2003-08-07

退院間際は・・・

今日の甲田先生は、ドイツのことをいろいろ質問されました。
「お腹の調子もとても良いし、これからベルリンに戻るまで五分粥を続け、戻って2ヶ月は生菜食の玄米粉、そしてそれから本格的に生玄米の粒にしてください。発芽玄米はとてもパワーがあって、効果的です。それを、来春まで続けて、そして本断食をすれば、必ず耳が治ります! それで、お豆腐とか玄米はドイツで手に入りますか?」お豆腐は安めのものがアジアショップで購入できますが、それは防腐剤がかなり入っていて、甲田療法には適していない感じです。私がいつも買っているのは、ナチュラルハウス(Reformhaus)のお豆腐。それはかなり高いのだけれども、BIOなのです。同じお店に玄米も売っていますし、家の近くにあるのでとても便利。青汁の野菜も豊富で、問題ありません。でも、柿の葉茶とスイマグは手に入りません。なので、今回は大量に持って帰るつもりです。スイマグの代用品として、マグネシウムの錠剤は手に入ります。
出先で玄米やお豆腐が食べられなかったら、ドイツの場合は黒パンがあります。全粒粉やさまざまな栄養素いっぱいのパン。それを代用しても良いとのこと。前にも書きましたが、やはりそういったちょっとした逃げ道があるのはほっとします。少食は守るけれども、絶対に同じ食品でなければならない、という厳格なものではなく、もちろんできればそれがベストであっても、代替品もあるということ。それはとてもありがたいことです。
それから、ドイツの水道水は石灰が多すぎて、先生の生水のお考えとは合わないようです。活性炭などを使うか、あるいはミネラルウォーターでも良いとのこと。

もちろん、いつもいつも量には気をつけて、必ず少食に! ですが。
先生は私におっしゃいました。「青木さん、この生菜食を来春までちゃんと続ければ、あなたの身体は本当にびっくりするほどしっかりとして、より健康になり、そして本断食に絶えうる身体となるのです。この8ヶ月が勝負ですよ!」 勝負!! そうです、脱線などしていられません。
私が私の本来の健康をとり戻すために、これからの8ヶ月はとても重要です。

ベルリンに戻ってからのお話が始まると、いよいよお別れなんだなぁって思います。退院は嬉しいのだけれども、甲田先生の笑顔に会えなくなるのは、ちょっぴりさびしいですね・・・。先生には、今まで感じたことがないようなエネルギーがあります。オーラもあるし、神の手もある。第三の釈迦と言われるのも(第二は西式の西先生)理解できます。

さて、今日もいろいろ新しい患者さんに教えることがあり、時間がかかってしまいました。アトピーやバセドー氏病、難聴と眩暈のひどい方など、いろいろいらっしゃいます。お当番のことやご飯の炊き方、お粥の作り方、青汁の作り方・・・・。ついこの間まで教えていただいていた私が、いつのまにか教える側になっています。
こういうことって、順番なんですね。

みなさん、気さくな良い方達です。けれども私は明後日の午前中に退院します。あまりゆっくりとお話をしている時間がありません。これからの5人の患者さん達には、きっとそれぞれのストーリーが始まるでしょう。断食が初めての方も、何度目かの方も、いろんな思いで夏の暑い中、入院をしていらっしゃいます。悔いのない入院生活を送っていただきたいと思います。

甲田先生のメソッドによれば、極端な話、青汁だけ毎日飲んでいるだけでも、ちゃんとしっかりとした身体になります。そういう男性がいらっしゃるそうですが、体重も理想的にあるそうです。そういう方の胃腸は、すでに甲田療法によって栄養の吸収力が増していて、ほんの少しの栄養で身体が満足するのです。これは本当に素晴らしいことだと思います。ただ、本人の味覚の問題はどうなっているのかなぁ、と少し思ったりしますが・・・。味覚を満足させるものがないままの生活・・・・。玄米をいただいていると、その深い味わいに圧倒されることがあります。けれども、青汁だけの生活に、そのような味わいがあるのかしら・・・。確かに、美味しい青汁だと深い味を感じることはあるけれども、でもねえ・・・。
そんなことを考えている私は、まだまだ未熟なのでしょうか。

甲田先生はとっても痩せていらっしゃいます。本来ならば、たとえ一日一食であっても、もっとふくよかになるはずなのです。でも、先生は毎日患者の診察やケアをされています。講演や本の執筆、その他いろんな取材を受けたりしているのです。先生の気は、どんどん他に流れてゆくため、太れなくなっている、と誰かが言っていました。そうなのかもしれません。
でも、たとえ先生のお身体がとても痩せ細っていても、心はものすごくふっくらとして温かい。大きな愛情がつまっている精神は、ただ傍にいるだけでポジティブなパワーを感じるものです。こんなに素晴らしい先生に出会えて、私は心底幸せだって思います。早く治って、先生のご本の翻訳にとりかかりたいと思っています。でも、まずは私が本当に健康にならなければ、です!

・・・と、退院間近ともなると、こんなことをつらつら考えてしまいます・・・。

甲田先生
甲田先生