2007-05-18

社会党との共闘破綻で仏緑の党窮地へ フランス下院議員選

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日刊ベリタ』に【社会党との共闘破綻で仏緑の党窮地へ フランス下院議員選】というタイトルの記事を執筆しましたので転載します。

【リード】
 6月10日、17日に行われるフランス下院議員選挙(定員577人)に向けて、各党の動きが活発になっている中、フランス緑の党がが危機に追い込まれている。野党第1党・社会党と緑の党は選挙協力交渉をしたが決裂、単独で選挙に臨むことになった。下院の選挙制度は小選挙区制で小政党には不利なため、社会党の支援なしには緑の党は惨敗する恐れがある。 

 
【本文】
 「緑の党」の下院での現有議席はわずかに3議席。しかし、同党はフランス全土に強固な組織を持ち、1999年の欧州議会議員選挙(比例代表制)では上位4位の得票数の171万5450票(9.72%)を獲得した。2002年の大統領選挙ではノエル=マメール「緑の党」候補が149万5724(5.25%)を獲得し、善戦した。 
 
 6月の下院選は与党優勢とされ、社会党は緑の党との共闘が必要だと判断した。社会党は約14の選挙区で党公認候補を立てずに緑の党候補を支援することを条件に、全国で緑の党が社会党の候補に協力するように要請した。緑の党のセシル=デュフロ党首は「提示された14の選挙区では少なすぎる。もっと多くの選挙区で『緑の党』は候補者を擁立したい」と述べた。提案を拒否された社会党は共闘を断念した。 
 
 社会党が強気に出ている背景には、今春の大統領選挙でドミニク=ヴォワイネ緑の党候補の得票が57万6666票(1.57%)にとどまったことがある。ヴォワイネ氏は「社会党は緑の党を過小評価しすぎ」と反論、譲歩を迫った。しかし、社会党は譲らず交渉は決裂し、両党の共闘は破綻した。 
 
 社会党の交渉担当者だったブルノー=ルー=ルー氏は「緑の党がわが党と協力すれば、議席が倍増することは確実なのに……」と判断ミスを指摘。これに対し、デュフロ緑の党首は「社会党はわが党をパートナーとしてみず、『わがままな子ども』程度に考えている」と社会党を批判した。 
 
 このような情勢を受け、ゼネラル・ストライキにまで発展した1968年のフランス版全共闘「パリ五月革命」の学生リーダーで、現在、欧州議会議員を務め、同議会会派「欧州緑の党」の代表を務めるダニエル=コーン=ベンディット氏は15日、「社会民主主義者や中道主義者、エコロジストが結集する連合の建設が必要だ。急進的思考と急進的態度を混同してはいけない」と緑の党に柔軟な対応を求める声明を発表した。 
 
 同氏は、先日のフランス大統領選第1回投票で682万0914票(18.57%)を獲得し3位に就け善戦したフランソワ=バイルが結成した中道新党「民主運動」や社会党と、緑の党は共闘すべきで、両党の接着剤に緑の党がなるべきだと主張。ニコラ=サルコジ新大統領与党に勝つには、野党に党利党略を超えたしたたかさを求めた。

写真脚注:フランス緑の党に柔軟な対応を求めるコーン=ベンディット「緑の党」欧州議会議員(及川健二・撮影)。