2006-01-17
『被差別部落のわが半生』
 著者は60代も半ばになる部落解放運動の活動家。そういう方の半生っていったい……とそれこそ偏見まじりに読み始めたら、これがホント面白い。とりたてて特別な活動家の履歴書ではないのだけど、読ませる。それはきっと、山下力さんの人生のこくによるのだろう。
著者は60代も半ばになる部落解放運動の活動家。そういう方の半生っていったい……とそれこそ偏見まじりに読み始めたら、これがホント面白い。とりたてて特別な活動家の履歴書ではないのだけど、読ませる。それはきっと、山下力さんの人生のこくによるのだろう。
これまで部落関係の本も読まないこともなかったのだけど、「切なく」なったのはこの本が初めてかもしれない。痛みも矛盾も過ちも理想も抱え込んで走ってきた、ひとりの人間の「一生懸命さ」が心を打つ。反差別の問題に関わるものとして、こうした先輩がいてくれたことは、どこかほっと安心する。
● 山下力『被差別部落のわが半生』(平凡社新書) 740円+税

 とある外国から旅行にいらした親日派のゲイの方が、目を丸くして驚いていました。「母国に比べて、日本のハッテン場はナマでやっている人がすごく多い!!」。その人、今回、関東と関西の現場をからだを張って取材して回ったそうです(どんな取材……)。
とある外国から旅行にいらした親日派のゲイの方が、目を丸くして驚いていました。「母国に比べて、日本のハッテン場はナマでやっている人がすごく多い!!」。その人、今回、関東と関西の現場をからだを張って取材して回ったそうです(どんな取材……)。 大変です! 信じられません! 本日の京都精華大学での講演で、『脱アイデンティティ』(勁草書房)の編者として、「アイデンティティ」概念の歴史化運動に取り組んでいらっしゃる上野千鶴子・東大教授が、こう発言されたそうです!
大変です! 信じられません! 本日の京都精華大学での講演で、『脱アイデンティティ』(勁草書房)の編者として、「アイデンティティ」概念の歴史化運動に取り組んでいらっしゃる上野千鶴子・東大教授が、こう発言されたそうです! 伏見は「マッサージ評論家」になれるほどマッサージを受けてきた。いままでそれにつぎ込んだお金は、マンションの頭金くらいには軽くなるだろう。日本各地ではもとより、北京ではカンフーっぽい兄貴に「アチョー」と構えられ、ニューヨークではパツキンのおばさんに”more soft massage?”と股間をなでられ(オエッ)、香港では30分の施術でウエストが細くなるという怪しい治療も受けた……。
伏見は「マッサージ評論家」になれるほどマッサージを受けてきた。いままでそれにつぎ込んだお金は、マンションの頭金くらいには軽くなるだろう。日本各地ではもとより、北京ではカンフーっぽい兄貴に「アチョー」と構えられ、ニューヨークではパツキンのおばさんに”more soft massage?”と股間をなでられ(オエッ)、香港では30分の施術でウエストが細くなるという怪しい治療も受けた……。 今号で廃刊とのこと。版元の意向ではなく、スタッフサイドの決断なので、残念としかいいようがない。「カーミラ」はレズビアン・カルチャーに、エロとエンターテイメントを持ち込んだ画期的な雑誌だった。「どーせエロでしょ」みたいな偏狭な批判もあったけど、面白いだけでなく、コミュニティのレポーターとしての役割も担っていた。号を重ねるごとに完成度を上げていったので、やはり終わってしまうのはもったいない。
今号で廃刊とのこと。版元の意向ではなく、スタッフサイドの決断なので、残念としかいいようがない。「カーミラ」はレズビアン・カルチャーに、エロとエンターテイメントを持ち込んだ画期的な雑誌だった。「どーせエロでしょ」みたいな偏狭な批判もあったけど、面白いだけでなく、コミュニティのレポーターとしての役割も担っていた。号を重ねるごとに完成度を上げていったので、やはり終わってしまうのはもったいない。 資料にする本を買うために大宮のジュンク堂書店まで出かけ(←ローカル)、その後、現在メルボルンで暮らす旧友(写真の手は彼のもの)とお茶をする。彼はお正月休みで久しぶりの日本だった。仕事が終わらない上に母が風邪で寝込んでいて、あまり時間の余裕がなかったのだけど、オーストラリアのゲイコミュニティの話しなど聞けて、面白かった。
資料にする本を買うために大宮のジュンク堂書店まで出かけ(←ローカル)、その後、現在メルボルンで暮らす旧友(写真の手は彼のもの)とお茶をする。彼はお正月休みで久しぶりの日本だった。仕事が終わらない上に母が風邪で寝込んでいて、あまり時間の余裕がなかったのだけど、オーストラリアのゲイコミュニティの話しなど聞けて、面白かった。 近所のデニーズでパン!セの担当編集者の清水檀さんと打ち合わせ。彼女は(六本木ヒルズが見える)都心に住んでいるのだけど、わざわざ埼玉くんだりまで車できてくれたのだ。大した物書きでもないのに、編集者を呼びつけるのもどうかと思ったのだが、いま伏見は都内まで出かけていく余裕すらなく(←昨年までのパチンコ漬けのつけ)、つい甘えてしまった。でも、どうにか3月発売のスケジュールに間に合いそうなのでホッとする。
近所のデニーズでパン!セの担当編集者の清水檀さんと打ち合わせ。彼女は(六本木ヒルズが見える)都心に住んでいるのだけど、わざわざ埼玉くんだりまで車できてくれたのだ。大した物書きでもないのに、編集者を呼びつけるのもどうかと思ったのだが、いま伏見は都内まで出かけていく余裕すらなく(←昨年までのパチンコ漬けのつけ)、つい甘えてしまった。でも、どうにか3月発売のスケジュールに間に合いそうなのでホッとする。 この頃めっきり涙もろくなった。年末の「女王の教室」の総集編を見て泣き、箱根駅伝を見て泣き、今日も高校サッカーの決勝戦を見て号泣。いったいどうしたんでしょう、伏見は。
この頃めっきり涙もろくなった。年末の「女王の教室」の総集編を見て泣き、箱根駅伝を見て泣き、今日も高校サッカーの決勝戦を見て号泣。いったいどうしたんでしょう、伏見は。 時間がなくて斜め読みもいいところだったのだが(ほとんどめくってるだけ)、とりあえず、最後までたどりつく。そうか、そういうことだったのか、とさまざまな謎が解かれて満足する。実は、本を読んだのはこれが初めてで、著者の豊穣としか言いようがない想像力に、圧倒された。この人、頭の中いったいどうなっているんだ! ふつうこんな物語を考えつかないよなあ。まあ、ふつうじゃないから、これだけみんなに愛されているわけだが。
時間がなくて斜め読みもいいところだったのだが(ほとんどめくってるだけ)、とりあえず、最後までたどりつく。そうか、そういうことだったのか、とさまざまな謎が解かれて満足する。実は、本を読んだのはこれが初めてで、著者の豊穣としか言いようがない想像力に、圧倒された。この人、頭の中いったいどうなっているんだ! ふつうこんな物語を考えつかないよなあ。まあ、ふつうじゃないから、これだけみんなに愛されているわけだが。 子供の頃から帽子が苦手だった。根っからの脂症のせいか、帽子をかぶると頭がすぐに蒸れてしまうので、夏でも冬でもこれまでいっさいかぶったことがない。ところが、今年の冬はさすがに寒さがこたえて、近くのロジャースボールでニットのそれを買ってしまった。380円なら無駄になってもいいか、と(←それにしても安いよね)。
子供の頃から帽子が苦手だった。根っからの脂症のせいか、帽子をかぶると頭がすぐに蒸れてしまうので、夏でも冬でもこれまでいっさいかぶったことがない。ところが、今年の冬はさすがに寒さがこたえて、近くのロジャースボールでニットのそれを買ってしまった。380円なら無駄になってもいいか、と(←それにしても安いよね)。 舌の根も乾かぬうちに、たぁこのことさ! はいはい、やってしまいました、パチンコ初打ち。だって、大晦日も三が日もなくパン!セの原稿を書いていたんだから、とりあえず脱稿したご褒美にってことで、近所のパーラーへ。もうねえ、チンコとパチンコ以外にはなーんの楽しみもない人生なのよ。ちょっとくらい許して、お願い。
舌の根も乾かぬうちに、たぁこのことさ! はいはい、やってしまいました、パチンコ初打ち。だって、大晦日も三が日もなくパン!セの原稿を書いていたんだから、とりあえず脱稿したご褒美にってことで、近所のパーラーへ。もうねえ、チンコとパチンコ以外にはなーんの楽しみもない人生なのよ。ちょっとくらい許して、お願い。 「みすずのシマハラです」
「みすずのシマハラです」 大晦日から京都へデート旅行に行っていた母が、お土産を買って来てくれた。三十三間堂のお守り。相棒の分と二つ(←気遣う姑)。信心深いほうではないので、若い頃はこういうものをもらっても嬉しくもなかったが、いまは母心が身に染みる。厄年あたりでいろんなことがあったのが、こたえたのかもしれない。これで相棒ともども無病息災で一年を過ごせればと、心底思う。中年も深まると、大病もせずに生きていること自体が、偶然というか奇跡のように感じられてくる。気弱になっているのか?(笑)
大晦日から京都へデート旅行に行っていた母が、お土産を買って来てくれた。三十三間堂のお守り。相棒の分と二つ(←気遣う姑)。信心深いほうではないので、若い頃はこういうものをもらっても嬉しくもなかったが、いまは母心が身に染みる。厄年あたりでいろんなことがあったのが、こたえたのかもしれない。これで相棒ともども無病息災で一年を過ごせればと、心底思う。中年も深まると、大病もせずに生きていること自体が、偶然というか奇跡のように感じられてくる。気弱になっているのか?(笑) 明けましておめでとうございます
明けましておめでとうございます よりみちパン!セの最新刊は徳永進さんの『死ぬのは、こわい?』。「にんげんは なにかをしなくては いけないのか はなは ただ さいているだけなのに それだけで いきているのに」。なんとも言霊のあるコピーに惹かれる。イラストといい、装丁といい、読みたい!と思わせる何かがあるのだ。編集者の手腕に脱帽する。
よりみちパン!セの最新刊は徳永進さんの『死ぬのは、こわい?』。「にんげんは なにかをしなくては いけないのか はなは ただ さいているだけなのに それだけで いきているのに」。なんとも言霊のあるコピーに惹かれる。イラストといい、装丁といい、読みたい!と思わせる何かがあるのだ。編集者の手腕に脱帽する。 「人はアイデンティティなしでは生きられないのか? 一貫性のある自己とは誰にとって必要なのか? 賞味期限切れの概念に問題提起」と帯に書かれている。装丁といい、コピーといい、読者の興味をそそる上手い本作りだ。さすが上野千鶴子さんが編者を担当しているだけのことはある。送ってくださったのは、クィア理論を研究されている伊野真一さん。まだ読めていないのだが、同一性みたいなものに違和を感じる人たちに共感を得る内容になっているのではないだろうか。じっくり勉強させていただこう。
「人はアイデンティティなしでは生きられないのか? 一貫性のある自己とは誰にとって必要なのか? 賞味期限切れの概念に問題提起」と帯に書かれている。装丁といい、コピーといい、読者の興味をそそる上手い本作りだ。さすが上野千鶴子さんが編者を担当しているだけのことはある。送ってくださったのは、クィア理論を研究されている伊野真一さん。まだ読めていないのだが、同一性みたいなものに違和を感じる人たちに共感を得る内容になっているのではないだろうか。じっくり勉強させていただこう。 中野翠さんとは10年以上も前「思想の科学」誌上で対談して以来の、細くて長いお付き合いである。本を送っていただいたり、たまに試写会場などでパッタリ会ってお話しする程度のことだから、お付き合いというほどの関係ではないかもしれない。けれど、伏見にとってはどこかつながっている、という思いを抱く先輩である(←地元がいっしょだったりする)。
中野翠さんとは10年以上も前「思想の科学」誌上で対談して以来の、細くて長いお付き合いである。本を送っていただいたり、たまに試写会場などでパッタリ会ってお話しする程度のことだから、お付き合いというほどの関係ではないかもしれない。けれど、伏見にとってはどこかつながっている、という思いを抱く先輩である(←地元がいっしょだったりする)。




