2009-09-24

ドミニク=ド=ヴィルパン前首相の悲劇

イラク戦争の開戦にフランス共和国外務相として反対して、国際連合や国際連合安全保障理事会などで活躍して、
「フランスの貴公子」として脚光を浴びたドミニク=ド=ヴィルパン前首相&元外務相はニコラ=サルコジ現大統領を
内務相時代に職権を濫用して失脚を謀ったことが主な理由で、刑事被告人の身にある。
わたしは事件当初から「ドヴィルパン冤罪説」「国策捜査説」を旗手鮮明に打ち出している。

歴史家・詩人としても評価されている教養と智性の貴公子・ド=ヴィルパンが不遇の身にあることには
心より同情を禁じ得ない。日本国が亡命先として名乗りをあげ、「外交顧問」に就いてもらっては
どうか……とふと夢想する。

ドミニク=ド=ヴィルパン首相が誕生したとき、当時肩書きのなかった
コリン=パウエル元国務大臣から

「真の友人であり、畏敬するドミニクが首相に就いたことを心から祝福いたします。おめでとう、ドミニク。」

という趣旨の祝電が届き、イラク戦争で二人が烈しくやりことを知っていたので、わたしは
正直、驚いた。ヴィルパン元首相を日本でも応援していけないか、在日フランス人の仲間と
相談している。

このエントリへの反応

  1. きょうは、及川さんの記事を10ぐらいも読んだでしょうか?まず、面白い!そうして、貴重、と思いました。ヨーロッパの事情は日本ではおよそ報道されませんから…。
    私は、かねてより、今も、ドミニク=ド=ヴィルパンの熱烈なファンです。稀なる、知性と行動の人です。
    私も、ド=ヴィルパンの失脚は、サルコジの陰謀・報復と考えています。きっと、彼なら、再帰するでしょう。彼は、フランス一国内よりも、国際政治の舞台で大活躍することになると、期待しています。
    私は、15年前に一度、そうして10年前に二度目の訪仏をしてからご無沙汰していますが、ニュース、映画で見ると、めまぐるしい変貌を察しますが、事件以外のニュースにはお目にかかることがなく、残念無念です。
    及川さんは、フランス語堪能?のようですから、是非ともJANJANのほうへ、リアルタイムのフランス事情を執筆していただきたいと切望します。
    この10年ほど、イタリア、ドイツには長期滞在する機会がありますが、あちらでも、フランスの報道はつまびらかにはなされませんでした。国境線、「国民・国家」の境界線はバッチリありますね。
    「市民メディア」では、大手新聞社とは違って、政治から分け入っての、路地裏のルポに付加価値があると、私は独善的に考えています。ことに、日本は、いまだ「村社会」ですから、外国の文化に触れる「カルチュラル・スタディーズ」の機会が乏しいことは残念です。
    近く、JANJANの記事欄にてお目にかかれることを楽しみにしています。