2003-10-16

断食・イン・ベルリン

大きな脱線はないとは言いながらも、ちっとも量が守れずに過ごしていたのですが、それでも肌の調子はどんどん良くなっているし、なにより気持ちがいいのです。さすが甲田療法! こんなに効果を感じるのですから、しっかりと守って食餌療法をすれば、かなり病気が治ると感じます。どんどんやる気になってきます。頭痛は相変わらず続いていて、薄紙を剥がすようにしか痛みが和らいでいかないのですが、それでも少しは良くなっているようだから、このまま先生の言葉を信じて過ごしてみるつもりです。なにより、快復に向かっているのを心身で感じるので、日本に緊急帰国して病院に行く必要もないのが嬉しいです。少しほっとしました。

前にも書きましたが、息子がただ今秋休み中。友人と車でドイツをまわる旅に出たので、私は息子用の食事を作らないで良いので、とっても気楽。そんなふうに息子のいない日々を3日間ほど堪能しました。まず、親友で同僚のライター、つよしくん(荒井剛。隔週雑誌「フィガロ・ジャポン」などに書いています。ぜひご覧ください!)と久々に会って、脱線カードを使って食事をしました。とはいっても、つよしくんも私のように、甲田療法を少し実践しているので、食事内容はいつもとあまり変わらず、脱線として美味しいケーキやフルーツををいただいたくらい。もともと彼は、甲田療法を知る前から玄米を食べていたし、胃弱のために小食。
会えば励まし合うので、あまりひどい脱線にはならないのです。
そしてその翌日は、上映時間が300分という、大ドキュメンタリー映画を見に、旧東のプレンツラウアーベルク地区に行きました。
上映が午後1時からで、途中休憩もあり、終了したのが夜の7時40分! 旧西地区の我が家に着いたのは9時近くでした。そのせいか、次の日はちょっと疲れてずっと家でおとなしくしていました。
でも、そういう時こそしっかり食餌療法をしたいのに、玄米の量がどうしても多くなってしまうし、黒パンも余計に食べてしまう・・・。
お腹が空いているわけでもないのに、妙な飢餓感に襲われるのですね。ひどい脱線ではないにしても、こういつまでも正しい甲田療法ができないのはマズイ。体重を量ると、入院していた時より3キロくらい増えています。甲田カーブで増えるのならともかく、脱線で増えてはいけません。これは困った!

そこで閃いたのです! そうだ、すまし汁断食をしよう!!

そんな気持ちになるのには、やはり時間がかかりました。(ベルリンに戻って来て2ヶ月もたってしまいましたもの・・)甲田先生と入院中にお話しさせていただいた時、ベルリンで月に一度は断食するのがいいですよね、と尋ねたら、にっこり笑って「うーん、そうですな。でも、無理せんでいい。できなくても小食していたらいいんですからね。」などと、あまり積極的に受け取っていらっしゃらなかったのです。どうしてかな? と不思議だったのですがやっとわかりました。

そんなの、意志の弱い私には、ほとんど無理なんです!

自主的に断食をするってことが、普段の普通の生活をしていると、到底できっこないって思いました。

まず、息子の世話があります。息子は私とは違うメニューの食事をするわけです。それを作って、食べずにいながら、断食をする・・・。
ただでさえ、少ない食事をしていて守るのに必死の私にとって、そのような状態の中で断食を成功させるなんて、ありえない・・・。
私はこのところ、先生が処方してくださった生菜食Bを実行しています。
つまり、朝は青汁と赤汁を飲むだけ。(赤汁は人参汁のことで、青汁と混ぜて飲んでもいいのです。)昼は、塩をふった生の玄米の粒120g(これは3日間塩水に漬けておいたもので、やわらかくなっていますが、それでもよく噛んで食べると、食べ終わるのに約1時間ほどかかります。)にお豆腐4分の3丁丁。途中30gのはちみつを摂取することが許されています。そして夕方再び青汁と赤汁を飲んでおしまい! 通常もたったこれだけで、息子の食事を作っても食べずに過ごすのが厳しいのに、さらに断食・・・。それは、本当に夢のまた夢、という気持ちになっていました。
生菜食Bをしていて、どうしてももっと食べたい時は、青汁のカスを捨てずに玄米の粒に混ぜて食べます。そうすると、少しは腹持ちが良くなるのです。
今の私にとって、まず一番に大切なことは、脱線をしないように量に注意して・・・など、基本のことを守るのこと。そうするのが精一杯の日々を送っていました。生の玄米は、食べてみると意外に美味しいので、粉の玄米をそのまま食べるよりはずっと私には食べやすい。けれども、それとお豆腐だけでは、なんともつらく(空腹感は全くないのに、例によって目が欲しくなるんです・・・。)、それで黒パンにはちみつをつけて食べたりしてしまいました。でも、それでは正しい量ではありません。黒パン分が多いのです。それに、たまにそれでもつらい時は、りんごをかじってしまいました。これでは駄目です! なんだか中途半端な状態だったのです。

息子が留守という状況を楽しんだ3日目の夕方。もう、別に街中に出て何かしたいわけでもないし、食事を作らなくて良い今こそ、断食にトライしてみようかな、と急に思い立ちました。

我ながら、なかなか前向きな考え! でも、本当にできるのでしょうか? 

ということで、13日の夜、こんぶと干ししいたけを出してきて、仕込みをしました。なべに水、こんぶ、しいたけを入れて冷蔵庫に。たったこれだけですけれども、準備をしたら、すっかり断食モードに切り替わり、やる気いっぱい! 甲田医院に入院していた時を思い出して、一日くらいだったら大丈夫、できるわ、と自分に言い聞かせました。

そして14日。残っている野菜は全てペットのケイビー君、ラッキー+クッキーに大サービスで進呈し、午前10時にすまし汁を飲みました。後は、途中で30gの黒砂糖を摂取して、夕方に同じすまし汁を飲んだらおしまい。でも、これがいつもよりずっと気持ちが楽で、すっきりしました。普段は、小食でも食べ物を口にしているわけですが、断食中はすまし汁という、特殊な流動食のみです。黒砂糖はそのまま舐めますので、お菓子ではないし、やはり特別な固形物に感じます。気持ちがはっきりと切り替わるので、いつもの小食よりずっと簡単に「物を口にしない状況」を守ることができるようです。

翌日、体重計に乗ってみると、やっぱり1キロ減っていました。本当は、もう1日くらい断食を続けた方がいいのかも・・・。でも、無理は禁物! 実はほんの少しだけ背腹運動をしている最中にめまいがしました。なので、やはり断食を続けない方がいいのかもしれない、と判断しました。本当に無理は危険です。それに、甲田先生は、脱線した翌日にすまし汁断食をするのが理想、とおっしゃっていたので、2日間以上の断食は、今の私にはあまりよくないかも・・・・。ということで、翌日の15日は、買ってきた新鮮な野菜で青汁を作っていただき、午後に玄米クリームとお豆腐を少し口にしました。これはとっても美味しく感じられました! そして、断食の日は自信がなくて外出しなかったけれども、翌日は少しだけお散歩してみました。空気がとってもきれいで美味しくて、冷たい風が吹いてきたものの、楽しくお散歩することができました。私の家の近くの公園まで行ってみたのですが、すごくさわやかな気分! 断食は、いろんな素晴らしさを教えてくれます。

私は前に、甲田療法に関しては、プロセスが駄目でも結果が出ればいいって書きました。もちろん今でもそう思っています。けれども、人生における私の考え方は、結果も大切だけれども、プロセスもとっても大切だって思っています。プロセスにこそ、いろいろな生きることの意味や秘密が隠されているのだと思います。
今回の断食をしてみて、甲田療法をするプロセスで、たとえまだ健康を取り戻していなくても、とっても意味深いことが沢山あって、学ぶことがいっぱいあって、心からありがたいことだなぁって思いました。そういう気持ちを大切にしたいです。

生菜食Bが軌道に乗ってきたら、月に1〜2度程度すまし汁断食をしてみようと思っています。次回は、息子が家にいても断食ができる精神力を身につけていたい・・・。できるでしょうか??

さて、次は別なお話です。いろいろな方からメールをいただいております。
ありがとうございます。
Kさんという読者から、こんなメールをいただきました:

私の場合、青木さんのように病気で体調を崩しているというわけではないのですが、肥満がひどいので頑張って体重をへらそうとおもっています。
まだ半日断食をはじめて1週間しかたっていませんが、以前より体調もよく、身体が軽くなり体重も少し減りました。
しかし、まだ1週間だというのにやはりこのまま続けていればよくなるだろうかという不安もありますが、青木さんなどずっと断食を続けている方の話をみたりきいたりするととても元気づけられますし、プラス思考でいけます。(とくに食事中の水と食後3時間以内の水分摂取の禁止はけっこう辛いです^^;)

そうですね、食事30分前と、食後3時間水分を摂ってはいけないっていうのは、なかなか厳しいですよね。でも、小食を続けていると、はっきりと胃腸の調子が良くなっていくのがわかります。
半日断食をしていると、寝覚めも良くなります。身体もとっても軽くなり、以前より確実に気分がさわやかになると思います。
ただし、気をつけなければならないのは、朝食を抜かしたということで、精神的に飢餓感が生まれ、昼食や夕食を普段より多めに摂らないと、という気持ちにならないようにすることです。いつもより多い食事を昼と夜にしてしまったら、それはマイナスです。かえって胃腸を苦しめることになります。
私の場合は、昼1食のみの生菜食療法ですから、それはもう、大変です。夕飯は青汁と赤汁を飲むだけですしね・・・。でも、続けていると、爽快なんです。ただ、気持ちがどうも脱線してしまいそうな日もありますけれどもね・・・。なにせ、毎日同じメニューなんですから。飽きてしまうんです。ありがたいって気持ちを常に持って、目的に向かって進むしかないのですけれども、まだまだ意志の弱い私は、そんな甘い考えを持ってしまうことがあるのです。
Kさんの場合は、健康でいらっしゃるのですから、焦らずにダイエットをしてくださいね。大丈夫ですよ! まずは信じることです。これをしたら、私は必ず痩せて、美しくなるって!! そして、食事に対して、感謝の気持ちを忘れないことも、大切なように思います。

楽しく半日断食ができるといいですね! 

そして今日はもうひとつ。前述のつよしくんと、電話で「青汁の作り方」について話をしていました。そして、二人のやり方をドッキングさせると、さらにパワーアップ+時間のロスの省けることがわかりました。以下、私たちの「美味しい青汁の作り方」です:

*新鮮な野菜を用意して、1回分約150グラムの5種類以上の葉を洗う。その他、人参、セロリ、りんごを適量洗って用意する。
*ミキサーに少量のオレンジジュースを入れ、りんごを入れてミックスする。
*その後、スイッチを入れたまま、ミキサーのふたの中央にある小さなふたのみ取って、その穴からどんどん他の野菜を入れてゆく。そうすると、あっという間にミックスされて、つまることがない。最後の方に入れれば、人参も切らなくてもそのまま簡単に混ざる。
*ざるかネット(網)で青汁とかすに分け、上澄みのアクをとってコップに入れ、塩を混ぜる。

以上です。当たり前のことなのですが、これがなかなかやってみないとわからないことなんですね。例えば、つよしくんは最初、全ての野菜とジュースをミキサーに入れて、がーがーさせながら勝手に混ざるのを待っていたのです。そうすると、途中で何もしなくて済むから楽なのですが、いざネットで青汁を絞ってみると、とっても熱くなっています。これだとビタミンが熱で破壊されて、理想的な青汁とはいえません。また、私がやっていたように、少し野菜を入れてはふたを開けて足す、というような方法だと、時間も手間もかかって大変です。二人の知恵をミックスして、やっと上記の方法にたどりついたのでした。中央のふただけ取って野菜を入れるというアイデアは、つよしくんです。これ、やってみても、私はなかなかうまくいかなかったのですが、最初にジュースとりんごをミックスさせてからやってみると、本当に上手にできます。

最高に美味しくて、ビタミン豊富な青汁が出来上がりました!

みなさんも、ぜひお試しくださいね。本当に美味しいですよ!!

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自宅近くの公園・ツェーレンドルフ地区