低炭素革命と地球の未来 環境、資源、そして格差の問題に立ち向かう哲学と行動

発行:ポット出版
竹田 青嗣 著, 橋爪 大三郎 著
定価:1,800円 + 税
ISBN978-4-7808-0134-7 C0036
B6判 / 192ページ /並製
[2009年09月刊行]
印刷・製本●シナノ印刷株式会社
ブックデザイン 山田信也
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内容紹介

環境、資源、格差問題の危機を、我々はどう乗り越えるべきか。
『「炭素会計」入門」』(洋泉社)で炭酸ガス重量絶対主義を提言した橋爪大三郎と、『人間の未来』(筑摩書房)で資本主義経済の行く末を説いた竹田青嗣による公開対談「炭素革命と世界市民の正義」、「資本主義と世界市民の正義」を元に加筆修正。
21世紀の人類が直面する問題の本質を明らかにし、人びとが自由に生きるための新しい哲学、行動が語られる。

目次

はじめに 竹田青嗣

■第1部 「炭素会計」がなぜいま必要か

◎『「炭素会計」入門』の問題提起とは

地球は温暖化しているのか
炭酸ガス濃度はどれだけ増えているのか
京都議定書と各国の炭酸ガス削減への取り組み
炭酸ガスを出さないエネルギーの可能性
温暖化問題の本質とはなにか

◎竹田青嗣の「炭素会計」への共鳴
資本主義の行方
資本主義の原理は「普遍交換」と「普遍消費」
90億の人が普遍消費をするとどうなるか

◎温暖化問題と資本主義
資本主義に代わる経済システムはあるのか
新しい「大きな物語」というチャレンジ
資本主義の性質を変えなくてはいけない
人間はなんのために生きているのか

◎「炭素会計」は資本主義改革の契機となりうるか
状況や時代に応じて市場の切り分けをする
政策として炭素をどう扱うか
現実の制度にしていくにはどうすればいいのか

◎会場から
「一般意志」をどう取り出せばいいのか
問題を解決する制度や仕組みはないかを考える
持続可能な資本主義のあり方を考える
医療や炭素における合意に基づく分配のルールとは?
「正しい」ということと「得だ」ということ
市場原理に任せるものとそうでないものを切り分ける
新たな国家間格差を生み出さないためには
一番ポテンシャルがあるのは日本だ
市民にどういうインセンティヴを与えればいいか
「世界市民」が共通のルールを調整していく
まず炭素を見えるようにすること
テクノロジーやJフードの可能性


■第2部 世界市民と正義のつくりかた

◎国家と資本主義批判への問題提起
ポストモダン思想の国家と資本主義批判
マルクス思想の国家と資本主義批判
国家権力はなぜ否定できないのか
普遍分業を捨てると普遍支配構造が復活する
資本主義がむかえるふたつの限界

◎グローバリズムと環境、経済格差問題
環境問題はこれまでの公害問題とはちがう
グローバル化が引き起こした格差問題
ケインズのつぎの天才経済学者が必要
この危機を好機に大転換するための合意づくり
グローバリズム化でなにが起こっているか

◎環境問題を哲学で考える
国家どうしの「自由の相互承認」は可能か
「文化」というルールの壁は越えられるのか
媒介項をおいて国家間のルールを調整していく
原理を生み出す哲学の可能性

◎会場から
市民という立場でなにができるか?
まずは炭酸ガス排出量を数値化すること
一人ひとりの自覚が問題を解決する糸口にならないか?
原理的な考え方とデータを提示する
役に立つ言論は事前にはわからない
既得権をどう考えるか
国の役割は平等な配分の調整
どんな社会でもルールは変えていくことができる
国連の可能性は?
国連には問題解決能力はほとんどない
国連以外の調整機関を構想する
生産能力が落ちた日本が老人を支えるのは無理?
日本の高齢化対策は世界で使えるものになる
高齢者問題を乗り越える方法は?
人口を減らして競争原理を落とす
家族や地域といった小共同体の可能性は?
都市や地域社会を再設計する
新しい共同体のあり方を構想する
つぎのケインズを見つけられるのか
必ずいるけど、見つける方法がむずかしい
合意を経ない拘束は続くのか
合意によって自分の自由を制限する
まず先進国の市民から合意を取り出す
理性がひとつの鍵になるのか
歴史を踏まえた個人主義を知る
ヘーゲルやルソーの理性の在り方を置く

あとがき 橋爪大三郎

プロフィール・著作一覧

担当から一言

お二人の話は、とても明晰、です。

二酸化炭素問題とは、エネルギー(化石燃料)を使うことができない、という問
題である。
資本主義の基本構造は、「普遍交換」と「普遍消費」からなっている。

自分は哲学も社会学も、からっきし、ですが、この本のゲラを読みながら、
出来る限りシンプルなかたちに落とし込まれたお二人のことばを読み、
「腑に落ちる」ことの快感を何度も覚えました。

この本は、地球の未来について、真剣に考えることのきっかけになります。
[担当編集・高橋大輔]

関連書

橋爪大三郎『幸福のつくりかた』(ポット出版)
竹田青嗣ほか『自由は人間を幸福にするか』(ポット出版)
橋爪大三郎『「炭素会計」入門』(洋泉社新書y)


この本への反応

  1. [...] プリンタ設定に悪戦苦闘。 この日は、竹田青嗣・橋爪大三郎さんの新刊、「低炭素革命と地球の未来」の見本ができてきた。 [...]

  2. [...] 竹田青嗣さん(哲学者)と橋爪大三郎さん(社会学者)の新刊『低炭素革命と地球の未来』が、本日発売です。 [...]

  3. [...] ポットで先日発行した「低炭素革命と地球の未来」で橋爪大三郎さんがこんな話をしている。 [...]

  4. [...] 伏見さんの公式ブログに、「低炭素革命と地球の未来」の感想が載っていて、その隣に、 [...]

  5. [...] 9月に刊行した『低炭素革命と地球の未来─環境、資源、そして格差の問題に立ち向かう哲

  6. [...] 昨年9月に刊行した『低炭素革命と地球の未来─環境、資源、そして格差の問題に立ち向かう哲学と行動』(竹田青嗣、橋爪大三郎著)の三段八割(サンヤツ)広告を、1月31日(日)の東 [...]

  7. [...] 翌日、『日本の公文書』、『ず・ぼん15』、『低炭素革命と地球の未来』、『本の現場』、『デジタルコンテンツをめぐる現状報告』を持って、営業に伺いました。よくよく考えると近辺を車で通ったことはあるものの国会議事堂に入ったことはない私。近くの警官に聞いて、数十メートル先の入口に行ったら今度は「ここは見学用だから」とまた別の入口へ。完璧お上りさんだと思いながら、ようやく通用門につきました。 [...]

  8. [...] に立ち向かう哲学と行動 著●竹田青嗣、橋爪大三郎 定価1800+税 ISBN978-4-7808-0134-7 C0036 B6判 / 192ページ /並製 [2009年09月刊行] 目次や著者プロフィールなど、詳細はこちらをご覧ください。 [...]

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