2011-12-12

犬と話す人間

世の中には、動物や赤ん坊にナチュラルに話しかけられる人と、そうでない人がいる。
わたしはもちろん後者であり、26歳になったいまでも自意識過剰なせいか、
だれかがいるところでは「ポットの看板アイドル犬・鉄とすず」に話しかけることができない。
せいぜい手でナデナデするのが精一杯なのである。(ナデナデ=わたしなりのたっぷりの愛情表現)

きのう、休日にちょろっと出勤したときにすずと2人っきりになった。
帰る時間になったのだが、かあちゃんが帰ってこない。どうしよう。

とりあえずさっきまでいたはずのすずの姿が見えないので、勇気を出して、締まる喉を開けて大声を出してみた。
「すずー!」
するとどこからともなくテケテケとすずが現れた。
(か…かわいいかも…!)

下の階のおうちに帰そうと考えたわたしは、もう一度勇気を出して話しかけてみた。
「お、おうちにかえろ!」
するとすずは耳をぴょこんと立てて尻尾を振った。
(おっと、かわいいじゃねえか…!)

が、急に尿意を催したわたしはお手洗いに行くことにした。
「おしっこしてくるからちょっと待っててね!」
するとすずはちょこんとおすわりをした。
(かわいすぎるだろ…!)

いそいそと用を足して、さてリードをつけようとすると、すずはつれない素振り。
「とうちゃんとこ、いこ!」と言うと
すずはリードの輪っかにするんと首を通した。
そしてスタコラサッサとおうちへかけていくすず。
おうちにはとうちゃんもかあちゃんもいなかったが、にいちゃんがいた。
二匹は寄り添っておうちの奥にかけていった。

「すず」
「おうち」
「待ってて」
「とうちゃん、かあちゃん、にいちゃん」
という音に反応するということは、それが何を意味する記号なのかを理解しているってことだろうか。
頭良いなー
自分は末っ子で、さらにペットを飼ったことがないせいか、
言葉をわたしたちと同じように使わない生き物に言葉で話しかけるのはいままでしっくりこなかったのだけど、
なかなか積極的ですてきなことだと思った。