2011-11-11

「“萬画(マンガ)”〜石ノ森章太郎の世界〜」に行ってきました【追記あり】

※石ノ森章太郎のアニメ作品の上映時間について追記しました。

2011年11月4日、兵庫県宝塚市、宝塚大劇場のすぐそばにある手塚治虫記念館に行ってきました。

目的は「“萬画(マンガ)”〜石ノ森章太郎の世界〜」と題した企画展です。2012年2月20日まで開催されているこの企画展ではマンガの王様・石ノ森章太郎の代表作の直筆原稿や、マンガ界の神様・手塚治虫とのゆかりの作品などが展示されており、まさに二大巨頭の揃い踏み。見逃す手はありません。


二階の企画展の入口には大きく「萬画」の文字が掲げられていました。「萬画」とは、石ノ森章太郎の造語で「森羅万象を表現できる」「老若男女、万人の嗜好に合うメディアである」「一から萬の駒による表現である」などの想いが込められています。1989年の手塚治虫の逝去後、“M・A”宣言として石ノ森が宣言しました。


企画展の入口。石ノ森章太郎の写真と、1954年に「漫画少年」に連載されたデビュー作「二級天使」。そして…
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ガラスケースの中には「墨汁一滴」の実物が!
「墨汁一滴」は石ノ森章太郎が友人たちと作成・回覧していた“肉筆”同人誌(つまりこの一冊しかない)です。参加者は赤塚不二夫や長谷邦夫といったメンバーで、まさに伝説の同人誌。この「墨汁一滴」は手塚治虫の元にも回覧されていました。

展示は互いをマンガや文章で描いた「石ノ森章太郎から見た手塚治虫」「手塚治虫から見た石ノ森章太郎」へと続き、さらには「仮面ライダー BLACKジャック」まで。……これはまさかの顔合わせ。ぜひ手塚治虫記念館で実物を見てみてください。

そして。

手塚治虫が亡くなった年に石ノ森章太郎が発表した「風のように…」という作品が全ページ、パネルで展示されていました。この作品は石ノ森と手塚治虫との出会いから、「COM」で連載を開始した「ジュン」をめぐる人間・手塚治虫のエピソードまでを描いた、手塚治虫と石ノ森章太郎の関係を知る上で欠かせないものです。

この「風のように…」は『ジュン0』に収録!

さて、雰囲気変わって、石ノ森章太郎の全集500冊がずらっと並べられたコーナーでは、「1人の著者が描いたコミックの出版作品数が世界で最も多い」としてギネスに認定された石ノ森章太郎の作品群を一望できます。大きなパネルと、ギネスから贈られたジャケットの実物などがありました。


壮観です。


数ある作品の中から「代表作」と呼べるものは、単独で生原稿が展示されています。「龍神沼」や「HOTEL」、「サイボーグ009」、そして「ジュン」。これまでに読んだり、テレビで見たことがあるのではないでしょうか。


「HOTEL」。ドラマ見てました。「姉さん、事件です…」


「サイボーグ009」。ペンや鉛筆の跡も見えます。004(銀髪のキノコ頭)が一番好きでした。


「章太郎のファンタジーワールド ジュン」。詩を表現したという色鮮やかな直筆原稿で、空想世界へ…。 

展示の最後には、石ノ森萬画館についてのパネルがありました。

石ノ森萬画館は宮城県石巻市にあり、先日の東北・関東大震災で大きな被害を受けました。幸いにもスタッフの方々は全員無事で、現在は再開へ向けた作業が続けられています。こちらに置かれた黒いポストにメッセージカードを入れると、石ノ森萬画館の方へ届けることができます。

展示を抜けると、手塚治虫記念館のミュージアムショップがありました。

正面には鉄腕アトム×サイボーグ009のコラボTシャツなど、手塚&石ノ森ゆかりの作品がずらり。

『ジュン』シリーズも揃っています。
・『ジュン0─石ノ森章太郎とジュン』(発売中)
・『ジュン1─章太郎のファンタジーワールド ジュン』(発売中)
・『ジュン2─魔法世界のジュン〔アパッチ版〕』(発売中)
・『ジュン3─魔法世界のジュン〔リリカ版〕』(発売中)
・『ジュン4─石ノ森章太郎のFANTASY JUN』(11月25日発売予定)

手塚治虫記念館はご紹介した企画展だけでなく、常設展も充実していて、「鉄腕アトム」や「ジャングル大帝」から実験作品まで、手塚治虫全アニメ作品が見れるデータベースなど、何時間でも楽しめる、マンガ好きには夢の様な空間でした。
1階の映像コーナーでは、期間中、通常は石ノ森萬画館でしか上映していないアニメ「龍神沼」「消えたあかずきんちゃん」の二作品の上映も行なわれています(金土日祝日限定。上映時間は手塚治虫記念館のサイトでご確認ください→【手塚治虫記念館 アトムビジョン 上映時間】※2011/11/14追記)

「萬画」展は2012年の2月20日まで開催されていますので、ぜひ冬休みなどに足をお運びください。記念館の入口では、大きな火の鳥が待っています。

“萬画(マンガ)”〜石ノ森章太郎の世界〜

会場:手塚治虫記念館 2階企画展示室

会期:2011年10月28日(金)~2012年2月20日(月)

休館日:毎週水曜日(ただし、11月23日、1月4日は開館)

開館時間:9時30分~17時(入館は16時30分まで)

入館料:大人700円、中高生300円、小学生100円

宝塚市立手塚治虫記念館