2006-10-25

【自著を語る】欧州の未来が見える


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 大国・フランスがいま大きく変わろうとしている。フランス・モデルや古いフランスからの脱却が巷では叫ばれている。フランスはヨーロッパの頭脳と心臓と言っても過言ではない。第二次大戦後にナチスの悪夢から解放されて以来、フランスは欧州統合を先頭に立ち牽引してきた。フランスなくしていまの欧州連合 (EU)はなかった。フランスなくして欧州の未来もない。
 
 つまり、フランスが変わるということは、欧州が変わるということなのだ。フランスの変化が分かれば、欧州の行き先を知ることができる。筆者は『沸騰するフランス 暴動・極右・学生デモ・ジダンの頭突き』(花伝社)という本を10月27日に上梓する。 
 
 フランスは沸騰している。2005年5月29日に行われた欧州憲法批准をめぐる国民投票は、投票率79%、反対票54%と推進派にとっては大差のついた負けだった。それは、欧州では1年前は誰しも予想しなかった結果であった。国民運動連合、フランス民主連合といった与党はもとより、最大野党の社会党や緑の党まで批准に賛成していた中での否決だった。既存の政治に対する不信を国民投票でフランス人が爆発させたと言える。 
 
 ちょうど昨年の秋ごろ、フランス全土で起きた移民2・3世を中心とした暴動もフランスの沸騰を表している。 
 
 今年春に政府が推進したCPE(初期雇用契約)の導入をめぐってはゼネストが2度実施されたほか、学生たちの激しい抵抗に遭い、一度は成立した法律でありながら撤回に追いやられた。 
 
 そして、ワールドカップ決勝戦ではジダンの頭突きが飛び出した。それはフランス社会の怒りを象徴するような頭突きだった。 
 
 拙著では、いまフランスで何が起きているのかを克明に記述した。本書は2つの手法から構成されている。 
 
 1つ目は筆者によるレポートである。筆者が全力を傾注して取材し、フランスの実態をありのまま書いた。2つ目は筆者による要人へのインタビューである。登場するのは、欧州を代表する知識・実力・名声を兼ね揃えた大物たちだ。2002年に欧州を震撼させた極右の親玉ルペン、欧州憲法をつぶす原動力となったドヴィリエ子爵、国際連合に大きな影響力を持つ人権NGOを率いるダニエル・ミッテラン前大統領夫人、ヨーロッパ環境派のカリスマ的指導者、ダニエル・コーンベンディットにインタビューした。 
 
 この本を理解するための基礎知識はいらない。ヨーロッパやフランスを知る上で必要な基本用語は本書の中で解説をつけてある。ただ、ページをめくれば、フランスとヨーロッパ、そして世界の「現在」が見えてくる。 

詳しい内容はこちらに出ています。