湯浅 俊彦

書店の危機と変貌する若者のメディア接触

 2002年4月7日(日)午前1時30分、朝日放送で放映された「テレメンタリー2002」は書店の危機をテーマとした30分のドキュメンタリー番組であった。題して「誰が書店を殺したのか―出版不況の構造に迫る―」。(朝日放送制 [...]

『コリアン・ドリーム!韓国電子メディア探訪』を読む

 韓国の話を書いていて、思い出したのが2000年7月に出版された『別冊本とコンピュータ3 コリアン・ドリーム!韓国電子メディア探訪』(大日本印刷発行・トランスアート発売)である。
 この本のまえがきに「本とコンピュータ」 [...]

ソウルのメディア事情あれこれ

前回、この連載の番外編のようなつもりで、ソウルで見てきたことを書いたらいろんな人から反響があって驚いた。論文がインターネットで読めるかどうかなんてどうでもいいから、もっと韓国のことを書けよという人もいれば、あれを読んでソ [...]

ソウルの書店は元気だった!

3月11日から13日までソウルを旅してきた。そこで今回は急遽、ソウルで見てきたこと、考えたことを書いてみたい。
 
私が訪れたこの時期は4月からの観光シーズンの前ということで、観光客は少ないはずだった。しかし、意外と日本 [...]

電子文藝館と作家

学術情報を中心にここまで見てきたが、オンライン出版やオン・デマンド出版などのいわゆる電子出版物はなにも学術的なものに限定されているわけではない。むしろ、今日ではあらゆる分野に及んでいると考えた方がいいだろう。また、そのこ [...]

電子ジャーナルとインターネット・カラオケ

ここまで、論文がインターネット上で公開されると学術出版社はどうなるのかという点について考えてきた。そうすると、どうしても触れておかねばならないのが、またしても電子ジャーナルの問題である。
 
欧米を中心とする学術出版社は [...]

論文の公開と学術出版社の危機

現在、論文の公開の流れには2つあり、研究者がみずからのホームページで公開する場合と、大学などの研究機関が発行する研究紀要がネット上で公開される場合があると前回、書いた。これに付け加えるならば後者にはさらに学会や協会が刊行 [...]

論文のネット上での無料公開

前回、著者である大学の教員は教科書執筆から得られる印税がゼロになっても、多くの読者を得られるのであればみずからの講義ノートをインターネット上で無料公開するだろう、という趣旨のことを書いた。すると、ポット出版の沢辺さんより [...]

e-テキストブックが切り拓くe-ラーニング

大学の教員が自分の講義ノートをe-テキストブックという形でインターネット上に無料公開する―これは考えてみれば画期的なことである。全国の大学で1年間に行われているあらゆる講義にすべての人がアクセスできる日もそう遠くないかも [...]

教材の公開からe-テキストブックへ

いま、教育の現場ではさまざまなかたちでパソコンの使用を前提とした授業が行われている。従来から学校ではテレビ、ビデオ、スライド、OHP(オーバーヘッド・プロジェクター)などの情報機器が授業で用いられてきたし、またLL(ラン [...]

IT革命と社会的関係性の変化

新しいタイプの電子出版の進展が社会的関係性の変化に影響をおよぼす、と前回書いた。それはなにも医療の分野での医師と患者の関係に限ったことではない。つまり、労働や教育の場面における上司と部下、教師と学生といった具体的な人間関 [...]

医学・医療情報の公開

[2002年1月21日執筆]
(株)メテオインターゲートというところがメディカルオンラインという医師向けのサイトを開設している。このサイトではいくつかのサービスを提供しており、「文献検索」では2001年12月現在、13万 [...]

アグリゲータ・ビジネスとはなにか

IT革命とは産業革命との対比で語られる言葉であり、インターネットの普及によって一般の人でも情報をもつことが可能になった時代がここから始まったというニュアンスで使われている。
とすれば、出版メディアにおいてもこれまでの産業 [...]

あいまいになるメディア間の境界

ポット出版の沢辺均さんからポット出版のサイトにコラムを連載しないかとの提案をいただいた。2000年8月に上梓した『デジタル時代の出版メディア』以降の動きを書かないかというのである。
 
実際のところ、書いた端から情報とし [...]