【電子書籍版】仮面ライダー青春譜 もうひとつの昭和マンガ史

発行:ポット出版
すがや みつる 著
希望小売価格:933円 + 税 (この商品は非再販商品です)
ISBN978-4-7808-5059-8 C0095
電子書籍
[2011年08月刊行]

ブックデザイン 山田信也
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●発行・バージョン
・2011年8月19日 .book(ドットブック)版 Ver.1.1

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●2011年8月に発行した紙版の『仮面ライダー青春譜─もうひとつの昭和マンガ史』はこちら

内容紹介

1960-70年代。マンガというメディア自体が「青春期」をむかえていたあの頃—。
1950年に生まれ、月刊少年マンガ誌ブーム、貸本マンガブームと、マンガとともに育ち、
上京後はアシスタント、マンガ編集者を経て、石森プロに所属。
石ノ森章太郎が「唯一の弟子」と認めたマンガ家、すがやみつるが綴る、熱い、熱い「あの頃」。
ジョージ秋山をはじめ、松本零士、本宮ひろ志、そして石ノ森章太郎など時代を代表するマンガ家たちとともに過ごした青春期。

目次

プロローグ
第一章 巨匠との遭遇
第二章 紙の街に生まれて
第三章 マンガ家への道
第四章 アシスタントと編集者と
第五章 見習い編集者の頃
第六章 アシスタントふたたび
第七章 『仮面ライダー』騒乱記
エピローグ
あとがきに代えて
『仮面ライダー青春譜』関連年表
プロフィール

前書きなど

プロローグ


「そろそろ行こうか……」
永井豪さんが、ぼくたちの顔を見ていった。
「そうだな。じゃ行くとするか」
桜多吾作さんの返事に合わせるように、ぼくたちは一斉にソファから腰をあげた。
西武池袋線桜台駅ちかくの喫茶店。そこに集まっていたのは永井豪、桜多吾作、ひおあきら、細井ゆうじ、山田ゴロ、成井紀郎、津原義明、そして、ぼく―すがやみつるの八人。全員が、石ノ森章太郎先生のアシスタント経験者か、石ノ森作品の著作権管理をしていた石森プロの出身者だった。一九九八年二月三日午後のことである。
喫茶店を出たぼくたちは、西武池袋線のガードに沿って練馬駅の方向に歩いていった。
こんな顔ぶれで集まるのは珍しいことだった。たまに会えば必ず交わされる軽口も、この日ばかりは出てこない。全員が、重い足を引きずるようにして歩いていた。
徒歩で向かった先は、桜台駅から十五分ほどのところにある石ノ森章太郎先生の自宅である。石ノ森先生は、六日前の一月二十八日、長い闘病生活の末に、お茶の水の病院で、永い眠りについていた。
先生の死去のニュースが報道されたのは、二日後の三十日になってからだった。家族だけの密葬にしてほしいという先生の遺志で、葬儀がすむまで亡くなったことが伏せられていたらしい。
せめて線香くらい手向けさせていただけないものか―元アシスタントと弟子筋のマンガ家がそろって交渉した結果、ご家族の許しが得られ、この日の訪問となったのだった。
ガードに沿った細い道を進むと、すぐにバス通りに出た。西武池袋線がまだ高架ではなかった頃、踏切があった場所だ。
踏切の脇には一軒のパチンコ店があり、二階が広い喫茶店になっていた。
喫茶店の名は「ラタン」。かつて石ノ森先生は、この喫茶店の専用席で、毎日のようにマンガのネームを入れていた。
専用席ちかくのテーブルには担当編集者がすわり、先生のネームが入るのを待っていた。ネームが一ページ入るたびに、受け取った原稿用紙にトレーシングペーパーを載せ、吹き出しのなかのセリフを写し取っていく。それが編集者の仕事だった。
踏切の北側には交番があった。『マンガ家入門』を読んだマンガ家志望者や、『サイボーグ009』『ジュン』などのファンが、石ノ森先生宅への道をたずねた交番だ。あまりにも多くの若者が道をたずねるため、石ノ森先生の側で用意した専用地図が壁につるされていたこともあった。
そんなことを思い出しながらバス通りに沿った歩道を歩き、途中で脇の路地に入る。住宅街を縫うように走る曲がりくねった細い道は、石ノ森先生の自宅までの抜け道にもなっていた。
「このあたりの景色、あまり変わってないなあ……」
住宅街の裏手に入ると永井さんが、懐かしむようにまわりの光景をながめた。
石ノ森先生が新宿区弁天町から、ここ桜台に引っ越してきたのは一九六六年のこと。永井さんは、その頃、石ノ森先生のところでチーフアシスタントをつとめていた。
ぼくが初めて石ノ森先生のお宅に伺ったときに歩いたのも、やはりこの道だった。
一緒に歩いていたのは、いまも横に並んで歩いているひおあきらだった。そう、あれは、高校一年と二年の間の春休み―一九六七年春のことだった。

担当から一言

すがやみつるというと、「コロコロコミック」(小学館)で連載されていた『ゲームセンターあらし』を連載していたマンガ家、というイメージを持つかたが多いのではないでしょうか。
本書は、「マンガ家になる!!」と中学生のときに決意し、マンガ同人誌、アシスタント、マンガ編集者、そして石森プロに所属して、マンガ家デビューするまでを描いたすがやみつる氏の自叙伝です。
「マンガを描きたい!!」という気持ちは「マンガが好きだ!!」という気持ちと重なると思います。
それはもちろんすがや氏にもあてはまり、「もうひとつの昭和マンガ史」とサブタイトルにあるように、1960〜70年代、どんなマンガか描かれていたのか。そして、マンガに何が起きていたか。時代の渦中にいたすがや氏による、希有なマンガ人の記録としても楽しめると思います。

著者プロフィール

すがや みつる(スガヤ ミツル)

漫画家、小説家。
1950年・静岡県生まれ。本名・菅谷充。
高校在学中に石ノ森章太郎が名誉会長を務めるマンガ研究会「ミュータントプロ」に参加。アシスタント、編集者を経験した後、石森プロに入り、1971年『仮面ライダー』でデビュー。1978年連載の『ゲームセンターあらし』は小中学生を中心に爆発的な人気となった。
2011年3月に早稲田大学大学院人間科学研究科修士課程を修了し、4月から早稲田大学人間科学部eスクールの教育コーチを務める。
主な漫画作品に『仮面ライダー』シリーズ、『ゲームセンターあらし』、『こんにちはマイコン』など多数あるほか、『反世界大戦─双龍の海戦』(有楽出版社)をはじめとした小説、実用書でも著書多数。


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