2010-02-15

参考・引用文献へのリンク

レファレンスの際に、本に記載された参考文献や引用文献から調査することがよくある。
そんなときに、それらがデータ化されていて、書誌から参考・引用文献の書誌・記事にリンクしていたら便利だろうなと思う。

学術文献の世界では、情報流通を円滑にするために設けられた科学技術情報流通技術基準(SIST:Standards for Information of Science and Technology)がある。
また論文情報に限っての話だが、NiiのCiniiには参考文献・非引用文献のリンクが用意されている。(実際にそれが収録されている文献は、かなり数が限られているような感じだが・・・)
それに対し、例えばビジネス書などは巻末に参考文献一覧が載っていたり脚注で紹介されている場合も多いが、それらは書誌データに取り入れられてはいない。

全文デジタル化・全文検索になれば、そんなことはいいじゃないかという考え方もあるかもしれないが、参考・引用文献のリンクも整備されていた方が、調べものをする上で格段に便利である。

リンクを勤務先の図書館蔵書すべてに完備するのはもちろん不可能だが、仮に全蔵書の書誌データに参考・引用文献リンクがあれば、所蔵データベース内のリンクを分析することで、蔵書の評価もできるのではと考えいている。
これは大学・専門図書館にとって、公共より遥かに有意義ではないだろうか?

またOPACに固執せず、例えば新書マップのようなインターフェースで「この本はこれを参考にして書かれた」が見られるマップのようなものができれば、調べものばかりか、様々な読書層ににも役立つのではないかと思う。

Amazonのリストマニアやブクログのように、読み手側が本を繋ぐのではなく、掲載情報に基づいたリストをつくることは、文献に基づく情報サービスをひとつの軸とする図書館らしい方向性のような気がしている。

資料デジタル化や電子書籍の流通が進む一方で、こういった部分を編纂し、より情報源にアクセスしやすい環境を図書館として整備してみようと思う。

もちろん、参照・引用文献情報などが不要な資料もある。
だから、どんな資料にそうしたリンクが必要なのかを考えて、まずは巻末の参考文献一覧だけを入力していくとしても、着手する分野を絞るといころから始めたい。
やはり手始めは、地元出身者の著作や郷土史関係などが中心になるだろうか。

まずは少し試した上で、どういうアプローチをしたら便利なものになるか、検討していきたい。