2009-06-24

沼正三◎『懺悔録』と『家畜人ヤプー』後追い制作日誌・2

『懺悔録』ができるまでの工程を、少しずつ日記にアップしていきます。

「もう、疲れた。今月で連載を終わりにさせてほしい。渡邊編集長に伝えていただけませんか」
と沼さんは言い、電話を切りました。

沼さんとお話をしたのは、これが最初で最後になりました。
以前は、雑誌の忘年会に出席し、「化粧品を作るために動物が犠牲になっているのを知っていますか? 女性の美のために命を失うなんて……僕にとっては本望です!!」とか、年末にどっぷり疲れる素敵な話をしていたそうです。

沼さんは、エッセイ「ある異常者の体当たり随想録」を1988年2月号から連載していました。
連載は、雑誌がDVD付きにリニューアルする2007年11月号まで続きました。

編集長に電話のことを伝えると、「沼さんは、屈強なマゾヒストだから、大丈夫だろう」とのことでした。
翌月も、何もなかったように原稿が届きました。
さすが、『家畜人ヤプー』の作者です。屈強なマゾヒストです。