2006-03-05

白バラの祈り〜ゾフィー・ショル、最期の日々

ナチス批判のビラを配って
逮捕された女性の最期の5日間
白バラの祈り〜ゾフィー・ショル、最期の日々

昨年のベルリン国際映画祭で、銀熊賞(最優秀監督賞&最優秀女優賞)を受賞し、今年度のアカデミー賞でも外国語映画賞にノミネートされている映画。
この映画のことは、ポットのサイトで青木さんの「映画祭レポート」で知り、早く観たいと思っていた作品だ。たまたま時間があって、初日にシャンテシネで観たのだが、監督のマルク・ローテムントさんと白バラのメンバーとして当時ビラを配り、現在の白バラ財団名誉理事長のフランツ・ミュラーさんの舞台挨拶を見ることができた。

この映画は、ヒトラー時代の末期、ナチスを批判するビラを撒いて逮捕された21歳のゾフィー・ショルという女性の最期の日々を描いている。驚くべきことに、彼女は逮捕されてわずか5日で、ギロチンによる処刑で殺されている。ただビラを配っただけで…である。
白バラやゾフィーについての映画は、これまでドイツ国内でも何回も映画化やテレビ化されてきたということだが、舞台挨拶での監督の話によると、3年前に彼女の取り調べに関する未公開文書が存在することを知り、それを発見することで、彼女の最期の5日間を克明に再現する映画が出来たということだった。監督はまだ若く、エネルギッシュにこの映画について語っていたのがとても印象に残った。
監督はとっても情熱的な人だったが、映画はとても冷静な視点でゾフィーの最期の日々を追う。ミュンヘン大学でビラを配る息詰まるシーンから、処刑のシーンまで、ゾフィーが何を考え、どのように行動し、処刑されたのか。

ゾフィーを演じたユリア・イェンチがすばらしい。逮捕された当初は、ビラを配ったことを否定し、罪を逃れようとする。うまくやれば、処刑されずに済んだかもしれないのに、なぜ彼女は途中で自分のしたことを認め、取調官や裁判官に自分たちの主張を堂々と語ることができたのか。
彼女が、自分が見た夢を語るシーンがある。深い穴の中に落ちそうになる自分の赤ちゃんを助けるために、自分の身を犠牲にするというような内容だったと思うが、そのシーンが今も忘れられない。