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[第13章●本の買い方読み方しまい方]
2… 割引で買えるからネット書店で
[2004.06.16登録]

石田豊
ishida@pot.co.jp

吉川有機さん……34歳男性、既婚、2名で暮らす、フリーランスの編集者/ライター

楽しみのための本(マンガ以外)はだいたい月5冊程度読んでいるが、その全量を購入していて、図書館利用はほとんどない。

「以前は図書館利用が中心だった時期もありましたが、最近はほとんど行っていませんね。やはり行動半径から外れたところに立地しているというか、わざわざそこへ向かって行かなければならないところにあるってことが大きいのかもしれません。それに、返しに行くのが億劫ですしね。ついつい行かなくなりました」

5冊のうち4冊はネット経由で購入。最近は新書が多いとのこと。最近買った本は「偽書『武功夜話』の研究」(新書y
藤本 正行 ・ 鈴木 真哉 著)や、同じ著者の「刀と首取り―戦国合戦異説」(平凡社新書)、それから「洞窟オジさん」など。

「あ、歴史物が多いっすね。あとはドキュメンタリーとか」

ネット書店はもっぱら「楽天ブックス」を利用している。楽天ブックスを利用する理由は、

「もっぱら割引があるからでしょうね。何もしないでも1%の割引はあるし、へそクリックを使えば4%ほどの割引になる。それにクレジットカード払いですから、そのポイントもつく。セコいですか?」

いえいえ、けっこう大きいよね。半年にいちど、1冊の本をお中元お歳暮としてもらえる勘定になる。カードのポイントでもらったコーヒーメーカーは別にしても。

楽天は品揃えとか在庫が少し弱く、すぐにナイといってくるから、そういう時にはAmazonを利用する。

月のうち1冊程度は書店店頭(もっぱら「あおい書店中野本店」)で購入。これはもっぱら「今から乗る電車の中で読む本」であって、書店で「お。この書き手がこんな本を出しているんだ」というようなことを知った場合は、その場で買わず、覚えておいて楽天で購入することのほうが多い。それはなぜか。

「重いってこともありますが、ま、ポイントですかねえ。セコいっすか?」

あくまで「覚えておく」だけでメモすることはない。忘れてしまったら、それはそれで財布が助かる。

本屋にいく回数は週に4回くらい。駅への通り道なので外出時にはほぼ必ず立ち寄る。

「バカみたいに広いせいなのか、センスがないのか、いわゆる『棚に主張』はないので、つまらない店ではありますが逆に買わされると言うことはありません。今興味があるジャンルの棚に行って眺めれば、一通りの本はあるので十分選べます。その上で家に帰ってネットで調べると、だいたい間違いのない買い物ができるようです」

楽天で買う本の情報、つまり、この本を買おうと思ったモトですね、これはもっぱら、今まで読んできた著者の新刊、新聞や雑誌でみかけたもの、ネット上の書評とまでは言えないような(個人のページとかブログとかの)ページにのっていた記事なんかを参考にしている。

マンガは月10冊は必ず買っていて、こちらは8割くらいは書店店頭。本屋では「マンガをチェックするために」、平積みを中心にチェック。いままで購入してきたシリーズの最新巻とか新刊を購入。漫画誌を1誌購読し、数誌を立ち読みしているので、その中から気になる人のマンガを新規に購入することもある。

マンガの残り20%くらいは、これもやはりネット。

「平積みされないようなものは見逃すことが多いのでたまに作者名で検索して買うことがあります。新規開拓にはそんなに熱心ではないのですが、それでも買う量は減らず、どちらかというと減らすように押さえているくらいなのです。マンガに関しては、この10冊くらいは新刊ですが、ほかに古本でも月5〜6冊は買っていると思います」

買ってきた本はすべて読むかという質問に対しては

「すぐに読み始めます。そして全部読み切ります。ただネットで買うとどうしてもまとめ買いになりますから、すぐにといっても時間差があります。今はほぼ読み切ることが多くなりましたが、前はネットで買うのに慣れていないせいか、思ったよりもつまらない本を買ってしまい、最後まで読まないことも」

彼は名古屋に出自を持つせいか、経済観念はぼく(石田)などよりずっと先鋭的なのかもしれない。

「たぶん、ネットオークションなども同じだと思いますが、最初はネット書店のコツがわからずに検索の面白さだけで、書店で見たら買わない本も買ってしまっていたのだと思います。今は、ネットで買う時にもより注意深くなっており、ひどい本は買わなくなってきています」

図書館利用をしていたころは、どうしても本の選び方がずさんになり、借りてきても開かないこともあったし、ほとんどすべてを完読しなかった。こういうことも図書館から足が遠のいた一因にもなっている。やはり本は買わないとだめのようだ、というのが吉川氏の現時点の結論である。

しかし、人から借りるのは別。

「人から借りるのは結構好きです。貸し手の意図やその後の会話なども楽しめるし。返しそびれると気まずくなりますが」

ぼく(石田)は彼から「クルマはかくして作られる」を借りっぱなしになっていたかもしれない。明日、ちゃんと調べておこう。

蔵書は、本箱がいっぱいになってしまっているので、現在は壁際に積んでいる。本棚の整理はやりたいとは思っているが、面倒で手が着いていない。一応、以前に著者別とかサイズ別に並べた「痕跡」はあるものの、最近買ってきたものについては、壁際に追加で積み上げられている。

「ちゃんと整理したい欲望はあるんですけどねえ。もともと図書館員でもあるし」

「実は本棚というものが好きではないんです。特に大きなものが。書店や図書館の本棚と、ぼく個人の本棚ではまったく役割が違うと思うのですよね。ぼくの本棚は単に本の収納場所としてあればよく、整理されている必要はないと思う。というわけで、机の下や窓の下の壁際などに置く、薄く低い(奥行き20cm以内、2〜3段)の棚が徐々に増えてます。これからも大きな、例えばスライド式などの、本棚を買うつもりはないなあ」

世代論に陥るのは好きではないのだが、ぼく(石田)から見ると、吉川さんの世代は「ちいさなもの好き」が多いように思う。ぼく(石田)やPotの沢辺さんは、大きいものが好きだ。吉川さんは、ウチの本棚が、丸信のスライド本棚主体であることを熟知している。

本は売らないのか、と聞くと

「売りたいとも思うんですが、これも面倒で」

売りたいのはたくさんある(「500くらい」「いやもっと」「2000?」「そこまではないかな」)マンガ。これは三分の一程度に減らしたい。

ブックオフなら、箱で送ればいいっていうけど、箱を探すのも面倒だし、悲しい気持ちになるぞとも聞いているし、それなら重くてもマンダラケ(彼は中野区民)まで持って行った方が高く買ってくれるだろうし、ホントに読みたい人の手にも渡るだろうから、そうしたいと思うこともあるけど、やはり重いし、と優柔不断な回答だった。

ネット書店を利用するようになって変わったこと。

「高額な本でもそんなにためらわずに買ってしまうようになりましたね。かつては1500円ルール(1500円以上の本は原則として買わない)で自分をしばっていましたが、それもなくなっちゃった。あ、それから明日(取材時現在)までアマゾンで1000円キャッシュバック。これを使って前から欲しかった『織田信長家臣人名辞典 』 ¥7,350 を買いました」

いかに安く本を買うかという点も大事だが、それと同時にいかに簡単に気安く買えるかというのも大事だ。その点あるかないかわからない古書店やオークションは、面倒さが先に立って、本を買うルートとしては弱いと思う。今のネット書店の気安さは画期的だ。本を探すのがが簡単で、注文するとすぐ(翌日の場合も!)に届き、しかも少し安く買えるとのだから。と。

読書時間について。

「通勤しなくなってから5年ほど経ちますが、一時はこのために読書量がかなり減りました。今、読書量が戻っているのは毎週電車に乗ってサッカーを見に行くからかな。下手すると往復5時間くらいは電車です。電車以外では、以前から寝る前の読書習慣があります。たぶん30分くらい。寝る直前まで仕事をしていることが多いので、寝る前には頭の切り替えのため読書がかかせません」

サッカーはともかく、頭の切り替えのための就寝前読書というのは、ぼく(石田)も共感できる。リキんで仕事をした日ほど、クールダウンに時間がかかる。よってますます睡眠時間が短くなる。


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