2009-07-06
沼正三◎『懺悔録』と『家畜人ヤプー』後追い制作日誌・3
週刊文春の書評に取り上げられたり、WEBで取り上げられたりで、順調に動いています、『懺悔録』。
2008年の11月30日、沼さんは亡くなりました。
そのころ、僕はワイレア出版を退社したばかりで、毎日朝からビールを飲み、風呂に2時間浸かったり、昼寝したり、1日1日をうっちゃっていました。
ポット出版に入ったのは、12月のはじめです。
沼さんのスナイパーでの連載は、「多分、このままだとどこからも出ないまま雲散してしまう」と思っていたので、企画を出したら、通りました。
まず、沼さんの奥さんに手紙を書きました。
一度、是非お伺いして焼香させてほしい、という旨です。
翌日、編集部に奥さんから電話がかかってきて、「気持ちは嬉しいけど、本人の意向で、どなたもご焼香はお断わりしています」と伝えられました。
連載のことを聞いてみると、「私は彼の文章には一切関与していないので、そういう問い合わせは康芳夫さんに相談していただけますか」と言いました。
康さんは、『家畜人ヤプー』を1970年、最初に出版した、伝説のプロデューサーです。