マヨルカ島のゲイ友達 ハッピーアーティスト群像

発行:ポット出版
ブルーシャ西村 著
定価:2,100円 + 税
ISBN978-4-939015-38-0(4-939015-38-6) C0036
四六判 / 224ページ /上製
[2001年12月刊行]
印刷・製本●大口製本印刷
書籍のご購入は右側から ⇒


内容紹介

画家、デザイナー、映画監督、料理人、スチュワード、舞台装飾師── 。
スペイン・マヨルカ島に暮らすブルーシャ西村が出会った10人のゲイたちへのインタビュー集。
カラー写真8ページ。モノクロ41ページ。

日本人女性ブルーシャ西村は、 絵画の勉強のために5年前、スペイン・マヨルカ島に渡った。
そのかたわらバーやディスコでDJをしたり、オルガンジャズを弾いたり……。
週末の夜のバーではドラッグクィーンショーがしばしば開かれていた。
ショーに出演したり、裏方で演出をするゲイの男たちと 親しくなったブルーシャ西村は、
彼らの生活のスタイルや考え方に興味とシンパシーを抱き いくつかの質問を試る。
仕事について、そして、ゲイであるということについて、 ゲイという存在について……。

「マヨルカ島のゲイ友達」は、著者ブルーシャ西村が、 スペインマヨルカ島に暮らす10人のゲイの男性にインタビューしたものをまとめたものだ。ブルーシャ西村が撮影したドラッグクィーンショーの写真や彼らの私生活の写真をふんだんに盛り込みながら、人生に対する思いを聞きだしていく。
マヨルカ島は、マジョルカともいわれスペインの国際的なリゾート地である。 スペインは長年カトリック国で、宗教的にはゲイは禁じられていた。 とくに20世紀のフランコ独裁政権の時代は 毎週教会のミサに行くことが義務づけられ、ゲイは大罪だとされていた。フランコが死んだ1975年以降になって、それまでの抑圧がはじけるように様々な文化活動が起こり、ゲイのカルチャーもようやく花開いた、という時代背景をもっている。

目次

1. Balti……………24
偶然彼の素肌に触れたとき、電流が走った。
2.Fernando Estrella……………56
僕は露出狂。脳よりも皮膚や胃で考える。
3.Toni Socies……………70
ありとあらゆることを、ちょっとずつ試すのが好きなんだ。
4.Miguel Diaz Olmo……………84
オスがメスに暴力を振るうのは、とても不自然なことだよ。
5.Rosita For Sale……………108
ロッシータは僕の中の別人。彼女になりきるのが楽しいんだ。
6.Vivian Caoba……………118
修復が私の仕事。女装するのは楽しむためさ。
7. Bionica……………136
14歳の時、家族に自分はゲイだと言った。全員が絶句した。
8.Toni Sorell……………154
いいカップルは、それぞれが精神的に独立していなくちゃ。
9.Biel Grimalt Duran……………170
僕たちは赤ちゃんのように未熟だ。宇宙から見れば野蛮人かもしれない。
10.Stephen Anthony Brown……………180
肌の色や性別以前に、私たちは魂としての存在なんだ。

あとがき マヨルカの不思議パワー……………201

前書きなど

地中海の西、バルセロナの南方海上に浮かぶバレアレス諸島。その中で一番大きな島がマヨルカ島だ。ここは国際的なリゾート地として知られ、世界各地からやってくる観光客が絶えない。
島の首都はパルマ・デ・マヨルカ。
海に面して立つ壮麗なカテドラルが、青い空に映える。

この街で私は、たくさんのゲイ・ピープルと知り合いになった。週末の夜になると、人々はバールやディスコに集まって朝まで大騒ぎを繰り広げる。
そのパーティーを盛りあげているのが、ゲイのアーティストだ。女装あり、歌あり、パフォーマンスありの強烈なライブショー。夏には泡祭りが行われ、パフォーマーも客も泡だらけになって踊り明かす。ここでは「ロコ」(狂ってる)が最大の讃辞なのだ。

著者プロフィール

ブルーシャ西村(ブルーシャニシムラ)

兵庫県宝塚市生まれ。1997年、絵画の修行のためにスペインのマヨルカ島に渡る。現地のアーティストたちと交流を深め、ブルーシャ(カタラン語で「魔法使い」)の異名をとる。絵画や銅版画を制作するかたわら、オルガンジャズ奏者、DJ、写真家としても活躍中。2002年12月に、パルマ市のギャラリーで個展を開催予定。

関連リンク

本の紹介