2011-10-12

人間の二面性や深淵を解せぬ浅はかな“霊言”と解せようか?

スティーヴ=ジョブズが天に召された。有名人・人気ある者・権威ある者の霊言を降ろす先生がスティーヴの霊言を遣うかも知れないなあ……と思った。これを虎の威を借る狐という人もいるんじゃないか。

それはさておき、『もしドラ』がブームになって以降、ピーター=ドラッカーの霊言が次々と大川隆法パパに降りていらっしゃる。わたしはふと疑問に思う。

なぜ、生前に対談をしなかったのか、と。黄泉の世界がよほど好きなのだろうか?単なる照れ屋さんなのか?

大川パパは鳩山由紀夫や菅直人、仙石由人といった合おうと思えば会える人物に国師として喝を入れるわけでもなく、なぜか、守護霊と対話する。よほどの恥ずかしがり屋さんなのか、国師と認めて会ってくれる人がいないのか。

新興宗教『ワールドメイト』は『文明の衝突』で知られるサミュエル=ハンティントン教授やドラッカー博士、未来学者のアルビン=トフラー博士、マーガレット=サッチャー元英首相、社会学者のダニエル=ベル博士、環境学者のレスター=ブラウン氏など著名人を招いて、講演会&シンポジウムを開いてきた。ワタシがピーター=ドラッカーの話を聞いたのは高校生の時だったか、知人に連れられ視聴し、著書にサインをいただいた。
老齢とはいえ、迫力があった。

ドラッカーの著書と大川パパによる“霊言”ドラッカーを読み比べると、雲泥の差があるし、ワタシが生で話を聞いたドラッカーと霊を降ろして語る大川パパには、大きな差がある。人間の質の違いとでもいおうか。

長男と長女と、親バカだかバカ親だか分からない対談はするというのに。

かつて、幸福の科学・創生期のときに、土屋書店を中心に、大川隆法・総裁と善川三郎パパによる霊言本が出て、内容のハチャメチャさが批判されたものだが、それも遠い昔。

最近、読んでひどかったのが、市川房枝の霊言だった。革新政治家のお面を付けて支持を得ながら、思想の根本においては、戦前と変わっていなかった。大東亜戦争を煽ったが故に公職追放となった右翼の陣営にいた市川は転向することもなく、婦人有権者運動と「クリーンな政治」を唱え、革新側に見られた。しかし、石原完爾の影響でソビエト連邦を目の敵にし、戦後右翼最大の大物フィクサーだった児玉誉士夫とは金泥の仲だった。それは“革新政治家”市川房枝が見せない面ではあった。

その市川を単に左翼の唯一物論者として大川パパは描くわけだ。さらに、親ソ派とも。

人間の二面性や深淵の分からない浅はかな人間分析としか言い様がない。それが大川パパ流・霊言というものだといわれれば反論の余地もない。

市川がホンマモンの右翼に片足を突っ込んでいた部分は霊視できず、スッカラ菅が流布するクリーンな“革新政治家”像を信じて、流布してくれる大川隆法主宰先生には感謝していることだろう。