2006-01-09

キングコング

夕日を眺めるシーンが秀逸!
キングコング

年末年始は、毎年、山形県米沢市で過ごす。そして、家族でお正月映画を見るのが恒例になっている。今年は、米沢も例年以上の雪、雪、雪。人の背丈よりは少し低いけど、雪の壁がそこかしこにできていた。そんな中、おおみそかにワーナー・マイカル・シネマズ米沢へ行って観たのがこの映画だ。

全編3時間8分。いや〜、長いよ!とは思ったけど、コングとヒロイン・アンの心情が実にていねいに描かれていたので、十分に映像世界を堪能できた。
なにせ私は、おなかにくる風邪を引いて、体調は絶不調。帰って熱を測ったら38度もあったのだけど、そんな体でも物語に入り込んで、それなりの感動を得られたので、映画としての出来はかなりいいと思う。あとは好みの問題だろう。

この映画で目を見張ったのは、ヒロインのアン・ダロウを演じたナオミ・ワッツだ。私の世代で「キングコング」というと、まず思い浮かぶのは、ジェシカ・ラングのちょっとエロいヒロイン像で、それに比べると、ナオミ・ワッツは地味で、影の薄い印象があった。観る前までは…。
ところが!である。観終わった後は、心やさしく、しかも、芯が強いヒロイン像が強く印象に残って、心がちょっとあったかくなる。
ボードヴィルのしがない女優だった女性が、ひょんなことから無謀な映画の冒険ロケに巻き込まれ、キングコング出会って、心を通わせて行く…。まあ、いわばあり得ない状況のありえない心の変遷なのだけど、たっぷり時間を使ってていねいに描いているので、ストンと納得してしまうのである。キングコングの心情に寄り添って観たわけではないので、ラストシーンで涙することはなかったが、コングのふるさとの島で、また、エンパイアステイトビルの上で、二人が夕日を眺めるシーンは、何とも言えない哀感と美しさに満ちていて、ずっとずっと心に残るシーンとなりそうだ。

スペクタクルシーンも、かなりの迫力で目が離せない。特殊効果は、ピーター・ジャクソン監督らが設立した「WETAデジタル&WETAワークショップ」が担当している。コングの動きはもちろん、目や仕草など細かいシーンのリアルさも見逃せない。
撮影隊がグロテスクで超きもちわるい虫の大群に襲われるシーンは、虫嫌いの身には「いらない」シーンではあったが、見方を変えれば、監督の悪趣味ぶりというか、こだわりが徹底して追求されていて、鳥肌もんではあったが面白かった。

役者陣では、あとで気がついたのだけど、「リトル・ダンサー」のあのかわいい少年ジェイミー・ベルが中途半端な青年になって出演していたのにびっくり! 印象にはとっても残るのだけど、あの可憐な少年が、こんなにも普通の青年になってしまうのね、という点では、微妙にショックだった。
アンと恋に落ちるジャック・ドリスコル役のエイドリアン・ブロディは、可もなく不可もなく。まず、かっこいいと思えないし、アンを助けにいくという状況設定に、あの容姿、きゃしゃな感じから説得力が持てなかった。
狂気がちらちら垣間見える映画監督役のジャック・ブラックは、あのいっちゃってる目がすごくいい。私は好きだ!