2010-03-08

上海バンスキングを見てきたぞ

シアターコクーンで「上海バンスキング」を見た。

たぶん最初に見たのは20年近く前。
ぼくは、六本木自由劇場でなく、博品館でもなく、
すでに圧倒的に評価の定まったあとに、シアターコクーンで見ただけだった。

休憩までは、「コレっておやじバンド」だなー、と思っていたのだけど、
最後にバクマツが兵隊から骨になって帰ってきたあとに、
舞台のうえのほうでトランペットを吹き始めてたときは、涙ぐんでしまった。
なんか同窓会みたいな感じ、以前の舞台を役者たちが懐かしんでいる感じが、
オレも含めて「おやじバンド」について回る自己満足的なものにちょっと違和感があったな、
ってことなんだけど、見終わった後は、コイツらならそんなものでも許されるって。
緊張感はないし、すでに身に付けた力の範囲で、
のんびり演じてる感じがしたのだけど、もうそれでもいいんだなって。

だって、これを50人くらいしか客が入らないところ(つまり、金にならない)で
楽器を買って練習して、こんな舞台に作り込むなんて、スゴい奴らだったんだな。
結果はあとからついてくるもんだし、結果がどうなるかわからないけども、
それ自身にのめり込んだのだな、って思う。
その上、当時の感じでは、ゴリゴリのアングラ芝居が幅を利かせていたはずだしね。

戦争への人間の実感そのものを描けてると思ったし。

最近、オレの周りは電子書籍の話ばかり。
だけど、やっぱりネットワーク(だけ)じゃ物足りないな、
ナマの圧倒的な意味はますます重要度を増すよ。
録音録画撮影禁止ってアナウンスがあったけど、
youtubeにアップされたって、全然怖くないでしょう。それで見たって、
ナマには全然かなわない。
そして検索してみたら、アップされてた。コメントも、わかるなー。

そうした仕事をしたいもんだ。出版で。