2006-11-12

フランスに学ぶ「多様な性&家族&ライフスタイル」

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 11月11日の「これからのパートナーシップ」というシンポジウムは、少数とはいえ政党要件を満たした政党の党首が参加した点で、画期的だったといえる。
 フランスのLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランス)運動の最先端を行く人々に話を聞いてきたが、同性カップルの結婚合法化になぜ賛成するかと問えば、「それが共和国の理念の一つの『平等』だからです」という答えが返ってきた。愛する二人がたまたま同性であったならば結婚できないというのは共和国の理念に反する。そう多くの人が主張した。

拙著『ゲイ@パリ 現代フランス同性愛事情』(長崎出版)の第2部で2番目に登場していただいたのは、社会党と協調する同性愛者の市民団体『同性愛と社会主義』アレクサンドル=カレル・代表である。「社会主義は同性愛者の人権を守る」というタイトルのインタビューは次のような構成となっている。

1 『同性愛と社会主義』
2 シラク大統領は同性愛者を裏切った。
3 社会党が同性愛者の権利向上に貢献した
4 同性カップルの養子縁組に賛成する理由
5 地方では同性愛差別が根強い
6 映画『ブロークバック・マウンテン』
7 社会主義と同性愛は水と油だと思ってきた

 カレルさんは共和制においてはすべての人にあらゆる「制度」にアクセスする権利が与えられている、同性カップルが「結婚」制度にアクセスする権利も当然、認めなければならないと述べた。
 同性カップルの結婚合法化は単純な話でなく、「平等」という一言で解決できる問題だとカレルさんは示唆する。