2005-03-27

姪 イン ベルリン 4

姪とのドラマも、そろそろ終わりに近づいてきていますが、姪も息子も私も、今日(日曜日)の朝はゆっくりしています。昨日まで、かなりハードにいろいろ動き回っていたので、さすがに彼らも疲れが出てきているようです。それにこちらは今日から夏時間。昨日より1時間早くなります。つまり、昨日まで朝の8時だったのが、同じ時刻がすでに9時というわけです。ブランチを、ベルリンの老舗カフェ・アインシュタインでする予定で、10時半頃には出ようと思っていましたが、お昼近くに出て丁度良いでしょう。もう少しゆっくりすることにしました。

さて、お寿司パーティをした24日は、食事そのものはとても良かったのですが、息子が慣れない通訳をタイミング良くできず、友達のブルーノと話すのに夢中になってしまったりと、少し不調和が生じ、そのことで「ゲストを家に迎えるために、招待した側がするべきこと」を教えようとした私と息子が衝突してしまい、パーティの後はさんざんでした。息子は、精神的に不安定な思春期なために、ちょっとしたことでもイライラする様子。姪は2歳年上で、お姉さんらしくなだめていましたが、それでもどうにもならず、翌日25日のドレスデンには、息子は行かないと宣言。最後まで説得しましたがダメで、仕方がなく姪と私の2人で行って来ました。

でも、私にとっては何度行ってもドレスデンはとても美しいところで、初めての姪もすごく喜んでくれたり、ほっとしました。息子はすでに2度ほど行ったことがあるので、まぁ良いでしょう。姪と2人でゆっくりとエルベ川に沿ってお散歩したり、カフェでくつろいだり、美術館でラファエロの「システィナのマドンナ」を鑑賞したり、もうひとつ頑張って美術館に行って、ドイツの代表的なアーティストのゲルハルト・リヒター展を見て・・・。幸いお天気がとても良く、疲れると宮殿の中のベンチに座って、ぽかぽかの日差しの中で、さまざまなおしゃべりをしました。姪との心の距離がどんどん縮んで、彼女の気持ちに触れることができ、有意義な1日になりました。最近は、コギャルとは言わないのだそうです。彼女のような女の子にはこれといった名称がなく、いろんなファッションで区別されていて、00系などと言い合うことが多いのだとか。親や友だちとの関係や、今考えていることなど、じっくり話してみると全く違和感がなく、思春期に入ったばかりの息子とは違い、かなり落ち着いた優しい印象がありました。「淑子さん、大丈夫、今は反抗しているけれど、私もそうだったもん。親は悪くない、自分がいけないってわかっていても、突っ張ってそのまま拒否してしまったりね。でも、ちゃんと私達はわかっているんだよ。だからそのうち落ち着くから大丈夫だよ。」と息子のことを分析してくれて、私は逆に励まされました!! 姪がなかなかしっかりしているので、本当に感心いたしました。

その日、帰宅してみると、息子は友だちと会って遊ぶでもなく、家で自分の部屋の掃除をしていました。そして私に「ごめんなさい、急に行かないなんて言って・・・お母さんひとりで案内して大変だった? ごめんね。」と謝ってきました。ちょっとキュンとしてしまいました。息子には、朝ドレスデンに出かける前に、前日の残りのまぐろをみりん醤油につけておいたものがありましたので、鉄火丼にして台所に置いておきました。ちゃんと全部食べていて「お母さん、美味しかったよ。どうもありがとう。」と、やけに素直に感謝していました。息子もひとりで家に残って、すこし息抜きもできたし、いろいろ考えることができたのでしょう。かえってこの日は3人にとって、とても意味のあるものになったようです。

そして26日の昨日は、予約していたホフマン・コレクションに11時から行きました。これは、大富豪のホフマン夫妻による現代美術のコレクションで、ご夫妻のお住まいに置かれているものを、週に一度、土曜日だけ一般公開しているのです。ちょっとしたミニ美術館のような感じになっています。ガイドがひとりついて各部屋にある作品の解説を受けながら進むのですが、息子は一所懸命になって、姪に通訳していました。私は6年ほど前に、ホフマン・コレクションを取材したことがあるのですが、ご夫妻は常にご一緒でインタビューに応じるというコンセプトを持っていらっしゃり、アポを取ってお時間をいただくことになったのですが、奥様の方にトラブルがあって、どうしてもご帰宅できないとのことで、ホフマン氏のみで特別に取材に応じてくださることになったのでした。その時のことを思い出し、良い取材だったなぁ、と振り返ってみたのですが、そのホフマン氏は3年前にお亡くなりになったのだそうです。とてもステキでダンディな方で、直接お会いしてあの時の取材のお礼をもう一度お伝えしたかった、と思いました。ホフマン邸で、静かにホフマン氏のご冥福をお祈りさせていただきました。

それから軽いランチをした後、この日を逃したら月曜日まではお店がイースター休みで閉まってしまうため、姪は必死になってラストスパートとばかり買い物をしまくりました。ついでに私も息子に好きなTシャツを買ってあげて、夕方になって暗闇レストランで夕食をしました。これについては、オーガニック・ライフのブログに書きましたので、お時間があったらぜひクリックしてみてくださいね。真っ暗闇の中でお食事をするという空間です。

23日の夜から24日まで、険悪な状況もあったものの、息子と私は仲直りをし、姪もそうした私達の関係を見て気遣ってくれて、3人の温かい心の交流ができ、とても幸せを感じています。若い子たちも、ちゃんといろんなことを考えていて、優しいなぁ、いい子だなぁ、と嬉しくなりました。見ていてとても可愛いな、と思いました。姪も息子も、この数日でいろんなことを学び、成長しているようです。そして、この私も・・・。子供は宝だなぁ、としみじみ思いました。

食事に関しては、姪も息子も普段よりずっと食事の量は少なくなっていますが、私にとっては普段よりずっと多いと感じます。やはり外食となると、どんなに少量を頼んでも、味も濃いし量も私のイメージより多く、どうしても食べ過ぎているように感じます。排便も普段より悪いのですが、注意してみていると、姪も息子もトイレに行く回数が私よりずっと少ないのです。どうなんでしょうか? 発汗が私より多いとか?

まぁでも、今のところ体の調子は皆良いようなので、ほっとしています。私は、姪が帰国する火曜日には、無理に食事をせずに控えようと思っています。断食ができるかどうかはわかりませんが、それくらいの気持ちでいようと思います。

本日のオーガニック・ライフ・イン・ジャーマニィは:

暗闇レストラン

このエントリへの反応

  1. カナダで有機農業をしています.きいろいトマト(heirloom from Germany)でElbeというのがあり約八年ほど育てているのですがエルブ川の出会い(WW 2)のエルブではないかと気になっていました.記事を読んでなるほどと思っています.オレンジ色でpaste tomato, ソースにももってこいで毎年黄色のエルブの種をくださいと言ってこられるお客様も多いのです.それではおげんきで。。。

  2. 淑子さん、お疲れ様です。
    ドレスデン良いですね〜。
    色んな事を考え、吸収、成長していますね。姪ごさんが来たのは良かったですね。
    私は今日は結局忙しくてお医者には行けませんでした。できれば漢方と鍼のお医者に行こうと思っています。。