2005-05-12

Shall we Dance?

いくつになっても
いい男はいい男!
Shall we Dance?

ずいぶんのご無沙汰でした。新作映画はぼちぼち観ていたのだけど、年度末と新学期でバタバタしてました。心を入れ替えて(?)、GW中に観た映画をアップします!

さてさてこの映画、言わずと知れた、周防正行監督の大ヒット映画『Shall weダンス?』のハリウッド版リメイクである。前評判は上々と聞いていたが、正直、これほどよく出来ているとは思わなかった。主人公夫婦よりは、まだちょっと若いけど、子育ても少し楽になってきて、心の空虚感を「誰と、何で、どうやってうめるの?」ってなことをチラホラと考え始めたわが身にとって、リチャード・ギアとスーザン・サランドンのダンスシーンは、まさにズバリ、胸元に直球を投げられた感じ…。この映画で泣くとは思わなかったが、そう、思わず泣いてしまったのだ。

ハリウッド版のほうが、夫婦の関係に重きを置いて描いている。ちまたでは、そんなことを言われているが、果たしてそうだろうか。ハリウッド版を見た直後、テレビでオリジナル版を放映していたので、久しぶりに観てみたところ、妻との関係はオリジナル版でもかなりていねいに描かれていた。もちろん、「多くは語らない」「言わなくてもわかる」的な日本ならではの夫婦像を描いているので、地味な印象はあるが、周防監督の描きたかったことは、ハリウッド版と相違ないのだと思う。
ただ、オリジナル版では2時間を超える上映時間で、描かれるテーマもそれぞれがやや散漫な印象があったが、ハリウッド版では、1時間46分と短縮されたにもかかわらず、 「しあわせなのに、どこかで感じる空虚感」「ダンス教師への淡い恋心」「ダンスに熱中」「夫婦関係の危機と修復」といったたくさんのキーワードが、ラストに向かって、見事に修練されていったなぁという印象を受けた。さすがエンターテイメントの本場、観客のツボを心得ているという感じである。
ハリウッド版では、観客サービスなのか、ジェニファー・ロペスとリチャード・ギアとの暗がりでのダンスシーン(これが何ともセクシーで見応え十分)も描いている。それなのに、ラスト近くの妻、スーザン・サランドンとのダンスシーンも何ら違和感なく描いているのがスゴイ。この映画の主人公がダンス教師に心惹かれたのは確かなのだと思う。だけど、心の底で主人公が求めていたのは恋の情熱ではなくて、心の空虚感をうめる何か。そして、それは、夫、妻、ダンス教師それぞれが求めていたもので、それぞれがラストでお互いを認め合って、それぞれの未来に向かって行く。オリジナル版では、夫と妻がお互いに認め合い、その後も寄り添い、生きて行くだろうことがサラリ(描かなくてもわかっているでしょ的に…)としか描かれていないが、ハリウッド版ではまさに映画ならではの、日常生活ではありえないシチュエーションでそれを描き出して見せる。ギア様だからさまになるわけであって、自分の夫にそれをやってほしいとは思わないんだけど、映画ではひととき夢を見せて欲しいというのが女心。その微妙な心を見越してなのだろう、それとも、それが欧米文化なのか、とことんやり尽くしてくれたピーター・チェルソム監督がすばらしい。

コマーシャルなどでもやっていたと思うが、タキシードを着たリチャード・ギアが一輪のバラを手にエスカレーターを上ってくるシーン。静止画ではただ素敵!というだけだが、映画のシーンの中で見ると、も〜う、めちゃくちゃかっこ良くて、思わず「いよっ! 色男」と声をかけたくなるほど。55歳は越えてるというのに、『愛と青春の旅立ち』時代の男前ぶりが衰えていないのがすごい。今、はたと気づいたが、リチャード・ギアって、女を迎えに行くシーンがとってもさまになる人なのね。70歳過ぎてもきっとかっこいいだろうから、その時は老女を迎えに行ってほしいです。