2006-11-06

『沸騰するフランス』の魅力を語る①

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先週上梓した拙著『沸騰するフランス 暴動・極右・学生デモ・ジダンの頭突き』(花伝社)は2つの手法から構成されている。
 1つ目はルポルタージュである。私が全力を傾注して取材し、フランスの実態をありのまま書いた。2つ目は要人へのインタビューである。 登場するのは、欧州を代表する知識・実力・名声を兼ね揃えた大物たちだ。
 第一回目の投票で多く票を得た第1位、2位が決戦投票へ進める大統領選挙で2002年、極右の親玉・ジャンマリー=ルペン『国民戦線』党首は2位につけ決選投票に進出、とんだばんくるわせと極右の台頭に欧州は震撼させられた。欧米メディアでは大物ヒール役であるルペン党首の大邸宅で私は2時間、ガチンコでインタビューした。本書の1章では、「極右=国民戦線」と題して、国民戦線に密着した私の突撃ルポルタージュが載っている。2章ではルペン氏のインタビューが載っている。第3章ではサッカー選手で世界的英雄・ジネディーヌ=ジダンがFIFAワールドカップ2006決勝戦で見せた怒りの頭突きについて論じた。
 第4章では、2005年5月29日に国民投票で否決された欧州憲法の投票日までの賛成派・反対派の白熱した攻防を丹念に描いた。否決が欧州に与えた影響について論じ、なぜフランス国民は「ノン」をつきつけたのか……その眞相に迫った。第5章では欧州憲法をつぶす原動力となった地方貴族出身のカリスマ政治家・フィリップ=ドヴィリエ子爵にインタビューした。ドヴィリエ子爵は「フランス人の運命をブリュッセルの官僚に委ねるわけにはいかない」と熱く語った。
 第6章では保守派の中で次期大統領になる可能性が最も高い男・ニコラ=サルコジ内務大臣の思想・人格・人気の背景に迫った。フランスでもあまり報道されることのない氏の醜悪な下半身スキャンダルについても書いたので、ゴシップ好きの人には楽しんでいただけるであろう。第7章では左派の中で次期大統領と目されている「フランス1セクシーな」女性政治家・セゴレーヌ=ロワイヤルさんを紹介した。私は彼女に直接会い、インタビューしている。ドイツで女性の首相が誕生し、ロワイヤルさんも応援しに現地入りした女性候補がチリで大統領になった。2007年に大統領選挙がフランスで行われる。ロワイヤルさんが勝ってフランス初の女性大統領になれば、翌年の米国大統領選挙で同じ女性のヒラリー=クリントンへの追い風になるだろう。

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