかも内容は大人でも十分学ぶに値する水準のもので(当然なのだが)、竹田現象学の初学者にとってはとても良い入り口となるはずだ。

個人的には、竹田氏自身が哲学と出会うまでの遍歴が語られている1章が印象的で、哲学的思考というのが単に学習によって可能になるのではなくて、自身の体験との深い邂逅がないと深まらないことが理解できて興味深かった。些末なことではあるが、彼の若かりし日の「金縛り体験」が自分のものとうりふたつで、金縛りの解除の仕方までいっしょだったことが妙に面白かった!

人がなぜ考えようとするのか、なぜ哲学をせざるをえないのかを知りたい人にはうってつけの本である。

2009-07-22

いただいたご本『エロスの原風景』

● 松沢呉一『エロスの原風景』(ポット出版)2800円+税

世の中には「あっぱれ!」と思わせてくれる人がいるもので、この本の著者、松沢呉一氏もその一人。彼くらい尋常ではない好奇心と、透徹した分析力と、出力エネルギーの過剰さがあれば、もっと社会のメインストリームでビッグになれるはずなのだが、何の因果か出版、それもエロなんぞにハマってしまい、人生をマネー方面とは別のところで走らせているのが可笑しい。こういう業の深い人生をどっぷり生きている人には、ただ「あっぱれ!」と言うしかない。

本書も、そんな「あっぱれ!」な彼の生き様のなかで可能になったもので、エロに関して「国会図書館を越えた男」と呼ばれる松沢氏の稀代のエロ本コレクションのなかから厳選したビジュアルを紹介しつつ、エロ本の歴史を江戸時代から現代まで辿るという資料価値の高い一冊になっている。前近代の風俗本から、ホモ、ビニ本、夫婦生活ものまで、実に多様で豊穣な日本のエロ文化を、一次資料と松沢氏の洒脱なコラムで概観できる。セクシュアリティに関心を持った研究者が、ちょっと資料をあたってフーコーで言説分析しました、みたいな安直な言葉ではない、マニアの凄みがここにはある。少し値段は張るが、エロファンなら十分もとが取れる。

2009-07-21

7/22(水)のエフメゾ

mfmap.gif1周年パーティが終われば客足も一息つくと思っていたのだが、ありがたいことに毎週けっこうな人数のみなさんがお越し下さる。20歳の大学生から77歳のご隠居までの老若男女、オカマからノンケまで、有名人から一般人まで実に多様な人たちが遊びに来てくれる。

いくら友だちのいなかった伏見がママでも、1年もやっていると人間関係が広がるばかりでなく少しずつ深まりもし、1つのコミュニティのような様相も見せてくる。ここに集まる人々のネットワークを使って社会運動でもしたらかなりのことができるのではないか!などとリブ釜の伏見はつい思ってしまうのだが、まあ、そんな硬派なことよりも、とりあえずは「昭和のくっつけバー」の復興に徹します(笑)。

7/22(水)もカフェタイム(17:00−19:00)から営業です。この時間はゲイバーの初心者、学生さんなどにうってつけです。バータイムは19:00−04:00ですが、深夜はお客様がいなくなり次第、看板をけしてしまいます。今週のBGMは竹内まりあと山下達郎です。

2009-07-20

伏見徒然草 vol.68

0908mh.jpg● 代々木に集まったゲイ系男子たち?(「バディ」09.8月号「伏見徒然草」vol.68)

代々木公園に集まった人たちは過去のパレードに比べて「薄味」だった。というのが、伏見の第1回Tokyo Pride Festival を眺めての印象で、参加者はけっこう多かったにもかかわらず、どうも「ゲイゲイしさ」や「熱量」に欠けていて、それこそが09年という時代を映し出しているようにも思われた。今回はパレードというパフォーマンスがなかったから、女装や露出的なマッチョが少ないのは当然ではあるが、そこにいた人たちが二丁目の仲通りを歩いている連中ほどにも性的少数者の「自意識」を放っていないように見えたのは、春の陽気の爽やかさゆえだろうか? 

他の人も言っていたが、会場では若い世代が連れ立って歩く姿が目立って、どちらかというといつもパレードなどで見かける「濃い」顔ぶれが少なかったように思う。ETV「ハートをつなごう」の収録や、ブラスバンドで出演する友人たちをのぞきに来た初心者が多かったのかもしれない。「参加」ではなく「見物」の趣き。そのあたりに「薄味」の原因があるとしたら、こうしたイベントに参加する人たちにも代替わりが訪れている。数年前のパレードでは、「若い参加者たちが増えていない」と感想を言い合った記憶があるので、その時代に中心になっていた旧世代が少なからず退場し、一つの断層は挟んで、新しい「ハートをつなごう」世代が参入したとも推測される。 続きを読む…

2009-07-19

プレリュードに心洗われる!

b016884720090701004027.jpg四谷区民ホールで行われたLGBTの音楽イベント「プレリュード」に行ってきました。29日から正式にエフメゾの店子デビューを果たすアンジェラ(アキ似)を誘い、くるりのコンサートに引き続き音楽鑑賞。会場も満員で、とても温かい雰囲気に包まれていました。

合唱系4つと、ブラス3つと、弦楽奏と、合同演奏で三時間くらいでしょうか。実に感動的で、心地よい土曜の午後を過ごすことができました。音楽ってやっぱいいですね。ささくれだった心が癒されて、プラスのエネルギーを与えられます。どの団体の演奏も味があったし、衣装やパフォーマンスも含めて楽しめました。最後のプログラムの、参加者が全員壇上に上がっての演奏は、胸にぐっと迫るものがあって、不覚にも涙がこぼれました(鬼の目に涙)。オリジナルの楽曲もすばらしいものでしたよ。

最近、あまり「コミュニティ活動」に熱心ではなかった伏見ですが(映画祭にも何年も参加していない!)、今回このイベントにも足を運ぶことにして、ほんと、よかったー! ネガティブなエネルギーばかりじゃない、肯定的なエネルギーも「コミュニティ」にあることを実感できて、ちょっと自分の時代感覚を修正することもできた。人はマイナスの力のほうに呑み込まれやすいものだから、意識して肯定的な力が満ちている場に身を置く必要があることを痛感しましたね。こうした場を作ってくれた方々に感謝! 演奏で感動させてくれたパフォーマーにも感謝! また来年も絶対に聴きに行こうと思います。伏見も今年後半からはまた「コミュニティ活動」に復帰しようかしらん(笑)。

書評『社会学』

*初出/現代性教育研究月報
・長谷川公一ほか『社会学』(有斐閣)
・野々山久也『論点ハンドブック 家族社会学』(世界思想社)

教科書というものを長いあいだバカにしていた。どうせ、当たり障りのないことをもっともらしい言葉で、まじめくさって解説しているだけの「公式見解」だろ、と。けれど、最近ふとしたことで手に取った社会学のテキスト、長谷川公一他『社会学』がたいそう面白く、ページを繰る手がとまらなかった。

その面白いには二つ理由がある。一つは、この本が専門用語に淫していないので読みやすく、図解やコラムなどを多用していて、読者の好奇心をそそる内容だったこと。以前にも社会学の入門書をひも解いたことがあるが、それは学問の体系を学問の言葉でかしこまって説明しているだけで、自分のなかの問題意識と結ぶ何かが見出せなかった。だから、各章の冒頭にわかりやすく身近なエピソードを置くことからテーマに導いてくれる本書は、とても親切で、学問の理解を容易にしてくれる一冊に思えた。 続きを読む…

2009-07-17

いただいたご本『罪と罰』


二丁目でしっぽり罪深いことをして朝方家に戻ると、光文社の文庫編集部から本が届いていた。それがなんとドストエフスキーの『罪と罰』!(笑) なんだかタイムリーなタイトルにゾッとしました。

仕事がらいろんな出版社や著者から献本をいただくが、光文社ってこれまでお付き合いもなく、著者とも面識がないので(当たり前)、どうして送られてきたのかわからない。それもロシア文学。重厚な世界文学。ま、伏見も一応は小説家の肩書きもあるのですが。うーん、どうして伏見にくださったのだろう。

いや、とてもありがたいのですが。

『罪と罰』は若い頃に読んだことがあるようにも思うのだけど、内容をすっかり忘れているので、暇を見つけて新訳で読み直してみようと思う。文字が大きくて読みやすいだけでとても助かる。うちの本棚にある古いドストエフスキーの文庫なんて、老眼鏡でもかけないと読むこともできないからね。