出版流通合理化構想の検証 ISBN導入の歴史的意義

発行:ポット出版
湯浅 俊彦 著
定価:2,800円 + 税
ISBN978-4-939015-80-9(4-939015-80-7) C0000
四六判 / 200ページ /上製
[2005年10月刊行]
印刷・製本●シナノ
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内容紹介

ISBNの役割は何なのか。
1980年代に大論争を巻き起こした「ISBN」(国際標準図書番号)、および「日本図書コード」導入問題を、書誌情報・物流情報のデジタル化というその後の史的展開の前史と位置づけ、これまでほとんど報告されることのなかった、出版社・取次・書店によるさまざまな出版流通合理化の構想と「日本図書コード」導入の関係を、詳細に考察する。

目次

まえがき

●第1章 日本図書コード導入問題研究の背景と動機
1・1 日本図書コード導入問題の概要
1・1・1 日本図書コード管理委員会の発足とその構成
1・1・2 出版流通対策協議会の反対
1・1・3 日本図書コードの定義と概要
1・2 日本図書コード問題研究の不在
1・3 図書館界と出版界の視点の相違

●第2章 日本図書コード導入の経緯
2・1 日本書籍出版協会と出版情報一元化構想
2・2 国立国会図書館のはたした役割

●第3章 日本図書コード導入の意義
3・1 出版流通の円滑化
3・2 資料収集と情報公開の促進
3・3 図書館の総合目録の作成
3・4 図書・印刷カードの発注
3・5 貸出記録の作成
3・6 日本図書コード導入効果と図書館

●第4章 導入反対運動とその根拠
4・1 不透明な委員会設立背景
4・2 中小出版社への差別的取り扱い
4・3 取次支配拡大の危機と書店のコスト負担増
4・4 通商産業省による出版管理と国立国会図書館による出版統制
4・5 図書館利用者の貸出記録管理
4・6 類似する構造と繰り返される論議

●第5章 出版流通合理化への影響
5・1 日本書店組合連合会によるSA構想
5・2 書店のSA化と情報戦略
5・3 出版業界VANの構築
5・4 書籍JANコードの導入問題
5・5 EDIシステムの進展
5・6 取次のFA化と共同倉庫構想の挫折、そして出版SCMへ

●第6章 結論│書誌情報・物流情報のデジタル化前史としての日本図書コード導入問題

    あとがき

索引
索引項目
引用文献・参考文献
日本図書コード関連年表
日本図書コード関係文献年表
資料◎01 声明・本の背番号制の強行に反対する
資料◎02 問題点とは何か
資料◎03 申入書
資料◎04『日本書籍総目録』81年版に出稿を拒否します

担当から一言

出版流通の円滑化、情報公開の促進に道を開こうと導入を進める図書館界と、通商産業省による出版管理や国立国会図書館による出版統制を危惧する出版業界。その2者の齟齬、具体的な対立点にも、焦点をあてています。

著者プロフィール

湯浅 俊彦(ユアサ トシヒコ)

1955年、大阪府生まれ。
1978年、旭屋書店入社。
大阪市立大学大学院・創造都市研究科・都市情報学専攻情報メディア環境研究分野・修士課程修了。
大阪市立大学大学院・創造都市研究科・都市情報環境研究領域・博士(後期)課程在学中。
日本出版学会理事。日本マス・コミュニケーション学会会員。日本図書館研究会会員。日本図書館情報学会会員。日本ペンクラブ電子メディア委員会副委員長。
Ⅰ.著書
『書店論ノート〜本・読者・書店を考える』新文化通信社 1990年2月27日
『「言葉狩り」と出版の自由〜出版流通の現場から』明石書店 1994年5月31日
『デジタル時代の出版メディア』ポット出版 2000年8月2日
『デジタル時代の出版メディア』(電子・ドットブック版)ボイジャー 2000年10月5日(http://www.voyager.co.jp/dotbook/books/でオンライン販売)

Ⅱ.共著
『テロリズムとメディアの危機』エスエル出版会 1987.10.3(「『メディアの危機』は『表現の危機』」)
『阪神大震災と出版』日本エディタースクール出版部 1995.10.30(「『複数の現実』と出版メディア」)
『岩波講座 現代社会学 第15巻 差別と共生の社会学』岩波書店 1996.4.12(「差別的表現と『表現の自由』論」)
『出版の検証—1945〜1995 敗戦から現在まで』文化通信社 1996.12.24(「コミックの性表現問題」)
『AERA MOOK コミック学のみかた』朝日新聞社 1997.5.20 (「表現される側の視点でコミック表現を見直す」)
『現代の差別を考える・3』全国同和教育研究協議会 1997.5.23(「『言葉狩り』とマイノリティへの『逆襲』」)
『言葉は社会を変えられる—21世紀の多文化共生社会に向けて』明石書店 1997.6.30(「表現の『自由』を考える」「ガイドラインを議論する」「出版メディアに働きかける」)
『プライバシーと出版・報道の自由』青弓社 2001.2.10(「芸能マスコミと出版・販売の自由」)
『白書出版産業—データとチャートで読む日本の出版』文化通信社 2004.5.20(「書店の経営構造分析」)
『叢書現代メディアとジャーナリズム 第5巻 新聞・雑誌・出版』ミネルヴァ書房 2005.9.15(「活字文化は生き残れるか」)
Ⅲ.共編著
湯浅俊彦・武田春子編著『多文化社会と表現の自由—すすむガイドライン作り』明石書店 1997.5.31(「法規制とガイドライン」「多文化主義と表現のガイドライン」「差別的制度を支える言語」)

関連リンク

デジタル時代の出版メディア・考
[自著紹介]これは本についているISBNという番号について真面目に考えたかなり変わった本である