2009-11-05

『落語を観るならこのDVD』ができるまで●1.瀧口雅仁さんとの出会い

明日、『落語を観るならこのDVD』がいよいよ取次搬入です。書店には11/7(土)頃から並び始めます。注文取り寄せも可能ですし、オンライン書店でもお求めいただけます。落語がお好きな方はもちろん、興味がある方にも役立ち、楽しめる内容ですので、是非お求めください。

振り返るとこの企画が出たのは半年以上前の3月。あの時はまだまだ先だと思っていたのですが、いざ発売を迎えるとあっという間です。書誌情報ページの編集者から一言でも書きましたが、沢辺さんがBSで立川志の輔師匠の落語を見たのがきっかけで、「落語の初心者が予習できるようにDVD紹介本をつくったらどうか」という話になり、出すことが決まりました。

とは言っても、企画先行で制作が決まったものの、ポットでは落語の本を出したことはなく、誰に書いてもらうかという点が最初の悩みでした。

最初はポットサイトで以前「武田浩介の東京遊輪記」を連載していただいていた武田浩介さん(武田さんはいわゆる「天狗連」というアマチュア落語家であり、独演会もやるほどのディープな落語ファンなのです)に書き手探しの相談をしました。そうして書き手が見つかるかもしれないからと紹介していただいたのが夢月亭清麿師匠による連続講座「物語・落語現代史」。さっそく沢辺さんと二人で講座を聴きにいくことになったのです。

講座が終了し、ディープな落語談義が飛び交う打ち上げの飲み会。そこで出会ったのが「物語・落語現代史」で聴き手をされていた武蔵野美術大学の今岡謙太郎さん。演芸がご専門で、落語ファンとしても深い今岡さん。今岡さんに企画の話をしたところ、推薦していただいたのが本書の著者・瀧口雅仁さんでした。そうして、ポットに今岡さんと瀧口さんがいらしていただくことになったのです。

著者として書いていただくことになる瀧口さんは気さくで時折笑いを混ぜつつ、江戸っ子気質のカラッとしたところがおありで、第一印象は「落語が好きそう。」という当たり前のような失礼のような身もふたもないような印象をもったのを覚えています。直接お話した中で、瀧口さんに執筆をぜひお願いしたいということになり、快諾いただけました。この頃には35ブックスの対象商品となることも決定していて、11月上旬発行で頑張りましょう、となった訳です。

瀧口さんは演芸評論家として、講談社現代新書『平成落語論』などの書籍はもちろん、今回の企画のメインである落語DVDの解説も書かれていて、文の世界で落語の魅力を伝える一方で、プロデューサーとしても落語会を自ら企画して開催するなど辣腕を振るっている方。にわか落語ファンの私とは、知識、経験など様々な点で天と地の差なわけで……。楽しみとドキドキの制作が開始となったのです。

続きます。