2007-05-29

【フランス下院選】同性愛者公言の議員誕生の可能性も

日刊ベリタ』に【同性愛者公言の議員誕生の可能性も】というタイトルの記事を執筆しましたので転載します。

【リード】
 6月10日、17日に行われるフランスの下院議会議員選挙に同性愛者であることを公言している男性が2人、トランスジェンダーの女性が1人、立候補している。
 
 パリ郊外のイヴリヌ県ポワシー市から出馬するのは、パリを含むイルドゥフランス地方圏議会議員を務めるエディー=エイ氏だ。エイ氏は「左翼急進党」に所属し、同党と「社会党」、左派政党「共和国市民運動」による共同候補として選挙に臨む。エイ氏は自身が男性同性愛者であることを公言している。 
 
 フランス南西部のジロンド県の選挙区から新党「民主運動」公認で出馬するのは、バルザック市長のフィリップ=メイナル氏だ。メイナル氏は18歳だった1989年に史上最年少でバルザック市議に当選し、3期市議を務めた後で、2004年12月にバルザック市長に初当選し、市長を務めている。新党の「民主運動」フランソワ=バイル党首の熱烈なシンパである。メイナル氏は自らが同性愛者であることを公表している。 
 
 メイナル氏かエイ氏が当選した場合、フランスで初めて同性愛者であることを公言した下院議員の誕生になる。 
 
 一方、パリ西郊外のオーヌドゥセーヌ県の選挙区から「フランス共産党」公認で出馬するのは、トランスジェンダーの女性活動家、カミーユ=バレさんだ。バレさんは男性として生まれたが、精神的な性と生物学的性が一致しない性同一性障害を抱え、1998年に女性になるための性転換手術を受けた。 
 
 同じくトランスジェンダーの女性モニカさんとの結婚を2005年、市庁舎に届け出たが、「同性同士の結婚は認められない」との理由から結婚は拒否された。トランスジェンダーの権利拡大を訴える「闘士」としてメディアで頻繁に登場し、知名度は抜群だ。 
 
 しかし、各社の世論調査の結果を見ると、地元で長く活動してきたメイナル氏とエイ氏は当落線上にあるが、バレさんの選挙区には下院議長で与党「国民運動連合」公認のパトリック=オリエ氏が立候補しており、強固な組織を持つ同氏の優勢は揺るがず、バレさんは苦戦している。 

このエントリへの反応

  1. パキスタンでも、トランスジェンダー(FTM)の性別変更が認められず、女性との結婚が「同性婚」とみなされて拒否されたという事例があったそうです。こちらは法廷侮辱罪で投獄されたそうですが…

    http://news.bbc.co.uk/2/hi/south_asia/6697527.stm