2007-10-02

菅直人「民主党」代表代行に独占インタビュー(上) 「福田政権は一年もたない!」

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オーマイニュース』に次のような記事を執筆しましたので、転載いたします。

主題:菅直人「民主党」代表代行に独占インタビュー(上)
副題:「福田政権は一年もたない!」

【本文】

 福田康夫内閣が発足したことによって、いよいよ国会で論戦が始まる。参議院で野党が過半数を占め、影響力が増した民主党。今国会で民主党は福田政権とどう対峙していくのか? キーマンの1人である民主党の菅直人代表代行に直撃した。その内容を上下2回にわたって掲載する。

福田新政権は1年もたない

――福田康夫・新政権をどのように評価していますか?

:非常に中途半端な政権ですね。一つは日本をこういう風にしたいとか、世界をこういう風にしたいとかいうような福田康夫首相のビジョンが見えない。本人が何をしたいのかがよく分からない。国民や世界に対するメッセージがありませんね。

 小泉純一郎政権がやってきた構造改革と称するものについて一方で基本的には正しいと言いながら、他方で民主党の政策に近いようなことを言ったりして、小泉政治を踏襲するのか大きく舵を切りかえるのか、あいまいな態度をとっています。主張そのものがあいまいで中途半端。

 さらに、新しい内閣のメンバーも結局、安倍晋三前内閣のメンバーをほとんど引き継いで、安倍内閣でやろうとしていた人が大部分残っているわけで、内閣という一つのチームで何をやりたいのか顔ぶれを見ても分からない。

――福田康夫氏という政治家はどのような人物だと思いますか。

:福田さんは森喜朗内閣、小泉純一郎内閣で官房長官を長く務め、それなりの役割を果たしてきたといわれています。ある条件の中で調整するとか、ある出来事の中でそれに対処するというのは、それなりにできるのでしょう。しかし、チームを作ってリーダーとして働くという技量には長けていない。結局は、日本を任せられるリーダーなのか、疑問符がつきます。

 中身が良かったかは別として、小泉元首相は自民党をぶっ壊してでも改革をやるんだといい、安倍前首相は戦後レジュームからの脱却といい、方向性を掲げて日本を引っ張っていこうとした。福田さんには方向性がない。最初からリーダーである素質があるのか疑問ですね。

――福田政権はどれくらい続くと思いますか?

:民主党の力にかかってきますが、スタートしたばかりなので、本当の対応力が試されるのは国会が始まってからですが、1年を超えて政権が継続することはないと思いますね。その間に解散・総選挙をせざるを得ない状況になるでしょう。

安倍辞任のA級戦犯は小泉元首相だ

――参院選から2カ月が経とうとしていますが、振り返ってみて、民主党が圧勝した要因は何だったと思いますか?

:3つありますね。一つは消えた年金5000万件の問題に代表される年金問題です。ほとんどの国民にとって影響のある年金がずさんな状態にあるということに対する国民の怒りがありました。

 2つ目は地方の問題。選挙応援で地方をかなり回りましたが、地方の皆さんは、小泉・安倍政権が地方を切り捨てていると思い、自分たちの将来はいったいどうなるんだろうという不安と怒りを持っていましたね。

 3つ目が絆創膏の赤城徳彦元農相に代表される政治と金の問題です。この問題で農相を擁護する安倍首相のリーダーシップ、政治家としての力量が問われた。つまり、安倍さんに対する不信ですね。

 ただ、残念ながら、民主党に対して積極的に良いというよりは、安倍政権じゃどうしようもないということで勝利したわけです。参議院で民主党はしっかりやれるのか、お試し期間のようなチャンスをもらったのだと思います。

――健康問題もあり、首相を辞めたようですが、安倍晋三前首相の最大の行き詰まりは何だったとお考えですか?

:政治経験を含め、総理になるだけの能力を欠いていたということでしょう。安倍さん本人が問題なのは当然ですが、最大の責任者は未熟な政治家を総理にした小泉さんですよ。安倍さんがどういう能力や気力を持ち、場合によっては健康問題のことも、長く傍にいたのですから、当然知っていたわけですよ。安倍さんに総理が務まるかどうか小泉さんは分かっていなければおかしい。自民党の伝統からすれば総理になれるはずのない人を無理矢理引き上げた責任は重い。

「税金無駄遣い一掃」国会にする

――今国会を一言で名付けるならば、菅さんは「何国会」と名付けますか。

:「税金無駄遣い一掃国会」にしたいですね。民主党は私が本部長となって「税金無駄遣い一掃本部」をつくりました。参議院で過半数を持ったことで国政調査権などを十分に発揮できるようになりましたから、まず、政府のこれまでの税金の使い方を徹底的に洗い出していきます。無駄遣いは相当あるでしょう。それを明らかにして、糾していきます。

――参議院で野党が多数派を占めた今、今国会で民主党はどのような法案を提出していきますか?

:参議院選挙で3つの約束、7つの提言を含むマニフェストを民主党は出しています。基本はそれに沿った形で、与党も賛成せざるを得ないようないくつかの法案とか、与党が賛成するかどうか分からないけれども予算を伴う法案とか、制度的な大きな改正が必要な法案とかを国会に出していきます。

 私は両輪だと言っています。法案で政策を具体的に出すことと、それに必要な財源を税金の無駄遣いを洗い出すことで捻出していくことの、2つのことをやりたいと思います。

――小泉純一郎内閣と安倍晋三内閣で行われた政策で最大の問題点は何でしょうか?

:マーケットに物事を何でも任せるという発想が行きすぎたことが一つ、もう一つは日本という国全体を考えると農村があってこそ都市がある、都市だけの日本であったとすれば社会としては成り立たなくなるのに、地方のことをまったく考えずに地方を見捨ててきたこと。その2つが一番大きな問題ですね。

(下につづく)