2005-03-09

街娼デモ @ Paris 

フランスはデモがお盛んな国です。最近では高校修了試験(BAC)改革案に反対して、フランス全土の高校生がデモを繰り返しています。日本ではデモやストが起きたとしても、政治に対する影響は皆無に近いですが、フランスでは時に大臣の進退問題に関わる場合もあります。

さて、3月6日に、街娼によるデモがパリ市内で行われました。事前に情報をキャッチしていれば、取材に駆けつけたのですが、事後に新聞を通してその集会について知りました。オペラ座の怪人がつけるような白い仮面を街娼は身につけ、街娼を取り締まる、いわゆる「サルコジー法」反対をアピールしました。

サルコジー氏というのは、次期大統領と目されている人物で、フランス国民からの人気が高い。内相時代には、治安回復のため街娼の排除を指揮し、「サルコジー法」を成立させました。

サルコジー氏のやり方に対しては、性的少数者の間では反発も強いようです。先日、Camille Cabralさんの事務所に訪れた折、そこで働くトランスジェンダーの女性たちはそろって、サルコジー氏への警戒を口にしていました。Cabralさんへのインタビューでも、時間の多くをサルコジー法と街娼という問題に、さきました。わたし自身、サルコジー氏をどうも好きになれません。

パリ市長になる以前、上院議員だったドラノエさんがテレビで自らがゲイであることをカミング・アウトしたわけですが、それを公然と非難したのがサルコジー氏でした。曰く、
「自分も、異性愛性をいちいち、宣言しないといけないのか」と。
そして、ドラノエさんの告白があたかも売名行為であるかのように、批判しました。

サルコジー氏が大統領になりましたら、エロ文化に寛容なフランスにおいても、「治安」「安全」に名をかりた”エロとの闘い” ”対エロ戦争” “性のマッカーシズム” とでも呼ぶべき事態が進むかもしれません。