ゲイという[経験]

発行:ポット出版
伏見憲明 著
定価:2,500円 + 税
ISBN978-4-939015-41-0(4-939015-41-6) C0095
A5判 / 608ページ /並製
[2002年03月刊行]

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内容紹介

現在の混沌とした、愛と、性と、ライフスタイルについて、著者のゲイという[経験]から、できるだけ抑圧のない在り方を探し出す。現代人の生き方指南にして性愛バイブル!

目次

ミレニアムの欲望を先取りするゲイシーンから
性愛の未来を予言する!
これは、伏見憲明の「遺言」?!
伏見憲明がこれまでさまざまな媒体で発表してきた原稿を1冊にまとめた
総ページ数、608ページもの超大著。
伏見憲明の中間総決算といえる、久々の単著です。。

〈もくじ〉

◆ゲイの考古学
ハッテン場、ゲイバー、ゲイメディアなどの始まりなど、日本のゲイの歴史を
探訪します。『バディ』連載に大幅加筆修正した完全版。1321年〜2002年ま
でを記したゲイ年表は必見の価値あり。貴重な写真も掲載。
◆欲望するミレニアム
新聞・雑誌などに発表してきた、最近のエッセイ・評論。Jポップの歌詞にお
ける性愛の変化の考察は秀逸!
◆伏見ゲイ新聞
約三年『バディ』に連載していた32回分を完全収録。数年間のゲイシーンのト
ピックスを網羅した記録です。
◆解放と懐疑の世紀末
古い時代のエッセイ・評論をまとめた章です。伏見憲明が若かりし頃、匿名で
朝日新聞に投稿・掲載された原稿も収録。
◆付録
巻末には、単行本として発表した『キャンピィ感覚』と、『プライベート・ゲ
イ・ライフ』をまるごと収録しました!
[本文から一部紹介]
我々はいま、二十世紀後半の「性解放」を経て、近代的なロマンティック・ラ
ブの中でギリギリのバランスを保っていた愛と、性と、ライフスタイルが、独
自の論理を持って、それぞれのベクトルを示し始めている、そういう地点にい
るのだ。我々の欲望はロマンティック・ラブが時代遅れになりつつある今日で
も、それぞれの項を求めており、しかしながら、それらすべてを、同時に、手
にすることができるような都合のよい一致点を喪失してしまったところにたど
り着いてしまった。〈略〉
我々がこれから考えていかなけれならないのは、ロマンティック・ラブに替わ
るルール(あえて規範とは言わない)をいかに作っていくことができるか、と
いうことだろう。先に挙げた独立項がそれぞれに、できるだけ抑圧し合わない
ような調和点をいかに創出していけるか。あるいは選択、組み合わせのシステ
ムをいかに社会的に整備しうるか。それこそが、「性愛」をめぐる我々のもっ
とも大きな課題となっていくはずである。

[目次紹介]
◆欲望するミレニアム
「性の解放後」をどう生きるか/『ハッピー・マニア』と時代の欲望/性のプ
リズム/無関心と興味本位のあいだ/おすぎとピーコの再ブーム/クィア理論
の可能性/二十周年のゲイ・パレード/イナバさまの_秘部_を勝手に覗く/
男の子の、男の子による男の子のための物語/『半熟革命』文庫に寄せて/オ
カマのオンナは大人のオンナ/正義から脱力へ/変態するサラリーマン/魅惑
のブス/友達いますか?/夢見る老後!
◆ゲイの考古学
プロローグ
前近代の男色とは?
男娼の近代(戦前のオカマ/「上野の森警視総監暴行事件」/ウリを兼ねたゲ
イバーの誕生/ウリ専の体験)
ある老ゲイの回想 (M検という経験/戦後のゲイの黎明期)
ゲイのアーティスト(林月光の登場/その生い立ち)
ハッテン場の歴史(戦前のハッテン場/日本とヒルシュフェルト/戦後のハッ
テン場)
ゲイバーの系譜(伝説のゲイバー「ブランスウィック」/「ブランスウィッ
ク」に集った人々/新宿二丁目以前/新宿二丁目のゲイタウン化)
札幌のゲイシーン
「夜曲」殺人事件
ゲイメディアへの道(ゲイ媒体の変遷/伝説のゲイ雑誌『アドニス』/『アド
ニス』が遺したもの)
かびやかずひこ(かびやかずひこが遺したもの/かびやが取り持った愛)
三島由紀夫(三島の死の意味)
伏見版ゲイ年表
◆伏見ゲイ新聞
1999年4月〜2001年10月
column(アザと美醜と差別/新時代への胎動/「弱者」という聖域/「リア
ルとは何か」という命題/オカマたちの雪解けの巻/新しい「男らしさ」の模
索/〈嫌い〉の有効活用/理解不可能なHPの巻/本質主義という巨悪と闘う?
/性愛? それとも友愛?/_二丁目祭り_に思うの巻/運動成熟の巻/「今
日の出来事」の巻/キャムプの限界の巻/代表者ヅラ?の巻/おかまの友情っ
て?の巻/第二のジャニー喜多川を目指します!の巻/人生を面白がるには…
の巻/「欲望史観」による現実への接続/糾弾します!の巻/QJ4の感慨の巻
/インターネットと雑誌の巻/ゲイパワーとパレードの巻/ゲイが母親を代弁
/嫁・姑?の巻/店じまい)
◆〈解放〉と〈懐疑〉の世紀末
「性」のミステリー/トランスジェンダー/性はどこまでわかっているのか/
東郷健「私のクィア・カルチャー」/同性愛という劇場/結婚は不自然である
/母のオムツを替えるのは誰?/ヘテロの真実/キャンピィで行くわよ!/伏
見憲明の性愛大辞典/新しい分野を開拓する快楽?/ゲイと〔ゲイ的なるも
の〕/ゲイカルチャーの現状/映画『ポイズン』に寄せて/デビューの日/同
性愛者に社会的認知を/『ぼくのゲイ・ブームメント91ー94』あとがきにか
えて/ティールームへようこそ/変態さんが行く/エイズと同性愛
◆付録
キャンピィ感覚
プライベート・ゲイ・ライフ

著者プロフィール

伏見憲明(フシミノリアキ)

1963年生まれ。91年『プライベート・ゲイ・ライフ』(学陽書房)でデビュー。他に『性の倫理学』(朝日新聞社)、『〈性〉のミステリー  越境する心とからだ』(講談社現代新書)、『快楽の技術』(斎藤 綾子との共著、河出文庫)など。『クィア・ジャパン』(勁草書房)編集長。

関連リンク

伏見憲明インタビューどうなる、日本のゲイシーン・All About Japan(歌川 泰司 さん)


この本への反応

  1. [...] ゲイという[経験] | ポット出版 [...]

  2. ハッテン場行く時はいつもメンパウ使ってます。全身敏感になってトロけそうです。
    Love Herb
    http://kimeseku1.com