ポット出版

ようやく雨が降った。
雨の日は、長い散歩はおあずけ。
窓から雨をながめる姿は、ちょっと切なげ。じゃあ、少し散歩に行こうかと
玄関まで連れて行ってみると、案の定、濡れるのがイヤでテコでも動かない。
ったく！　そのわがままぶりは誰に似たんだ？

どんなにおいがするのか、鼻を土の中にいれてにおいをかぎ
猛然と掘り始めるときがある。
ほどんど収穫はなく、口のまわりを土だらけにして終わっているが
北軽井沢で、もぐらかねずみを土の中からくわえ出したことがある。
ナースのところの犬・ナッツは
最近、庭の土を掘ってみみずを食べているらしい。

鉄がきまって顔をつっこむ場所がある。
そのなかの一つがここ。

クンクン。　　　　　　　　　　　　　　　ズボッ！

ズボボッ！！　　　　　　　　　　　　　　収穫なし。残念。

先週、それとも先々週かな、雨が降ったときにカッパを着せて散歩に行った。
カッパを出したのは1年ぶり。ほとんど使用していなかった。
なぜか。着せるのが面倒なのと、
鉄が恥ずかしがって、私の後ろに隠れるようにして歩くから。
……なわけはなく、カッパのゴムが邪魔で歩きにくいからだろう。
でも、私の真後ろに来なくてもいいと思うのだけど。
この時も、私の陰に隠れるようにして雨の散歩を終了。
鉄が真後ろにいると、私も歩きにくい。やっぱり、カッパはやめよう。
それにしても、雨がない。

暑い。
午前9時代でも、もうアスファルトが熱をもっている。
手のひらでで触ると、熱い。
これじゃあ、鉄も足の裏が熱かろうと思い、
日陰を選んで歩かせてあげようとしているのに、自ら日向へ日向へ行こうとする。
その点、土はいい。お昼近くになっても、まだ人肌ぐらい。

日誌にアップする写真は、今までいちいち手作業でサイズを変更していた。
それを見ていた山ちゃんから、「自動にしたらいいんじゃないですか？」
と言われていて、私も「本当にその通りだ」と思っていたのだけど
設定をするのが面倒で、1枚ずつ手作業していた。
そっちの方がよっぽど面倒だろう？と思った方もいるでしょう。
ホント、その通り。

そこで、一番ラクな方法を考えた。
鉄事業部デザイナーの山ちゃんに
「ねえ、ねえ、自動でサイズ調整できるようにしてくれないかなあ〜」と
お願いしたのでした。なぜ最初からこの手でいかなかったのか。
やっぱりこういうことは自分でやらなくちゃなあと思いつつ
結局、人にやらせるという、この中途半端な性格。なんとかならないものか。

そんな私の性格にあきれつつも、鉄事業部デザイナーは
フォルダに画像ファイルを入れるだけで、
photoshopを立ち上げ、ピクセル数から画像の回転まで、ぜ〜んぶ自動で
仕上げてくれるようにしてくれた！　
この写真もポンとフォルダに入れて、出来上がるまで、体感で5秒くらい。
もう、めちゃくちゃラクチンです。
100枚だって200枚だって、屁のカッパ。
自動化って素晴らしい。いやいや、鉄事業部デザイナーが素晴らしい。

土日のどっちかの日は、鉄のシャンプーの日。
本当はこんなに洗いたくないのだけど、アレルギーのため仕方ない。

鉄は「シャンプーされるな」と察するとテコでも動かなくなる。
しかたないから風呂場まで強制連行。重いのを必死で抱き上げていった。
ところが最近は、「シャンプーするよ」とリードをつけると
いったん写真のように、床に寝転んで「行きたくないっす」という意志を表明したあと
しぶしぶではあるけど、風呂場まで歩いていく。
どうせ行くなら、ムダなアピールはしなくてもいいと思うのだけど
一応お約束として毎回、抵抗の姿勢を見せてくれる。

以前は、シャンプー中ずーっとヒーンヒーンと情けない声を出していたが
最近は、じっとガマンの子。一番洗われるのがイヤな顔のときだけ鼻を鳴らす。
シャンプーの間中、母は「鉄はえらいねー、がまんできるねー」とおだてまくり
シャンプーが終わったあとは、毛だらけになった風呂場をそうじし、
同じ毛だらけになったタオルを洗い、床をふき、かなり疲れる。
こんなに苦労して洗っているのに、シャンプーの次の日、ポットに出社すると
「鉄、なんか臭ーい」と言われる。
だから、こういうにおいのシャンプーなんだってば！

2.5シーターのソファを買った。
今までのは2シーターで、鉄がそこに寝そべると人間は小さくなって座っていた。
人間だってもっと伸び伸び寝そべってビデオとか見たい！
というわけで、購入のはこびとなったソファ。
すでに両方が鉄の憩いの場所となりつつある。

鉄の顔が、亡くなったおばあちゃんの顔に似てる
ということを日誌に書いたら、
ナースから
「私もアビちゃん（ネコ）がおじいちゃんに似てるなと思うときがある」
と言われた。
仕事で養老孟司さんの本を読んだら、その中に
人間は同じものを見つけようとする脳のクセがある、と書かれていた。
大昔、ある食べ物を食べておいしかったり、安全だったりしたら
また同じようなものを探すために、そんなクセがついたのだろうか？

ちなみに、この鉄の顔の中におばあちゃんの面影はない。鉄らしい顔だ。
あごを乗せているのは……、
もちろん、パンをくれくれの訴え。当然、Gぱんにはよだれ。

鉄がこういうポーズで山ちゃんの所にいるときは、
山ちゃんからこっそり、人間の食べるものをもらっていることが発覚。
山ちゃんは、母の席からは死角になる左手でおやつをあげているのでした。
なーんか山ちゃんと鉄の態度が、コソコソしてると思ってたんだ。

まっ暗な空にぼんやり白く見えるもの。
ピントを合わせると見えてくる、鉄のつむじ。

鉄は首の右と、後ろ足の付け根のあたりにつむじがある。

引いてみると、十円ぱげのようにも見える。

父が鉄カードを作った。
鉄がカードを差し出している所を撮影をしよう！と女子たちは大騒ぎ。
急遽、撮影大会になる。
誰だ？　鉄の指の間にむりやりカードを挟もうとしているのは？　無理だって！

それじゃあ、カルタとりだよ。カードに意識がいっていない！　
女子たちから、ダメ出しが飛ぶ。かわいそうなモデル犬・鉄くん。

そうだ、フセをさせよう！とグッドなアイディアが。さっそくおやつを出す。
食い物のためなら何でもやる男。まんまと女子たちに乗せられた。

わあ、いい感じ！　いい感じ！
「ポットのお出迎え犬　鉄とすずどぇーす。最近、職務怠慢だといわれます」って感じ？
ちゃんと撮れた？と母に確認したあと、さっさと仕事に戻る女子たちご一行。
……そして、残されたモデル犬・鉄くん。おつかれのご様子でした。

鉄が散歩中に食べる草は、真ん中に写っている細長い葉っぱです。
きょうも代々木公園に入るなり、すぐに食べ始めた。
犬が葉っぱを食べるのは、お腹の調子が悪い時だと言われているようだけど
鉄の場合が、腹を満たすためのような気がしてならない。

雨が降りそうだったからか、きょうのドッグランは空いていた。
チャーンス！と思い、フェンス沿いに入口に向った。中にいた犬が鉄に気付いて
シッポを降りながら近づいてきた。
鉄もフェンスに鼻をつっこんでお互いのにおいをかぎ合っていたのだが、
だんだん鉄の背中の毛が立ち始め、やっぱり吠えた。
「すみませーん」とその場を離れ、さらに入口に向うと、違う犬が同じように
近づいてきたが、今度はにおいもかかずに吠える鉄。
今回も足早にドックランをあとにするのであった。

ほかの犬のいないところで、探索を始める穴堀り鉄くん。
なにかひかれるにおいを感じたようで、土を掘るが収穫はなかったようだ。

途中で雨が降ってきたので、大きな木の下でしばらく雨宿りをしてた。
小雨になってから代々木公園を出たのだけれど、
原宿駅の竹下口の改札の前でどしゃぶりに。
鉄は自ら、切符の自動販売機の軒下に避難。一歩も動こうとしない。
自動販売機の前は、雨宿りしている人がいっぱい。
私たちの前に、
結婚式のパーティーに向う若者たちが2，3人集まってきたところで
鉄が体についたしずくを払うために、全身ブルブルブル！！
「ごめんなさーい」と謝る母。
若者たちはまったく気にしていなかったけど、
しずくと一緒に鉄の毛が飛び散っているはず。ごめんなさい。

こんなにたくさん写真を撮られているけど、
鉄はどうも写真が嫌いなようだ。
カメラを向けると、顔をそらすことが結構ある。
このときは、ソファに寝転んでいる時に
「鉄のぶさいくな顔を撮ってやる」とカメラを向けられたが
なぜかずーっとカメラ目線だった。
そんなことよりショックだったのは、
鉄と一緒に寝転んでいた母のフナのような唇と
ほうれい線がくっきりと見えること。
カメラマンの意図とは別に、
母のぶさいくさを映し出した一枚になってしまった。
（ちょっとしか写ってなくて、ホントよかった）

おしっこ中です。生け垣に無理やり頭を突っ込んでいます。
おしっこやウンチの時は、無防備なってしまうため、身を守るために
なるべく姿を隠そうとしているのだろうと思うのだけど、
それが完全に裏目に出ている。
お尻だけこんなに見えて、無防備きわまりない姿。

新聞を読む父の腿にアゴを乗せてみる。あれっ、頭上に何か発見。

おっ、アップルパイっすね。「よしよし、鉄にもおやつをあげよう」と父。

「待て」。ジーーーーーーーーー。「よし」。パクッ。
関係ないけど、腹出てるよ、とうちゃん。

夏のような日が続いている。着る服も、すでに夏バージョンだ。
鉄も夏バージョンに変え続けているようで、毛がガンガン抜ける。
それでも足りないようで、外に出ると口をあけてハアハアしている。
散歩から帰っても、体にこもった熱を出すために口をしめられない。
ご飯を待っている間も、ハアハアでこんな顔になっている。

都内最大の面積だという代々木公園のドッグラン。
まだ未体験です。
なぜならば、鉄はほかの犬に向ってよく吠える。
ドッグランなんかに入ったら、
どんな状態になるのかわからず心配で入れないのだ。
公園でほかの子どもに乱暴をはたらく子をもつ母の心境のようだ。
鉄もうちに来て1年くらいは、散歩中どんな犬に出会っても全く吠えなかった。
それがいつの間にか、どんな犬に出会っても吠えるようになった。
そして最近は、3割くらいの犬には吠えなくなった。
そこで、いきなりドッグランの中に入れるのではなく、
まずは見学して様子をみることにした。

日曜日のお昼前。いました、いました、たくさんの犬が。
柵のこっち側で、楽しそうに走っている犬たちを見る
心配性な母と友達をつくるのが苦手な犬。
ちんまりお座りをして、犬たちを見ている鉄に
「楽しそうだね。入ってみようか」と言ってみる。
鉄の背中の毛がすこーし立ち始める。
怖がっているのか、怒っているのか、よくわかないけど、いいさ、いいさ。
将来、犬社会に入っていくわけでもなし、
ドッグランで遊べなくても、いっこうに構いましぇん。
……でも、ためしにまた来てみようね。

代々木公園の池の前で、コーヒーを飲んで一服していたら
2羽の水鳥（カモ？）を発見した、ハンター鉄。
つかまえたくてたまらず、全身ウズウズ。
それまでのダラーッとした体の状態が一変。緊張感が漂ってくる。

いきなりバシャバシャと池に突入。
普段は、水たまりをよけて歩き、雨が降ると濡れるのがいやで
軒下をぬうように歩くくせに、何なんだ！
リードを離したら、全身ずぶぬれになって必死でカモを追うに違いない。
見てみたい！　リードを離したい誘惑にかられるけれど
社会人として、それはできないよなあ。

「あきらめなさい」とリードをひっぱって
コーヒーを飲んでいたベンチまで戻っても、おすわり状態でカモから目を離さない。
一部始終を見ていたらしい周辺のベンチに座っていた人たちから
「捕りたいんだねー」と笑い声が聞こえ、チラッとそっちを見たハンター鉄。
ちょっと恥ずかしかったな。

誕生日といっても鉄のではなく、母の誕生日祝いです。
スタッフの誕生日の月には、社長がポケットマネーでケーキを買ってくれる。
最近は、表参道の交差点近くにある、あのお店のタルトが定番。
ああ、あのお店の名前が出てこない……。
フルーツのいっぱいのったタルトが人気の、静岡に本店があるというあのお店……。
果物もおいしいし、タルトの生地の甘さもちょうど良く
たいへんおいしくいただきました。
鉄も、タルトのかけらをほんのちょびっとだけご相伴。
あまりに少量すぎて、味はわからんだろう。