2008-11-29

ヘイマー&コープランド『遺伝子があなたをそうさせる』


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● ヘイマー&コープランド『遺伝子があなたをそうさせる―喫煙からダイエットまで』(草思社)

★★ ある種の教養書

本書は先端の遺伝子研究の成果を、一般の読者にわかりやすく伝えようとする啓蒙の書である。各章の冒頭には、小説仕立てのパートが置かれ、読み手は、日常の外側にある遺伝子という問題を、その物語を通じて身近に感じ、自分に置き換えて考えることができるようになっている。

著者によると、私たちの行動や思考は自らの意志によってコントロールされていると考えがちだが、実は、そこに遺伝子によって作られた気質というものが大きく関っているらしい。

序章で紹介される、別々の家庭で育てられた一卵性双生児の例で、私たちはまず虚を突かれる。もし育ちによってのみ人格が作られるものならば、異なる環境で成長した二人は、同じ遺伝子を持っているにもかかわらず相当に違う人間になっているはずである。しかし実際には、中年になってもその二人は、体格も、煙草やアルコールの好みも一致していた。またともに離婚歴があり、その妻の名前や、飼っていた犬につけた名前までも同じだった!

この衝撃的な例をきっかけに、著者は、科学的なデータを背景にして、私たちの人生への態度や嗜好、性的な傾向、体型などが何よって方向づけられているのかを明らかにしていく。その手際は、私たちの自己認識を揺さぶるに十分に足るものである。

しかしそれは決して単純な生物学的決定論として語られるわけではない。著者の主張はあくまでも、「鍵はわたしたちが生まれもったハードと、そこにつけたすソフトとの相互的な働きにある」というものだ。

私たちは自らの人生を意志によって自由に選択したいと思う反面、運命論的な言葉にも強く引かれる。血液型や星占い、性差、遺伝子…すべて同じだ。それは「私」という存在が、「私」の手には余るものであるからだろう。

遺伝子研究の意味は、もしかしたら、治療といった具体的な目的以上に、私たちの意志というものの限界を示すことで、私たちに、許しと、癒しを与えてくれることかもしれない。

*初出/デーリー東北(2002.9.10)ほか