2006-02-05

クリニック その2

ドクターMは、私が現在47キロくらいになった(3キロ近く増えた)ことを喜んでいらっしゃいました。この点と、便通を良くしても、決して下痢状態にしてはいけない、という点は、甲田療法と大きく違います。甲田療法では、朝にスイマグなどで前日の腸に残っている物を(これは私の場合ですが、下痢状態であっても)全て出してしまうのですが、ドクターMの食事療法は、もう少し身体自体にエネルギーを増やそうということで、身体に良い食べ物を摂取し、便秘にならない程度に体内に残そうという試みです。「でも、風邪を引いているとのことですが、少し顔色が悪い感じもしますね。」とドクターM。そうかもしれません。気持ちは元気ですが、まだ鼻も出ているし、咳もしているので、皆さんの前ではハンカチを口にあてて、できるだけおとなしくしている私なのでした。

ドクターRがいらっしゃった頃には、私は丁度耳の変化について説明するところでした。つまり、先週あたりから、鼻をかんだ後に耳の聞こえが良くなり、唾を飲み込むと元に戻っていたのが、少しだけれども、戻らないこともあり、それがとても不思議である、と。そうしましたら、両ドクターはとてもびっくりしていらっしゃいました。「私達は耳鼻科の医師ではないですが(でも、お2人共もちろん、ドイツの医学部や大学院を卒業された、現代医学のお医者様でもいらっしゃり、かなりのエリートです)、それは大変興味深いことですね。う〜〜ん。それは、つまりは食事の変化がプラスに作用した、と思われますか?」

これは難しい質問です。今回のひどい風邪が、結果的にこうした現象を教えてくれたのですから、食事というよりも、風邪によるのかな、などと思ったり(笑)。私の中では、甲田療法というのはとても厳しいもので、やっている時はとても調子が良いのですが、脱線が続くとすぐに具合が悪くなったりします。それと同じで、もしかしたら私がドクターMの処方通りに食事を増やしたことで、イコール甲田療法的には「脱線」となるので、大風邪を引く要因を作ってしまった可能性も否めません。でも、これらは全て私の想像にすぎないので、私は今最も私が感じていることを正直にお伝えしました。(こういう話も、時々聞こえづらくなるので、息子が隣にいて通訳してくれたり、内容を繰り返してくれたりしました。答える時は自分でしましたけれど。)

「そうですね・・ドクターMの食事療法によって、劇的に何かが変化したということは、今の私には気がつかないのですけれども、ただ、お味噌汁をいただくようになってから、身体が温まる感覚は増えています。これははっきりわかります。後は、下痢が全くなくなりました。でも、それにより快便とは言いがたい状況でもあります。<気>だけのことを考えたら、確かに前よりは<気>の力は私の中で強まっているようにも感じます。」

「なるほど。」ドクターMは少し満足そうな表情で微笑みました。「ではここから、ドクターRの質問に入ります。私はまた後で顔を出しますので。」とおっしゃって、ご自分の研究室に戻られました。

ドクターRも、とっても優しい素晴らしいお医者様です。息子などは、子供のせいか、接する大人の雰囲気をすぐ読むのです(笑)が、「ドクターMも、ドクターRも、すごくいい人だね。それに面白いし、優しいし、一緒にいてリラックスできるし。」と言っていました。これは実に重要なことだと思います。患者が気持ちよく自分の症状を説明できる環境があるというのは、素晴らしいことです。
ドクターRは、味覚のことや睡眠、トイレのこと、排出物の状態や色まで詳細に質問。私はできるだけ正直に答えました。「お子さんはひとりですか?」という質問では、「え?ひとりで十分なのでは? それにペットのケイビーもいますし、その息子達を合わせると、3人ってことになりますが・・・。」などとジョークを飛ばし、大笑い。息子もすかさず、「そうなんですよ先生、母はペットを3匹飼っているともいえます。」などと言っていました。その他、水分の摂取量、夜中頻繁にトイレに行くのか、階段を上ると息切れするか、めまいの頻度など、およそ45分間ほど続きました。その中で、私が本来は、甘い物、辛い物、冷たい飲み物やアイスなどが好きであることが判明しました。これも重要な情報です。現在では、特に甘い物や冷たい物はいただかないようにしていますので、随分改善されたといえますが、もともと持っている私の嗜好が、この難病になる原因のひとつだった可能性は大いにあるようです。

「フラウ・アオキ。それではこれにて私からの質問は終了しました。この後、中国人のドクターがいらっしゃいます。そのドクターに私が今までのデータを説明し、最終的な結論を出したいと思います。」そう言ってしばらく消えて、その後、その中国人のドクターと通訳(!)の中国人女性(恐らく、彼女もお医者様でしょう)、そしてドクターRが診察室に入っていらっしゃいました。皆さんとても好意的な方で、表情も豊かなのですが、唯一中国人のドクターだけは、むっつりしていて笑わず、握手をした後も真剣なお顔でノートに何かを中国語で書き付けていらっしゃいました。

早速ドクターRが、私のデータを克明に中国人のドクターに、通訳を通して説明し始めました。

続く