2006-01-17

ドクターM の診察

さて、ヴィンターベルクからドルトムントへ、そしてさらにエッセンに行って、自然療法のクリニックに到着。ドクターMに診察していただけることになっていたので、とてもワクワクしておりました。

3時きっかりに受付に来てくださったドクターM。再会を喜び、早速ドクターの研究室に伺いました。とても広く、大きな窓があって中庭からの光がいっぱい差し込む、それはそれは素適な研究室! そこで向かい合って座り、私の耳を気遣ってくださりながら、診察がスタートしました。

さまざまな質問を受けました。例えば、食べ物の好みや睡眠時間、どんな日常か、コルチゾン(ステロイド)は今でも飲んでいるのか、最も摂取していたのはいつでどのくらいか。現在の少食療法の内容や結果、甲田療法についてや胃腸の状態など。もちろん、耳のことは特に聞かれました。私は、全て正直に答えました。

ドクターは、40分ほどそのように私から情報収集した後、「これは同僚のR氏のハーブ療法が適しているかもしれないので、ちょっと彼に聞いてみますので、少々待っていてくださいね。」と言って、しばらく戻っていらっしゃいませんでした。15分くらいしてから、ドクターRと一緒に戻っていらして、すぐにドクターRが私の脈をはかり、口の中を見せて欲しいとおっしゃいました。舌の様子を診ていらしたドクターRは、「ドクターM,ちょっとこれを見てくださいよ、う〜〜む、なるほど!」などとおっしゃり、ドクターMも私の舌を見て、「う〜〜む、そうか・・・。」とおっしゃり、ちょっぴりドキドキしました。何が、どうなんでしょ???? 今度は舌の裏を見せてとおっしゃるので、懸命に舌の裏を見せる私! つらい格好・・いえ、舌が、ですが・・・汗。

「わかりました。それではお話を続けましょう。」そうドクターMはおっしゃり、ドクターRは部屋を出て行きました。「ドクターRに説明したのですが、あなたの病気はとても稀な種類のもので、それをドクター甲田の少食療法、あるいは断食療法で治そうと思っていらっしゃるのは、方向性としては正しいと私達は判断いたします。」ドクターRもドクターMも、すでに甲田先生のことは調べてしっかりとご存知で、非常に有名なドクターですね、とおっしゃったので、ちょっと嬉しい気分になりました。「でも、あなたには今、これが下降しているのですよ、ご存知ですか?」と言って書いた言葉は、「QI」。

QI !!!!!!!!!!!

そうです、「気」のことなんですね!!!! 「ええ、わかります。気ですよね。とてもよく使う言葉ですし、大切なものですよね。」と私は言いました。

「ええ、この気が、あなたには今とても少ないというか、弱っているというか、とにかく下降しているのです。それは、舌の状態を見ればわかるのです。」まぁ、そうなんですね・・・・。「それで、私達は、ハーブ療法をあばたにご提案します。」

ハーブ療法!!! なんと素適な響きでしょう! ハーブ!! 大好きです。きっと苦いのでしょうけれども、ハーブという植物には、何か特別なパワーがあると私は思っているので、とても興味がわいてきました。「それで、このハーブ療法の専門家は、さきほどのドクターRなのです。私と彼とで、いろいろあなたの症状をチェックして考えて、30種類以上のハーブを調合し、エキスにして毎日飲んでいただきます。初めは、その処方をお渡しするのに、1月末にクリニックに来ていただき、その後1週間後に、その後は4週間後、そして最後は、あなたが日本に息子さんと一時帰国をされる4月7日前までの一度来ていただき、様子を見てみましょう。それでいかがでしょうか?」ベルリンからエッセンまで4回も通うのは、もちろんけっこう大変なことではあります。でも、健康以上に大切なことはあるでしょうか?ハーブも、決して安いものではないのですが、この4回のトライアルは、とても価値あることだと思いました。なので、通うことに決めました。

「いいですか、今のあなたは、甲田療法を厳しく実践するには、あまりに気が低すぎる。そして、体型が弱い。168センチで現在45キロというのは、少なすぎます。体力を作るためにも、もう少し食事をすることをオススメいたします。例えば、1日一回のスープを加える。これは、できれば鳥のスープかお味噌汁ですね。それから、週に3回は魚を摂取してください。何でも良いですが、白身が理想的ですね。でも、日本人の好きなまぐろでもいいですよ。野菜はずっと今のまま摂取してください。青汁は良いですね。とても良いし、続けていただいていいですが、できれば温野菜も摂取していただきたい。」食事を増やす!それは気を再び呼び込むため! なるほど!「玄米でなくてはいけない、ということはありません。ポイントは、あなたの体が再び気を取り戻すことなのです。つまり、体が反応しすぎて、下痢症状になってしまってはマイナスなのです。だから、適度に白米を摂っても良いと私は思っています。だからといって、便秘になっては困ります。その辺のバランスが大事ですね。パンはあまりよろしくない。最も今のあなたに適しているのは、玄米と白米の混合だと思います。それから、温冷浴は、今はやめてください。あなたの体には、今はあまりに過酷すぎる。徐々に始めればいいのだし、運動も同じです。頑張り過ぎなくていいんですよ。できる範囲で少しずつ、です。そうすれば、再び甲田療法をすることができますよ。それが理想的ではないかな、と私は思うのです。先ず<気>を上昇させ、それから甲田メソッドを再開する。いかがですか?」

劇的に良くなるというのではないようですが、これだと心身に負担が少なく、無理なく進められる、ということなのですね。そして、今の私には、体力や精神力を強化するために、少しだけ多めの食事が必要であると。「先生、ストレスというのは、あらゆる方角からやってくるのですけれども、それを回避するには、どんなことが必要なのでしょうか?私としては、ストレスをためない強い人間になりたい、と思っているのです。」と聞いてみたところ、先生は次のようにおっしゃいました:

そうですね・・・私の場合は、1日に30分でもいいですから、瞑想をします。私が読んでいる本は、Jon Kabat-Zinnという人のもので、きっと日本でも手に入ると思います。瞑想はとてもストレス解消に良いですよ。これも学びですので、徐々にできるようになります。」

瞑想!? ノルデナウの洞窟でどうしていいかわからなった、あの瞑想です!

「先生、私にはよくわからないのです、瞑想が何なのか・・・・。例えば、瞑想をしようと思い、心を静めてみると、眠りに近い状態になるというか、眠ってしまうこともあり、それでは違うような気もして。瞑想と祈りと睡眠とは、一体何が違うのでしょうか? そもそも、瞑想って何なのでしょうか?」アホな私は、そんなことを聞いてみました。するとドクターMは、とても真剣に答えてくださいました。

「瞑想とは、何も考えないということだと思います。何も考えないで30分静かでいることは、これは訓練でできるようになるのですが、なかなか難しいのですよ。私も毎日はできません。でも、この<何も考えない>ということは、人生において、とても大事な行為だと思います。ぜひ試してみてください。5分でもいいので、チャレンジしてくださいね。」とおっしゃいました。

確かに、「何も考えない」でいるのは、私は苦手です。そういう時間が欲しいとは思っても、日々のもろもろのことで後回しになってしまうのです。なので、今の私は「何も考えない時間」を持つことなど、思いもよらないことでした。でも、ドクターMにアドバイスをいただき、目からウロコという感じです! これは、毎日数分でもいいから、静かな場所で、アロマでもくゆらせて、「何も考えない」時間を作ってみようと思います。

ということで、クリニックでもとても素晴らしいひとときをいただきました!ドクターMに、ヒルを使った療法をしましょう、と言われたら怯んでいたでしょうけれども(汗)、ハーブ療法を選んでくださったので、それはとても今の私に合っているようにも感じましたので、ぜひトライしてみようと思います。

その日、1時間半の診察をしていただいてから、私は再びヴッパータールのナイヨンの家に戻って泊めてもらい、韓国風のおうどんをいただいて、ナイヨンやアンナとの会話を楽しみ、翌日ベルリンに戻って来ました。とても実りある3日間でした!

今日のオーガニック・ライフ・イン・ジャーマニィは:

ノルデナウの奇跡の水を求めて