2013-01-21

愛と諦め

先日、近所で育ててくれたばあちゃん(祖母)が亡くなりました。
大原家にとってばあちゃんはスーパーマンであり、アイドルであり、クイーンであったので、
みんなしょんぼりしています。しょんぼりしすぎたせいか、実家の家族は全員インフルエンザに感染したそうです。

ばあちゃんの遺影になりそうな写真を家族で探していたとき、写真の力の凄さにびっくりしました。
35mmフィルムで撮り、L判に引き伸ばした「スナップ写真」と、写真館で撮る「家族の肖像写真」。
どちらも凄い。もの凄い記録媒体だよ!!!!!
肝心なのは「プリント」にして残すことなんじゃないかと思いました。
私も家族が出来たら(友人もいいな…)写真館で4×5の大判フィルムで撮ってもらおうと心に決めました。凄いから。

スナップ写真ひとつとっても、写真に対する気合いが違うんですよ。昭和は。
それにつけても、こんなにも、抱いて、肩を寄せ、手を握り、微笑んでもらっていたのかと驚きました。

老人が一人死ぬと、図書館がひとつ無くなることと同じ、と聞いた事がありますが、
図書館というより1つの物語が終わったんだなぁと思いました。
それは私の中でも同じことが起きていて、
生まれた時からその腕に抱かれて、幼少期は手を握ってあちこち連れていってもらい、日常の世話をしてもらい、
思春期には「ちょっとくちうるさいなぁ」なんて思うこともありつつ、実家を出てからはめっきり疎遠になり…と、
ごくごく普通の物語が一気に加速して幕を閉じてしまいました。

我が家では、毎週日曜日はみんなでばあちゃんちに行くのです。
みんなでお昼ご飯を食べて、大相撲、笑点、ちびまる子ちゃん、サザエさんを見て、帰るのです。
じいちゃんが生きていた頃はみんなで競馬もしました。
今頃になって、たくさんたくさんのことが思い出されます。
今頃になって、たくさんたくさんの後悔が、私の体を包みます。

私もいつか「ばあちゃん」になったら、孫たちをかわいがりたい。
もし子どもや孫がいなかったら、 何か育てたいなぁ…。