2006-12-25

仏の極右政党が共闘 ルペン氏を大統領選で支持

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『日刊ベリタ』で「仏の極右政党が共闘 ルペン氏を大統領選で支持」という記事を書きましたので転載します。

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 フランスの極右政党「国民戦線」党首のジャンマリー=ルペン欧州議会議員(78)と国民戦線を脱退してつくられた極右政党「共和国運動」のブルノー=メグレ党首(57)が12月20日、パリ郊外にあるルペン氏の邸宅で会談した。メグレ氏は国民戦線のかつてのナンバー2で、ルペン党首から党内権力を奪取しようと試みたが失敗し、99年1月に党員の約半数を引き連れて脱党した。ルペン氏の長女がメグレ氏を支持するなどルペン家も分裂し、当時は「マフィアまがいの抗争」とメディアから揶揄された。
 
 会談後、犬猿の仲だった2人は仲良く記者会見に臨み、それまで大統領選挙に出馬する意向だったメグレ氏が2007年のフランス大統領選挙でルペン氏を支持することを表明し、自らの出馬辞退を宣言した。メグレ氏は2002年の大統領選挙で2・34%の票を獲得している。 
 
 12月22、23日、フランスの有権者798人を対象に世論調査機関CSAが行った調査によれば、大統領選挙でルペン氏に投票すると答えた有権者は16%で、社会党のセゴレーヌ・ロワイヤル候補(31%)、ニコラ・サルコジ内相(30%)に次いで3位につけた。 
 
 高齢で衰えが目立つルペン氏だがフランス人の支持は高まる一方で、雑誌「共和国」は「2006年はルペンの年だった」と題する記事を掲載した。メグレ氏が支持を表明したことでルペン人気に拍車がかかりそうだ。 
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なお、拙著『沸騰するフランス 暴動・極右・学生デモ・ジダンの頭突き』(花伝社)でルペン党首に対する独占インタビューが掲載されていますので、御興味ある方は御覧ください。

*:写真中央がルペン党首。及川健二が撮影。