2006-11-17

保守の立場から同性愛者の権利を守る

_12_0144.jpg

拙著『ゲイ@パリ 現代フランス同性愛事情』(長崎出版)の第2部で5番目に御登場いただいたのが、『ゲイ・リブ』(Gay Lib)代表のステファン=ダセ氏である。タイトルは「保守の立場から同性愛者の権利を守る」で、次のような構成になっている。

1 ゲイ・リブは国民運動連合(UMP)と友好関係にある
2 国民運動連合は大きな進歩を実現させた
3 保守の立場から同性カップルの養子縁組・同性婚に賛成する
4 社会党はゲイを被害者化している
5 保守政治家が同性愛者から嫌われる理由
6 ゲイ・リブがゲイ・パレードをボイコットした理由
7 幸せなゲイの話があってもいい

国民議会(下院)で577議席中363議席(63%)をほこる政権党・国民運動連合(UMP)系列の団体がゲイ・リブだ。ゲイ・リブは家族の価値を尊重し、保守的な同性愛者たちが集まっている。しかし、「同性カップルの養子縁組」「同性婚の結婚合法化」を政策として掲げている。議員一人一人に接触し、保守系の彼らが賛成するように説得工作を続け、ニコラ=サルコジ国民運動連合・党首やラファラン前首相らと定期的に意見交換している。
日本でいえば、ゲイ・リブは自由民主党系列の同性愛者の団体である。そして、サルコジ氏と頻繁にやりとりするということは、安部晋三・首相とよく会見するようなものだ。
国民運動連合の中には同性愛憎しで凝り固まっている人もいれば、同性カップルの結婚合法化に積極的に賛成する議員もいる。同党は幅広い。

このエントリへの反応

  1. アメリカ共和党の”Log Cabin Republicans”みたいなもんですかね。2008年の大統領選に名乗りをあげたGiuliani元NY市長は、少なくともゲイに敵意はもっていませんし、今回の中間選挙の結果から考えて、ごりごりのanti-LGBT候補が出てくる可能性は低くなったと思います。

    それと、Segoさん、社会党の大統領候補に選ばれたそうですね。ぜひ本選で当選してもらいたいものです。