2005-06-21

政性分離

内務大臣に返り咲いたフランス政界のエース、ニコラ=サルコジ・UMP党首が離婚の危機にある……というニュースがベタ記事だが、欧州憲法投票前にいくつかの新聞に載った。フランスで政治家のプライベートなことが報じられることは余り無い。今回の発端は、スイスの新聞がそれをスクープしたために、フランスの新聞もいくつか追随した。

サルコジ氏とそのワイフは、公の場に二人で登場することが多かった。

離婚の危機に立たされている(もう離婚したのかも知れないが)のに、サルコジ氏が大臣になるとき、そのことは問題視されなかった。日本ではどうだろうか。目玉大臣が就任する時、離婚する……という問題があれば、一斉に大きく報じられるのではなかろうか。

フランスでは政治と性事は分けて考えられている。クリントンのモニカさんとの不倫関係も好意的に報じられたように、政治と性事との分離、「政性分離」が進んでいる。

故・ミッテラン前大統領が長年、愛人とその間に娘を持っていたことを隠していたが、それを非難する人はあまりいなかった。しかし、ミッテランが自身のガンを隠していたことは大いに非難された。

日本ではどうだろう。政治家の病気と、愛人と隠し子。どちらが問題だと考えられるだろうか。フランス人にしてみれば、公務の支障をきたすかもしれない病気に関する情報は開示されるべきなのだ。