図書館にドン・キホーテがいた頃 1980〜90年代の図書館少数者運動

発行:ポット出版プラス
東條 文規 著
希望小売価格:2,000円 + 税 (この商品は非再販商品です)
ISBN978-4-86642-014-1 C0000
四六判 / 248ページ /上製
[2021年02月刊行]
印刷・製本●シナノ印刷株式会社
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内容紹介

戦後初めて政治の世界が図書館界に積極的に接触し、資金援助を含む図書館事業基本法(仮称)という法律の制定まで目指した「事件」。
文部省(当時)が大学図書館の合理化、近代化を図って大型コンピュータを軸に推し進めた学術情報システムとその後の成果・問題点。
図書館とメディアの本『ず・ぼん』の創刊(1994年)に至るまでの経緯と舞台裏など。
1980〜90年代半ばまでに起こった図書館界での運動の歴史を、出来るだけ当時の資料を引用する形で記録する。

目次

はじめに

第一章 図書館事業基本法問題
〈一〉早急に議員立法で
〈二〉議論の経過
〈三〉「図書館事業の振興方策について(第一次案報告)」
〈四〉昭和五六(一九八一)年度(第六七回)全国図書館大会埼玉
〈五〉なぜいまの時点で? ―国立大学図書館協議会の離脱
〈六〉『図書館雑誌』での特集
〈七〉その後の動向

第二章 図書館事業基本法に反対する会と図書館労働者交流会
〈一〉法案のどこに危惧し、反対するのか
〈二〉反対運動の激化
〈三〉『季刊としょかん批評』の発行
〈四〉「要綱案」に至る過程と図書議員連盟
〈五〉事実上、破綻したのだけれど
〈六〉「図基法状況」批判に向けて
〈七〉二〇年後の栗原証言
〈八〉その後の「反対する会」の活動は?
〈九〉図書館労働者交流会―反コンピュータ

第三章 学術情報システムとはなにか
〈一〉文部省主導の下で
〈二〉淵源は戦前から
〈三〉居丈高な田保橋彬講演
〈四〉着々と進む学術情報システム
〈五〉学術情報システムの成果

第四章 大学図書館問題研究会の学情への取り組み
〈一〉緊縮財政のなかで学情予算だけが
〈二〉田保橋彬講演に対する「怒り」
〈三〉学術情報システム論争
〈四〉論争はさらに苛烈に
〈五〉総花的な執行部提案の裏で
〈六〉「国民のための学術情報システム」推進へ
〈七〉反対派の主張―近代科学技術観の相違
〈八〉非常勤職員解雇撤回闘争の支援問題

第五章 学術情報システムを考える会の活動
〈一〉会の発足―明確に学情に否を
〈二〉図書館現場の混乱と臨職切捨て
〈三〉五年間の活動のなかで
〈四〉学情が既成事実化するなかで
〈五〉「変貌する大学」全五冊の刊行

第六章 図書館を考える会の活動
〈一〉差別問題とワープロ論争
〈二〉時論的課題から図書館史の見直しへ
〈三〉富山問題と「ちびくろサンボ」問題
〈四〉『原爆と差別』問題と日図協への抗議活動
〈五〉「反対図書館」を!

第七章 矢崎闘争と内藤闘争
〈一〉図書館員の裁判闘争
〈二〉「臨職」差別、女性差別のなかの矢崎闘争
〈三〉「結論ありき」の司法判断
〈四〉失職処分はけしからん―内藤闘争
〈五〉復職要求闘争へ
〈六〉復職闘争その後

第八章 『ず・ぼん―図書館とメディアの本』発行へ
〈一〉創刊の経緯
〈二〉楽屋裏のはなし
〈三〉とにかく二〇年、続けられた

最終章 夢と道楽のはざまで―少し長めのあとがき
〈一〉何人かのサンチョ・パンサ
〈二〉和田洋一の場合
〈三〉斎藤雷太郎の場合
〈四〉夢と道楽のはざまで

参考資料

前書きなど

本書で記したように『ず・ぼん』の創刊に至るまでに約一五年間の長い「闘争」とも呼べる運動があり、その運動の歴史は当事者とその周辺の仲間以外にはほぼ忘れられている。当時の資料も多くは手書きの会報や情宣ビラ、薄い小冊子で、そのうち雲散霧消するだろう。少なくとも図書館で飯を食ってきた以上、今のうちにその資料を使って当時の私たちの活動を少しでも書き残しておきたい。そんな思いから出来るだけ当時の資料を引用する形で本書を書いた。
(「はじめに」より一部抜粋)

著者プロフィール

東條 文規(トウジョウ フミノリ)

 1948年大阪府生まれ。1971年3月同志社大学商学部卒業。
 1975年3月同志社大学大学院経済学研究科修士課程修了。
 1975年4月より2009年3月まで四国学院大学図書館勤務。
 この間、日本図書館協会評議員、日本図書館研究会評議員、
 私立大学図書館協会協会賞審査委員歴任。『ず・ぼん』元編集委員。
 現香川県図書館学会会長。
 著書に『図書館の近代―私論・図書館はこうして大きくなった』(ポット出版、1999年)、
 『図書館の政治学』、(青弓社、2006年)、『図書館という軌跡』(ポット出版、2009年)。
 共著に『日本の植民地図書館―アジアにおける日本近代図書館史』(社会評論社、2005年)等

関連書

『図書館という軌跡』『図書館の近代』

関連リンク

図書館の近代図書館という軌跡


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