2006-07-07

日記(その11)

ぐったり疲れ果てて帰宅しました。もう全てしました。後は校長の決断を待つだけです。駄目だったら次のステップ。でも、校長先生には、息子の良いところをどうしてもわかって欲しかったのです。要領は悪いかもしれないけれども、決して暴力とか公共のものを壊したり汚したりするようなタイプの不良ではありません。友達思いで、思いすぎて損して利用されたり、ある意味そんなところは親の血を引いているフシもありますが(汗)、でも、それは悪いことじゃない。馬鹿かもしれないし、お人よしかもしれないけれども、うそをついたり、他人を利用したりする人種ではない。正義感があって、正直者で、決してただの先生にとって厄介な少年というだけじゃない。そういうことをわかって欲しかったのです。

11時になりました。携帯のSMSには何も入ってきません。

11時15分。どうなったかな・・・そんなに長引いているのかしら・・・・。

11時25分。携帯にSMSを入れました。「どうなった?」   返事なし・・・。

11時40分。もうここまで来たら待つしかありません。携帯にSMSも入れるのをやめて、そのまま家で待機。

電話がかかってきました!

息子からです!!

「ど、どうだった?????」

「うん・・・・追試受けさせてくれるって。良かったよ!」

あ〜〜!!!!!!!!!!!!!!

良かった良かった〜〜!!!!!!

もちろん、これからちゃんと勉強して追試を突破しなければなりません。でも、息子の頑張り次第でどうにでもなることですから、ここからはもう息子の問題です。

本当にほっとしました。

それにしても・・・よく校長が首を縦に振ってくださったものです!!

「随分時間がかかったけれども、どうしたの、いろいろと言われたの?」

「ううん、そうじゃなくて、長く待たされたんだよ。いろいろ用事があったみたい。あるいは体育の先生と電話で話していたのかもしれないけれども・・・。で、本来ならば、成績云々の前に、すでに重要なものを提出していなかったり、学校での態度が悪かったり、怠惰だったらそれだかでも落第させることができるって言われた。でも、今回は特別に追試を許可するから、このチャンスをしっかりつかむようにって言われた・・・。というか・・・・・。」

「というか・・・・?」

「・・・・・うん、校長先生にはね・・・・・・お母さんを大切にしなさいって、そう言われた・・・。お母さん・・・・・。
本当にごめんなさい。そして・・・・・俺のために・・・どうもありがとう!!!」

涙が止まりませんでした・・・。校長先生が、そんなふうに言ってくださったことが、最後には嬉しかったです。どんな怖い人でも、ちゃんと心が通じればこういうことがあるものなのですね。

ほどなく息子は帰宅し、家庭教師派遣の担当者が来て翌日水曜日からの勉強のことを話し合いました。日本に戻るまでの間、週末も返上で毎日勉強することになりました。算数を徹底的にやります。もともと好きだった算数ですから、私は大丈夫だと信じています。

水曜日になりました。先ず朝私はクリニックとギムナジウムに行って、お礼のご挨拶をしました。校長先生にはお会いできなかったけれども、秘書の方2名にお礼を申し上げました、クリニックも学校も、それはそれは自分のことのように喜んでくださいました。

追試は8月18日の朝8時。口頭と筆記の2つがあります。この日程のために、8月20日にベルリンに戻る予定だったのを変更し、でもあまり良い便が残っていなくて、すでに8月9日には戻ることになりました。でもある意味良かったのだと思います。それだったら、8月10日から17日まで、再び家庭教師についてみっちり勉強ができます。息子もすごくやる気になっているので、とても良いことだと思いました。

水曜日、木曜日と家庭教師が来て集中して勉強しました。とてもよかったようで、息子は宿題が出てもしっかりとこなしています。二日目が終わった木曜日、家庭教師が私に言いました。

「息子さんですが、ものすごく算数が良くできますよ。全く問題なしです! どうして落第点をとったのか、全くわかりませんよ、それくらいできる。今、僕はワルドルフ学校(人智学の学校)の生徒の勉強をみているのですが、とてものんびりしていてやる気もないし、進まなくて困っているんですよ、実は・・。でも、息子さんは最初からどんな問題も解いている。あまり教えることなどありません。でもやり直してしっかりやれば、相当良い点で合格ですよ! というか、もう追試はとにかく大丈夫ですから、安心してください。」

たった2回の勉強で、そこまで言っていただけて、私も嬉しかったです! やればできる! このことは、息子に大きな自信を与えるでしょう。なまじぎりぎりで合格しなかったことで、沢山のすばらしい学びを得たのだと思います。