2007-05-31

大荒れ模様の参院選東京選挙区~丸川珠代、黒川紀章参戦ほか

インターネット新聞・JANJAN』に【 大荒れ模様の参院選東京選挙区~丸川珠代、黒川紀章参戦ほか】という記事を書いたので転載します。

【本文】
 参院選の投票日まで2ヶ月をきり、各党の攻防が激しくなってきている。中でも注目されるのは、改選定数4名から5名に増えた東京選挙区だ。現職議員は自民党の保坂三蔵・参院議員や、民主党の鈴木寛・参院議員、公明党の山口那津男・参院議員、日本共産党の緒方康夫・参院議員の4氏だ。

 共産党は新人の田村智子氏の擁立を決め、議席死守に懸命だ。そんな中で、新人候補の立候補表明が相次いでいる。元テレビ朝日アナウンサーの丸川珠代さん(36)が22日、東京の自民党本部で記者会見し、今夏の参院選東京選挙区に自民党から出馬することを正式表明した。

 丸川氏は会見で「今、安倍政権は100年先に続く日本人の価値観を問い掛けている。この大事なタイミングで自分の熱い思いを届けるなら、政権与党の真ん中に入っていくしかないと思った」と述べ、与党入りすることで自分の持ち味が発揮できると強調した。

 丸川氏は「(アナウンサーとして)他人の話をたくさん聞き、神髄をとらえて伝える仕事に打ち込んできた。わたしの得た能力は政治の場所で一番生かせると思った」と出馬の動機を語る。

 「共生新党」党首の黒川紀章氏も参院選東京選挙区から出馬すると宣言した。同氏は「共生新党」を率いて比例区から出馬予定だったが、くら替えした。黒川氏はサンケイ・スポーツの取材に対して、「比例ではボクの魅力を発揮できない」「基本的には都知事選のように戦う。それが最も勝つ確率が高い」と独自の選挙戦略を披露した。

 同氏によれば比例区にも「共生新党」は候補を立てる予定で、「あれ(都知事選)からほぼ毎日、参院選に向け、各党の大物幹部や、国内外の著名なジャーナリストなどと打ち合わせをしてきた。誰と会っていたかは秘密だよ」と述べ、比例区に「10人ほど出す。現在調整中で人物名は言えない」と具体的言及は避けた。

 同選挙区にはA級戦犯の東條英機元首相の孫、東条由布子さんが15日に都庁で記者会見を開き、出馬を表明した。東條氏は「今の風潮では、日本は諸外国に迷惑をかけた悪い国というイメージを子どもたちが持ってしまう」と語った。東京裁判史観の見直しや、戦没者の遺骨収集の推進などを訴え、高齢者福祉の充実にも力を入れると述べた。

 他には東京選挙区には2議席目の獲得を狙う民主党の新人で地域政党「東京・生活者ネットワーク」代表を務めた大河原雅子・元都議や、薬害HIV訴訟の元原告・川田龍平さんが無所属で立候補する。

 ある政治アナリストは次のように語る。
 「東條氏と黒川紀章氏、国民新党の候補には保守支持者から票が流れ、自民党の票を多く食うでしょう。自民党は2議席獲得を目指すが、風でも吹かない限り、情勢は厳しい。今回の選挙では、無党派層の争奪戦になるでしょう。民主党は無党派層の大部分を固めて2議席確保へとつなげたい。自民党は丸川さんの知名度で無党派の取り込みを狙う。川田さんは『無党派』であることをウリに既成政党に不平・不満を持つ無党派層への浸透を目指す。組織票が万全な公明党の現職以外、誰が当選するかフタを空けてみないと分からないのが正直なところです」