2005-05-31

欧州憲法、否決の背景。

欧州憲法の国民開票が行われた夜、極右政党『国民戦線』の事務所と新極右政党『フランスのための運動』を取材してきました。国民戦線の集会にはちょくちょく取材にいっているので、広報担当の女性に顔も名前も覚えられていました。警備係のごついオッサンにも覚えられていました。

ルペン党首とドヴィリエ党首の演説は22時30分・開始とのこと。どちらを聞くか悩んだのですが、ドヴィリエ陣営に行くことにしました。この選択は正解だったと思います。

欧州憲法が否決されたことで、もっとも得をしたのは極右勢力です。最近、ずっと低迷気味だったのですが、今回の騒動で一気に元気になりまして、党勢拡大に寄与しています。

ドヴィリエ氏もルペン氏もシラク大統領に辞職を迫っていました。国民議会議員の90%は賛成派なわけですから、何も国民投票にかけず国会の議決によって批准を承認していたら、すんなりとコトは運んだわけです。国民投票にかけたのは、批准を勝ち取ることによって、2007年大統領選挙で三選する弾みにしたいというシラク大統領の思惑があったからです。辞任論にも一理あります。

緑の党、社会党は真っ二つに分裂し、推進役のシラク与党も打撃を被っています。

このエントリへの反応

  1. シラクさんは、今回の結果が分かっていて国民投票にかけたのではないですか?