反差別論の再構築へ 「オカマ」は差別か 『週刊金曜日』の「差別表現」事件

発行:ポット出版
伏見 憲明 著, 及川 健二 著, 松沢 呉一 著, 野口 勝三 著, 黒川 宣之 著, 山中 登志子 著, 春日 亮二 著, 志田 陽子 著, 下村 健一 著, taka 著, 田亀 源五郎 著, 平野 広朗 著, 浩史 著, 本田 勝一 著, 宮崎 留美子 著
定価:1,500円 + 税
ISBN978-4-939015-40-3(4-939015-40-8) C0036
A5判 / 176ページ /並製
[2002年02月刊行]
印刷・製本●シナノ印刷
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内容紹介

『週刊金曜日』に掲載された、東郷健のルポ「伝説のオカマ」のタイトルが差別かどうかをめぐって起こった論争。差別の判定を当事者に限ることに初めて当事者が異論を展開した。

目次

●発行にあたって…………002
●アンケート・メディアが「オカマ」を使うのは許せる?…………008
●「伝説のオカマ 愛欲と反逆に燃えたぎる」の経過…………010
●『週刊金曜日』の「伝説のオカマ」問題 記事一覧…………012

第1章●問題とされた原稿
伝説のオカマ 愛欲と反逆に燃えたぎる…………018
文・及川健二 写真・内田豊治

第2章●二〇〇一年九月三〇日……シンポジウムの記録
シンポジウム・「伝説のオカマ」は差別か…………034
伏見憲明+及川健二+野口勝三+松沢呉一+黒川宣之+山中登志子
●シンポジウムの感想…………107
下村健一/春日亮二/浩史/田亀源五郎/taka

第3章●「伝説のオカマ」をめぐる意見
●「伝説のオカマ」をめぐる意見
誰が誰を恥じるのか 平野広朗…………114
私が伝えたかったこと 及川健二…………118
当事者としての言葉とメディアの権力性 志田陽子…………121
●『週刊金曜日』編集者のいくつかの意見
文脈の問題であり中身の問題 本多勝一…………125
「オカマ」表現とわたしの?離婚?理由 山中登志子…………127
●ボツになった投書
謝罪する必要はない 伏見憲明…………145
「オカマ」の語をどう受けとめるか 宮崎留美子…………146

付録……すこたん企画・『週刊金曜日』の記事転載ができなかった事情

●ウェブ編集日誌…………148
●執筆者プロフィール…………172

著者プロフィール

伏見 憲明(フシミ ノリアキ)

伏見憲明●ふしみ・のりあき
一九六三年東京生まれ。評論家・ゲイライター。九一年『プライベート・ゲイ・ライフ』(学陽書房)においてカミングアウト。以後、ゲイ・ムーブメントの先駆的役割を果たし、セクシュアリティ、ジェンダー、若者、家族などの問題に発言を続ける。九九年より『QUEER JAPAN』(勁草書房)を責任編集。〇二年二月ポット出版から『ゲイという[経験]』発行。

及川 健二(オイカワ ケンジ)

及川健二●おいかわ・けんじ
ライター、アクティビスト。柔道初段、趣味は自転車で遠出、関心事は「地球環境とジェンダー」。代々木ゼミナール”名物”日本史講師のセクシュアル・ハラスメントを『週刊金曜日』誌上で、「代々木ゼミナール 名物日本史講師の女生徒への性暴力」(九九年五月二一日号)、「日本史講師の性暴力をかばい続ける代々木ゼミナール」(九九年七月三〇日号)と二回に渡って”告発”した。『Time』のアジア版に、日本のサブカルチャーについての論文「Before You Accuse Me...」を発表している。

松沢 呉一(マツザワ クレイチ)

松沢 呉一●まつざわ・くれいち
一九五八年生。マスコミ周辺のさまざまな仕事を転々とした後、ここ十年ほどはもっぱらエロライター。セクシュアル・マイノリティの知人も多く、全国の男娼たちとも長らく交流を続けている。「アサヒ芸能」「アクションカメラ」「S&Mスナイパー」などに執筆。著書に『風俗ゼミナール』『魔羅の肖像』『風俗就職読本』、編著に『売る売らないはワタシが決める』などがある。


この本への反応

  1. 「学歴差別は後天的だから差別ではなく区別だ」と信じて疑わない人に読んでもらいたいブログです。http://gaikotsujin.blog.fc2.com/blog-entry-8.html