2005-09-07

愛人とガン

シラク大統領が病気治療・療養のため入院している。病気に関していろいろ憶測が飛び交っている。これにはワケがある。

フランソワ・ミッテラン前大統領(*1)に愛人と隠し子がいたことはフランスでは誰もが知っていることだ。大統領就任から14年の間、その事実を明らかにしなかったが、そのことはさして問題にはならなかった。しかし、就任後一年もしないうちにガンが発見されたにもかかわらず、それを公表せず、ニセの診断書でもって健康だと言い続けたことにたいしては、厳しい批判が加えられた。愛人がいることなどはプライベートな問題であり公務と関係はないが、健康は公務に密接に関わってくる。大統領であれば後者の情報については公表されるべきというわけだ。ミッテランが14年間、病気に関して国民を欺き続けたことから、シラク大統領の健康についても疑問が呈される。

ミッテランに隠し子がいたことからシラク大統領にも隠し子がいるのでは……という根強い噂がある、それも我が国・日本にいる、という。たしか『Liberation』紙だったかに、シラク氏の側近だか友人のコメントとして、「前任者(つまりミッテラン)に隠し子がいたからといって、なぜシラク氏にも隠し子がいなければならないのか」というコメントがのっており、私は笑った。

ところで、日本では政治家のガンと愛人、どちらが問題視されるであろうか。

*1;ミッテランについては当ブログの『ミッテランの最晩年を描いた映画 』や『ミッテランの最晩年と愛人 』でも触れた。参照されたし。