2005-06-15

ハイラー!

少食を実践していらっしゃる読者の皆様、ハイラーのお話はあまりお好きじゃないかもしれませんが、もしもよかったら少しの時間、お付き合いくださいね!

さて、行って参りました!! そうです、前回予告いたしました、ハイラーのところです! ペトラからメールがあって、「日本から戻ってから一緒に行くんじゃダメなの? 私だったらそれをオススメするけれども、もちろん淑子が早く健康を取り戻したいという気持ちは理解できるので、反対はしないわ。もう一人のハイラーのところには、絶対に一緒に行きましょうよね!」と書かれていて、う〜〜ん、随分悩んだんですが、それに仕事もいっぱい残っているし・・。でも、やはり行ってみたかったんですよね・・。そんなことをつらつら考えていたら、夜もあまり眠れなくなってしまって・・どうやら興奮していたようでして(笑)、これはもう行くしかない! と思って、朝7時に息子を起こし、パンを作って持たせて、青汁を作って飲んだ後、ベルリンZOO駅から、9時45分の電車に乗りこみました。インターネットでもその町を検索したり、ZOO駅でもチケット自動販売機で調べたのですけれども、どういうわけか出て来ない。とても似た名前の、やはりシュプレーヴァルトの町しか出て来ないので、ひょっとすると私の勘違いだったかな? とだんだん自信がなくなってきて、結局チケットを購入せずに電車に飛び乗り、中で往復切符を買いました。ファックスを車掌さんに見せて確認したのですが、「ああ、これでいいんですよ。」と言ったので、安心して眠ってしまいました。1時間ちょっとで到着。降りてすぐにバスが来たので、運転手さんにファックスの地図を見せ、どのバスに乗るのかと聞いたら、「このバスですよ。降りるところを教えてあげますからね。」と、とっても親切! あ〜、なんてラッキーなんでしょう! と喜んで着いたところは・・・違う町だったのです!! が〜〜ん!

私はこのことで、よ〜〜くよ〜〜くわかりました! ドイツ人に道を聞いてはいけないのです。間違う確率がとても高いのです。すごく断定的に言う割りには、全然あっていないのですよ〜〜!!(涙) これで、何故私達アジア人が、街でいつも道を聞かれるのか、よ〜くわかりました。

でも、そんなことで悲しんでいる時間はありません。ハイラーのところは、午後2時までなのです。時計を見るとすでに12時半。汗。大丈夫なのかしら・・・。ここはどこ? そして私はどこに行けばいいの? 何故かとても暑くて、こんな日に限ってかんかん照りでぐったり・・・。厚着していたので、革ジャンを脱いで、インフォメーションに行きました。「ああ、よくあることなんですよねぇ。町の名前がとっても似ているからね。あなただけじゃないですよ。」と親切に優しく言ってくださり、私の目的地は、その町から13キロ離れているということなので、時間がもったいないのでタクシーを呼ぶことにしました。待つこと10分。やっと来た運転手さん! あ〜、旧東ドイツ出身の運転手さん。「昔は良かった。DDRの頃の方がずっといい。できれば昔に戻りたい。そう思っている旧ドイツ市民は多いんだよ。」と、えんえん今のドイツのひどさを見知らぬ東洋人の私に訴えていました。そして間違って行ってしまった町の観光案内までしてくださって(汗)、「ああ、興味深い町ですねぇ。こんな間違いでもしない限り、来なかったかもしれないから、ひとつ勉強になって良かった。ポジティブに受け入れた方が楽しいですよね。」などと私・・。なぜかタクシーの運転手さんに気を使っていたのでした。

やっと目的の町に到着。でも、住所の番号が見つかりません。近くの番号が見えたので、そこで降りて自力でさがすことにしました。ところが私は、自慢じゃないですが、ものすごい方向音痴なのです!! しゃれにならないほどのドジでして、どうしてもハイラーの家を見つけることができません・・・う〜〜〜ん!(大汗!)携帯電話は持っていますが、携帯では相手の声が拾えないのです。もっぱらSMSでしか使っていないし、そんなもの、ハイラーが返信してくれるはずもなく・・・。それで、困って近くのレストランに入り、ウェイターさんに聞いてみました。「あぁ、有名な人だよ、そこをまっすぐ行って左に曲がって、小さな橋を渡って、そこを左にちょっと行って、そこからまっすぐの突き当たりの家だよ。」かなり詳しく説明してくださったし、若い感じの良いドイツ人だったので、信じて行ってみることにしました(笑)。その人は髪がふさふさしていましたけれども、旧東地区って、けっこうスキンヘッドのお兄ちゃんがうろうろしているんですよね・・・ネオナチが多いんです・・・。

「日によっては、朝6時くらいから大勢の人が来ていて、順番待ちみたいだよ。夜まで待っていることもあるみたい。」とそのウェイターさんは最後に私に言いました。え〜〜!!! そ、そんな!! だったら、私は一体いつみてもらえるのでしょうか・・・・さらに不安になって、でもとにかくここまで時間もお金もかけて(実際、ハイラーに渡す予定の御礼15ユーロより高い、23ユーロもタクシーに使いました・・・。電車代は、往復で18ユーロ・・・嗚呼)来たのですから、どんなことがあっても会わないと!! もう二度と来ないかもしれないんだし、なんとかしないと! と、少々焦って早歩きで到着! ほ! 見つかった〜〜。長い道のりでした・・・。着いた時はすでに1時を過ぎていました。でも、間に合った! それに、待合室には誰も待っていません。今日は少なかったのかな? といろいろ想像しつつ、椅子に腰掛けましたら、ひとりの老婦人がドアを開けて私のところにやって来ました。「ああ、息子にご用ね、今来ますからちょっと待っていらしてね。」あれ? ドイツ人みたいな・・・。ということは、ハイラーもドイツ人? ??? 訳がわからず、待つこと15分。若い女性がハイラーの部屋から出てきて(どうやらその方もみてもらっていたようです)、「さ、あなたの番よ、どうぞ」と中に案内してくださいました。

ハイラーと対面!!! ドキドキドキ! すでに、私は厚着していた黒の革ジャンと、その下に着ていた黒のジッパー付きトレーナーを脱いで、黒の長袖シャツ+ブルージーンズのみの姿。(汗だくだく状態になっていました)6畳くらいの部屋に、そのハイラーは立って私を迎えてくれました。「やぁ、君だね、僕のおばあちゃんと電話で話したのは。」え! あの人、ハイラーじゃなくておばあさんだったんですね・・・。声が男性っぽかったので、間違えてしまいました。それで納得、なんだかよたよたした発音だったのは、お年だったからなんですね。ハイラーは、旧東ドイツ出身の方でした。会っていきなり「Du」、つまり親しい人同士が使う言葉なのでびっくり。こんなことは初めてです。普通は「Sie」を使わないと失礼なんですけれどもね・・・。私はそれでも、ずっと「Sie」を使っていましたが・・・。

窓が全開、でも煙の中にハイラーがいます。私達は向かい合って座りました。ハイラーはタバコを吸っていたんです。けっこうヘビースモーカーな感じ・・・。「吸う?」と聞かれて、「え、いえ、結構です。タバコもアルコールもいただきません。」と言いました。ハイラーは、ちょっとにやっとして、一人で美味しそうにタバコを吸って、「で、何? 耳だよね、その他にどんな症状があるの?」と聞かれ、ざっと説明しました。コーガン・シンドロームという、数十万人にひとりしかかからない稀な病気になったこと、大動脈炎なので、大動脈が片方異常に細くなってしまっていること、たまにめまいがあり、耳は特にひどく、現代の医学では治らないと言われ、2001年当時は大量のコルチゾン(ステロイド。こちらでは、コルチゾンと言った方が通じます)を摂取していたこと。さらに、甲田先生に出会って、薬をやめ、断食療法や少食療法で徐々に良くなってきていることなども伝えました。

ハイラーは、「おえ〜〜!! 断食したの? すごいね〜! それに少食? できることじゃないな。何そのメニュー。玄米の粒、生のまま食べるの? ひぇ〜! うん、立派だよ君は〜。ところで、どこで僕の話を聞いたの? 良いことだった? 悪いことだった? アハハ!」などと、かなりライトな会話。見た感じ、30代半ばくらい? 若そうです。でも、私のことは、自分よりもっと若いと思っているフシがあり・・・(笑)。「もちろん、良いことを聞いたので、こうして間違えながらもヒーヒー言ってやって来たんじゃないですか。ある日本人女性がここに来て、肩こりが治ったそうなので。私も耳が前のように聞こえるようになりたいので。」と私が言ったら、ハイラーはタバコをもみ消して、「じゃ、手を見せて。」と、突然真剣な顔をして、私の両手を握りました。かなり大きなあったかい手。悪い感じではなかったです。なにかこう、構えたところがなくて、自然で。私は、トライするからには全面的にポジティブに信じてお任せしよう、と思っていましたので、静かにハイラーのなすがままにしていました。

ハイラーは、私の右手をまずいろいろ触って気を吹き込んでいるようでした。次に左手。その後腕、大動脈が走っている胸のあたり、胃腸のあたり、もも、ひざ、肩、背中、頭、耳と手かざしをしてくださいました。話は20分くらい、その後の治癒におよそ15分くらいでしょうか? 思ったより長いかな、と思いました。

「うん、大体わかった。君さ、さっき、22日に日本に飛ぶって言ったでしょ。そして6週間後にベルリンに戻って来るって。だったらさ、日本から戻ったら、すぐにもう一度ここに来て。」とハイラー。「え! それって、つまりは耳などの調子がかなり良くなるというか、治るってことでしょうか?」と聞くと、「もうここに来たってことで、すでにかなり良くなっているよ。これからどんどん良くなるんだ。だからもう一度ね、来てよね、待っているから。」と、再び手をぎゅっと握りました。玄関まで送ってくださり、その時もずっと手を握っていて、最後の挨拶の時も強く握っていたのが印象的。玄関までの間に、私は質問してみました。「あのぉ、さっき道に迷ってレストランの方にここを聞いたのですけれども、とっても有名でいらっしゃるんですね。それに、ものすごく沢山の人が治癒を求めていらして、朝から晩まで長蛇の列のこともあるとか?」ハイラーは、「ああ、そういうこともあるけれども、そうじゃない時もあるし。今日は比較的空いていて、君が来た時はほとんどいなかったでしょ。大丈夫、平日の午前中だったら、けっこう早く診られるからね。」と言いました。

たぶん、エネルギーを吹き込んでいただいたのでしょうけれども、まだ実感がありません。お風呂にも入っていいそうですし、別にアフターケアも何もないのだそう。お値段も、「払える金額でいいんだから、無理しないで。」と言っていたので、お約束通りの15ユーロをお支払いしました。「今はわからなくても、徐々にわかってくるよ。大丈夫、君は治るからさ。」
まぁ、日本に戻る前に素適な言葉をいただき、嬉しくなりました〜!!
「でもね、君! 今度は町を間違えないで来るようにね! お金がもったいないからさ(笑)。ここからベルリンに戻れるから、ほら、まっすぐ行って左に曲がって、そこから100m歩けば駅だよ。」

親切なハイラーさん、どうもありがとうございました! 庶民的なハイラーさんでした(笑)。
私のドジで、ちょっと疲れましたけれども、不思議な一日でした。なんだかいい気分です! 家に戻ったのは、もう夕方の5時。丁度夕立がざーざーと降り始めました。間一髪! 仕事部屋の窓から強く降り注ぐ雨を見ながら、このブログを書きました。今はもう止んでいます。息子は・・・今日は友だち5人もいて、大騒ぎをしていて、ドイツ語で友だちにも息子にもお小言を放ちました・・(疲労・・)。「君たち! 宿題をしてから遊びなさい! それに外に自転車を置いているから、雨でびっしょりじゃないの? みんなの大事な自転車なんじゃないの〜?」うるさい親だと思われていますね・・。

あ、このブログにどうしても写真をうまく載せられないので(笑、ごめんなさい!)、下記のブログにハイラーの家の写真などを掲載いたしました。ご興味のある方は、クリックしてみてくださいね。

本日のオーガニック・ライフ・イン・ジャーマニィは:

ハイラー

このエントリへの反応

  1. こんにちはMCSから来ましたせきぐちです。
    実は私はちょっと(かなり)人様より身体が弱く、小さな時から薬漬け状態でした。10年程前に抗生物質でアナフィラキシーを起こして、それをきっかけに食事を含め自然系の治療を色々をやっております。
    今年はクラニオ・セイクラル(頭蓋オステオパシー)という治療にはじめてチャレンジしました、それこそ良くなっているのかわからない感じだったのですが、長く見ていただいてる先生には身体の根本が強くなっていると言われちょっと嬉しくなってしまいました。
    このクラニオ・セイクラルは精神的な部分にも大きく作用する治療で、今度はヒーラーさんの治療も受けてみようかと思っていたところですが、ドイツは遠いですネ。(ご縁があれば行けると思ってます)